読書スランプと短歌
最近、本を読むことから少し離れてしまっている。
読みたくないというよりは、読みたいのに文章を目で追って内容を理解する集中力や体力が低下している。
本屋さんには相変わらず毎日立ち寄ってしまうし、これも読みたいあれも読みたいという本ばかりが増えていくのに、いざ読み始めるとなかなかページを捲れない。
本を開いてページを捲らないまま、ぼーっとそのページを眺めている日もあって、そんな自分に呆れて本を閉じてしまう。
実は今やってる仕事にプラスして、新しいことを始めようとしてるということもあり、それについて考える時間や体力を結構消費しているということもあって、
なかなか仕事とプライベートの切り替えが出来ない自分の悪いくせを発揮しているからかもしれない。
そんなときはただただ受動的に音楽を聴いたりネットラジオを聴いたりYouTubeを見たりということをしている。
別に無理して本を読む必要もないので、読めないときまた読みたくなるまで待つのが一番だと思う。
そんなとき、今住んでる地域の近くの図書館に立ち寄った。(読めないくせに本のある場所には行きたくなる)
そこで久しぶりに見つけたのが、以前noteの記事にもしていたフリーペーパー「Songs」だった。
今のところに引っ越す前に初めて知ったそのフリーペーパーに、また出会えたことが嬉しかった。
短歌と音楽と絵が一体となっていて、特にQRコードで読み取って聴くことができる音楽は、ボーカルの方の声もメロディも音の一つ一つもとても魅力的だった。
そして繊細な線で描かれる印象深い女性の絵もすごく素敵で、どちらかというと音楽や絵にフォーカスして見ていた気がする。
だけど今回手に取って見て一番印象的だったのは短歌だった。
その一行に凝縮された色んなものが心にぐさぐさと刺さってきて、しばらく釘付けになった。
その短い言葉の連なりから読み取れる風景や感情や色や音は、とてもとても豊かで、短歌ってこんなに自由なものなのかって、少し意外だった。
音楽のようにメロディは無くて、小説のように前後に続く文章もない、約31音で感じ取れるものがとても多くて、今更ながらすごく感動した。
そもそも私の短歌のイメージや知識がアップデートされていないだけで、ずっと前から短歌はこんなふうに自由なものだったんだろうな。
読書スランプに陥った、沢山の文字を読めない今の私の脳に、じわっと染み渡ってきてとても心地よかった。
世間から何周か遅れて現代短歌の魅力に気づいたという話でした。