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薬剤師国家試験104回81|メトトレキサートの服用日数


出展: 厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198921.html 

初めに

 104回81は膠原病に対して経口メトトレキサート製剤を使うときの用法用量に関する問題です。難易度はそこまで高くはない問題ですが実習や実務をして行く上では非常に重要な項目になると思われるので丁寧に確認していきましょう!

葉酸代謝やメトトレキサートの作用など気になる方は是非こちらも!


※連日投与で死亡事例とかもあるし禁忌肢の可能性とかもあるかも?

https://www.medsafe.or.jp/uploads/uploads/files/teigen15.pdf

https://www.med-safe.jp/pdf/report_2011_3_T004.pdf


問題の要点

設問81

  • メトトレキサートの過剰投与は骨髄抑制や間質性肺炎などの副作用を起こす可能性がある。
    →よって選択肢4が正解

〈関節リウマチ、局所療法で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症〉
通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回又は2~3回に分割して経口投与する。分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する。1回又は2回分割投与の場合は残りの6日間休薬、3回分割投与の場合は残りの5日間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。
なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする。

〈関節症状を伴う若年性特発性関節炎〉
通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして4~10mg/m2とし、1週間単位の投与量を1回又は2~3回に分割して経口投与する。分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する。1回又は2回分割投与の場合は残りの6日間休薬3回分割投与の場合は残りの5日間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。
なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減する。

https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3999016M1021_3_03/
  • 葉酸の服用タイミングについて
    今回は聞かれてないけど、メトトレキサート隔週休薬期間中の葉酸服用タイミングを問う問題が出題されていた事とかもあったりします


出展 厚労省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html

106回 222 です
葉酸製剤の服用タイミングはメトトレキサートを服用してから24~48時間後 

<メトトレキサート診療ガイドラインより>
葉酸製剤は 5mg/ 週以下を,MTX 最終投与後 24 〜 48 時間後に投与する.葉酸製剤は,通常 ,
フォリアミン® を使用するが,重篤な副作用発現時には,活性型葉酸製剤ロイコボリン® を使
用する(ロイコボリン® レスキュー)注).

https://www.ryumachi-jp.com/publication/pdf/MTX2016kanni.pdf

 メトトレキサートは葉酸代謝経路を阻害→核酸合成を阻害→免疫を抑制という作用です。不足する葉酸を補うことでメトトレキサートの毒性を軽減していることは想像つくと思います。

 5mg/週 以下 メトトレキサート服用後24~48時間というのはメトトレキサートによって葉酸合成能が下がってからの補充に丁度良いタイミングと量という事なのでしょうか?

気になって調べてみたところ、5mg/週の理由については理由らしきものを見つける事が出来ました。

https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/MTX/05_ch4_MTX.pdf

本邦でMTX平均10mg /週投与中の副作用に対して,葉酸5 mg /週を投与した成績では,約半数に治療効果の減弱がみられた6).海外の勧告 では,最低5mg /週の葉酸併用が推奨されているが,このときのMTXは10〜 15mg /週から開始し,最高20〜30mg/週まで使用する投与法である4,5).葉酸と MTX投与量の比(葉酸 /MTX比)が1.0以上では治療効果の減弱がみられる頻度 が高いので,原則的に5mg /週を超える葉酸は必要ない

出展 
関節リウマチ治療におけるメトトレキサート( MTX )診療ガイドライン 2011 年版

https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/MTX/05_ch4_MTX.pdf


  • その他の選択肢の医薬品について
    アトルバスタチン 脂質異常症治療薬
    アムロジピン 降圧剤
    メトホルミン 糖尿病治療薬

これらは実習でよく見る薬でしたので用法用量まとめておきます。

リピトール錠 5mg 10mg
〈高コレステロール血症〉
通常、成人にはアトルバスタチンとして10mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症の場合は1日20mgまで増量できる。

〈家族性高コレステロール血症〉
通常、成人にはアトルバスタチンとして10mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症の場合は1日40mgまで増量できる。

https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2189015F1023_2_02/

リピトール(アトルバスタチン)は高コレステロール血症の治療薬でストロングスタチンに分類されます。10mg1日1回が一般的な用法用量です。家族性高コレステロール血症では40mgと上限が多いです。

※スタチンはストロング-スタンダード 水溶性-脂溶性 
代謝酵素 排泄経路など整理しておきましょう。実習でも国師でも頻出です。

今回の問題はは「7日連日服用できないものは?」なので不適切な選択肢になります。



調べておきたいキーワード

生物

免疫系 葉酸代謝経路 3型アレルギー反応
IgG抗体 IgM抗体 関節

化学

メトトレキサートのファーマコフォア

衛生

膠原病・自己免疫疾患の年次推移

薬理

メトトレキサート フォリアミン(葉酸)

リウマチ治療薬)
csDMARS(低分子治療薬)
tsDMARS(明確な標的分子をもつ低分子治療薬)
boDMARS(先発品の生物学的製剤)
bsDMARS(boDMARSのバイオシミラー)

病態

メトトレキサートの効果効能より)
間接リウマチ 尋常性乾癬 膿疱性乾癬 乾癬性紅皮症 
間接症状を伴う若年性特発性感染症 

間接リウマチ治療)
ACR/EULAR評価 

法規

バイオシミラー 


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