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2021.4.30(fri)花かんむり

花かんむりを完成させたことがない。

きらいな物も、きらいな人もいなかった五つの頃、自分がオンナノコであることだけが仄かなユウウツだった。
足の遅いのは仕方がない。力で敵わない存在がいることを知って、悪あがきに武道を習った。髪を短く切ってもらうのがうれしかった。だって翼くんとワタルも短かった。

ただ私として揺られている。毎日化粧をすることは嫌ではなくて、まぶたにオレンジを引けば、素顔よりもすてきに見える。属したくないわけでなく、何者であるのかを知らないまま、知ったふりで生きていられるくらいには丈夫に育った。
途中で飽きた末の、花の腕輪もはじめからいらなかった。ぜんぶ解いて雨を待つ。すみやかに再生するシロツメクサにあこがれている。


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