ゲイとホモとボーイズラブと

ただのぼやきだが…
私は三度の飯ほどボーイズラブ(BL)が好き。特に二次元。
たまに、ゲイの方がボーイズラブを嗜む女たちに苦言を呈する場面を見る。俺たちのことを勝手に対象物として都合よくオカズにするんじゃねえ、リアルとはかけ離れている、みたいなことだったり。
言いたいことはよくわかるけど、ゲイカルチャーとBLは全くの別物である。BLは完全なファンタジーなのだ。現実に存在しないとわかっているからこそ、ファンタジーとして楽しめる。
そっちこそ、こっちの領分に口出してこないでほしいと思ったりもする。

ただ、「ノンケじゃない男性」という存在に対する無条件な憧れは、確かにある。
何がどう間違っても、こちらのこと性的対象としての基準に当てはめて批評してこない、という絶対的な安心感。
「ゲイの友達が欲しかったの〜」という女はゲイから嫌われるらしい。それはよく理解できる。けれど、「性別を超えた友情」というのに幻想を抱きたくなる気持ちもまた、わかる。ゲイの方々からすると、勝手に幻想押し付けてきてんじゃねえよと、それはごもっともな話で。

私個人的には、ゲイの友人はいない。あえてゲイの友人を作ろうと思ったこともない。ただ、たまたま憧れていた思想家の方や、ボーカルトレーナーの方がゲイだと後から知って妙な安心感を覚えたりはする。

セクシャリティは、その人間を表すほんの一面でしかないと思っている。私はただ安全地帯から、ファンタジーとしてのBLの世界を妄想したいし、全くの異文化としての「ゲイカルチャー」をたまには外側から眺めてみたくもなる。
ゲイセクシャリティの人=ゲイカルチャーにいる人、でもないだろう。
ただ、男で男が好き、サカナクションが好き、みたいなノリの人もいるだろうし。

なんだろう、ボーイズラブを嫌うゲイ。女の立場で言うと、二次元のロリばかり摂取する男性への無条件な嫌悪感みたいなものだろうか。実際犯罪を犯さない限りは当人に罪はないことはわかってはいるが、生理的に抵抗感があるみたいな感じかな…
そうなると何も言い返す言葉もないが、とにかく他人に危害を加える気はないのでそっとしておいてほしいと思う。

ただ、最近の私はリアルなゲイカルチャーど真ん中の人たちをたくさんフォローし、その日常を見守るのが日課になっている。
虚構が現実に侵蝕してきつつあるのか。欲望の垣根はない。あくまで「観察者」でありたい、というのだけは変わらない。

欲望する側とされる側、それは男女の世界ではいまだに固定化されており、女は常に欲望される側でなければならないという強迫観念が根強い。
しかしたまたま女の身体に生まれたから、女を楽しんでいるだけで、男の身体に生まれていれば男を楽しんでいる気がする。
男性から欲望される自分と、自分が思う自分自身とは、常に乖離がある。
だからこそ、純粋な欲望の世界では観察者としてエロを摂取していたい。

欲望する側の暴力性(実際の犯罪行為ではなく、性質として内在している)、これを無きものにして弾圧するのは、全人類にとってあまり良いことではない。
男も女も、LGBTQも、欲望する側に立つ時はいつだって身勝手なものだ。

欲望万歳!


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