スカウトメールの「テンプレート」 と 「1to1文章」 の精度における相関関係について
「山根さん、エンジニア と ビジネスサイド でスカウトテンプレートは分けたほうが良いですかね?」
先日、こんなご質問をいただきました。
結論としては、分けたほうが良いです。これは感覚的に皆さまご理解いただけるかと思います。ただ、仮に「QAエンジニア」のポジションが新しく発生した際に、皆さんは「QAエンジニア」に特化をしたスカウトテンプレートを作成しますでしょうか?
おそらく100人中99人は
「作りたい気持ちはあるが既存の他のテンプレートを転用する」
になるのではないでしょうか?
本ブログでは、「スカウトテンプレート」について詳しく解説したいと思います。また、「テンプレート」と「1to1」の相関性についても解説したいと思いますので、是非ご覧ください。
0.「テンプレート」 と 「1to1」 とは?
皆さん、ご理解いただけているかと思いますが、本ブログを語る上で重要になりますので、「テンプレート」と「1to1」について説明します。
文言化して説明をするとこのような表現になるかと思います。そして、「テンプレート」と「1to1」には相関関係があると個人的には思っています。
1.「テンプレート」と「1to1」の相関関係
まずこちらをご覧ください。
結論から申し上げますと、
スカウトの「テンプレート」が「職種/ターゲットごと」に精度高く分類できているのであれば、1to1を細かく記載しなくても問題ありません。
少し整理して話を進めます。
1-1. テンプレート レベル1 「全職種同じテンプレート」
世の中の 50%程度の企業さまがこのレベルに該当するイメージです(山根の感覚値です)。
なぜならば、当社がHR支援に入る「前」に、全職種で同じテンプレートを使用している企業さまが割と多い実感があるからです。
ただ、皆さまの本音としては「職種/ターゲットごとに分類したい気持ちはあるが時間がなくてできない」だと思います。それはわかります。ただ、分類したほうが成果は出ることはご理解いただけるかと思います。
1-2. テンプレート レベル2 「ビジネスサイド と エンジニア(プロダクト)サイドで分ける」
世の中の 35%程度の企業さまがこのレベルに該当するイメージです。
「営業職」へのスカウトメールテンプレートと「エンジニア職」へのスカウトメールテンプレートは分けたほうが良いと判断し、2つのテンプレートを準備されていらっしゃるパターンです。これはありますよね。
1-3. テンプレート レベル3 「レイヤー(階層)で分ける」
世の中の 10%程度の企業さまがこのレベルに該当するイメージです。
つまり、「マネージャー以上へのテンプレートはこれ」、「事業部長以上、CxOクラスへのテンプレートはこれ」というパターン。年収400万円の方へのスカウトテンプレートと、年収1000万円の方へのスカウトテンプレートを分類したほうが良いことは皆さまご理解いただけるかと思います。
1-4. テンプレート レベル4 「職種ごとに分ける」
世の中の 3%程度の企業さまがこのレベルに該当するイメージです。
例えば、「エンジニア」と一言で言っても、
- バックエンドエンジニア
- フロントエンドエンジニア
- インフラエンジニア
- SRE
- QAエンジニア
- プロジェクトマネージャー
などさまざまな職種が存在します。職種が異なれば転職理由が異なりますし、インサイトも異なります。
となると、「エンジニア」と一括りにしてスカウトメールテンプレートを作成するのは危険であることは感じていただけるかと思います。
1-5. テンプレート レベル4 「ターゲットごとに分ける」
世の中の 1%程度の企業さまがこのレベルに該当するイメージです。
例えば、「バックエンドエンジニア」でいうと、
- 出身企業の業種別
- SIer出身のバックエンドエンジニア
- Webベンチャー出身のバックエンドエンジニア
- Web大手出身のバックエンドエンジニア
- 言語別
- 静的言語のエンジニア(Go,Scala,Java,Cなど)
- 動的言語のエンジニア(PHP,Rubyなど)
- サービス別
- toCのライトなサービス出身のエンジニア
- toB SaaS出身のエンジニア
- ゲーム開発出身のエンジニア
- オンプレミスのソフトウェア開発出身のエンジニア
このようにターゲットを分類することができます。ターゲット異なれば転職理由も異なりますし、インサイトも異なります。
となると、(前述の通りですが)「バックエンドエンジニア」と一括りにしてスカウトメールテンプレートを作成するのは必ずしも精度が高い、とは言い難いのです。
テンプレートのレベルをいくつか分類しましたが、
もし仮に「1-5. テンプレート レベル4 「ターゲットごとに分ける」」でスカウトメールの運用をした場合、おそらく1to1の文章は「省力化」できると思います。
なぜならば、
と前述しました。
そのため、ターゲットを細かく分類した場合は「テンプレート」≒「1to1」に近づくことになります。先ほど掲載をしたこちらのスライドを前述した「レベル」を加えると、
このようになります。
1to1の文章量とテンプレートの関係性がご理解いただけるかと思います。
2. 1to1文章の必然性
本ブログでは「1to1文章は不要」という主張をしたいのではありません。
「スカウトテンプレートの精度が高ければ高いほど、1to1文章の量は少なくても問題なくなる」
と言いたいブログです。僕も1to1の文章を書くことは好きですし、スカウトメール作成業務の一つの醍醐味だと思います。むしろ当社は1to1文章の仕組み化にもかなり拘っているタイプではあります。
その上で、1to1文章の必然性について、もう少し解説したいと思います。
2-1. 1to1文章の「構成」について
1to1文章には「構成」が存在します。構成と言っても「前半」と「後半」の2種類があるとお伝えしておきます。
このようにご理解いただけると幸いです。
1to1を端的に説明をすると「相手を褒めて、希望を叶えることができる」という感じでしょうか。
2-2. テンプレートの精度が上がると 1to1はどうなるか?
前項で記載をした1to1の「前半」と「後半」について、
仮にテンプレートの精度が上がると必然性が下がるのは「後半」になります。なぜならば、その求職者さまのキャリアを褒める作業(前半)はテンプレートの精度が上がったとしても、個別事象への対象が難しいからです。
一方で「後半」については、候補者のターゲットを細かく分けている故、インサイトをある程度絞ることができます。その絞ったインサイトに対してメッセージング(魅力)をすでにテンプレートに記載をしているため、精度が高い1to1と近しい文章がテンプレートで担保できている、ということになります。
理解がしにくかったかもしれませんのでもう少し解説します。
1to1文章というのは、
スカウトメールにおける、個別(送信先への)カスタマイズを「する」箇所(文章)のことですつまり、候補者の「キャリア」を読み込んでその候補者に「適した」文章を書いていくことです。
では、候補者の「キャリア」はどのように理解していくか?それは「マクロ」から「ミクロ」です。
例えば、
上から下に読み進めていくにあたり「マクロ」から「ミクロ」であるとします。その場合、(1)〜(7)まですべて読んでいただき、1to1を書くという作業が必要になります。
ただ、テンプレートの精度が高い場合は(1)〜(6)について網羅できている場合は、(7)だけに絞って1to1文章を書けば良い、ということになります。
ご理解いただけますでしょうか?
最後に
皆さんいかがでしたでしょうか。
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