カカオマスはそのまま削って使うべし
ほぼほぼ毎日のように、おいしさってなんだろう的なことを考えてます。
あれこれやりながら、分かってくることも多々ありまして。
そのうちのひとつが、素材のよさというか持ち味というか個性が現れつつ、最終的に仕上がる形にうまく溶け込んでいると、一般的な意味での「おいしさ」がなにかは置いといても、少なくとも何らかの感動を与えられるようなものにはなるということ。
個性的な素材って、香りとか酸味とか苦み、雑味とかえぐみも含めて、単体ではちょっときつめのものが多いのだけれど、それを他のものと組み合わせると味が化ける。
その発見が楽しい。
で、カカオマスの話です。
その前にカカオマスってのは早い話が砂糖なしのチョコの固まりでして。そのままは普通の感覚では苦くて食べられない。なのにあまくすると美味しい。
っていうかチョコレート最初に作った人はなんだったのだろう。あのカカオをこうしてあーしてどうして「チョコ」になったのだと。よく分からないけどスゴイですね。
この最初に〇〇した人はスゴイ的な話は面白くて、今でも覚えてるのが、大学時代の数学教授の恩師がふと「最初に牛乳飲んだ人は絶対ヤバイ」みたいなやつで、ていうか牛ってデカイしにおうし、そんな生きものからでてくる白い液体...飲みますかね、普通?ていうことを大笑いしながら話した思い出。
それはどうでもよいけど、とにかくカカオマスはそれだけだとニガの固まりなのが、砂糖と出会うとおいしさが花開くという。
で、何がいいたいのかというと
菓子原料としてカカオマスを使う場合、ほとんどの場合は溶かして砂糖的なものと混ぜてから固め直すといっためんどうなプロセスが入るのですが、
お菓子単体でみるのではなくて、口の中に入ったら混ざるから同じじゃんと考えると、生地のなかにカカオマスが浮いてる状態でも、最終的に食べて混ざったときにバランスとれてればそれでいいのでは?そこまでがんばって均一になってなくてもいいじゃんってことで。
で、実際そうやって作って見ると、香りとか苦みとかがより際立ってはるかに美味しくなるという。混ぜすぎて均一では何かが失われてしまう。ん、それが個性?
というわけで、ホトトギスでは、ブラウニーとマフィン。カカオマス削って入れてます。ヴァローナのカカオマスがウマイです。というか香りが強いです。個性が強い。ニガは生地の甘さで中和されて逆に他の香りだったりが強調されて「大人の味」になります。あ、例えるならよくあるあれですよ、レトルトカレーにガラムマサラかけたら絶品的な、某グルメマンガでその昔読んだような。ま、とにかくオススメ、お試しあれ。
余談ですが、包丁でジョリジョリとカカオマスを削るのもまた気持ちいいんだなー