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自動車業界の変革と未来展望:EV・自動運転・MaaS 新時代の潮流を探る

こんにちは、ポテンシャライトAgent Div.の堀岡です!
”ITベンチャー特化の転職エージェントが色々な業界をリサーチしてみた企画”の第11回です。今回は自動車業界の動向について見ていきます!

この記事はこんな方にオススメです。

  • 自動車業界が転職先の選択肢に入っている

  • そもそも自動車業界についてあまりよく知らない

  • 自動車業界の大手企業やベンチャー企業について知りたい


1. 導入

自動車業界は、世界経済において最も影響力のある産業の一つです。過去数十年にわたり、エンジン技術やデザインの進化を遂げてきたこの業界は、今まさに電気自動車(EV)、自動運転、カーボンニュートラル技術の発展により、さらなる大変革を迎えています。環境問題への取り組みや技術革新に伴い、さまざまな変化が進行中です。

特に転職市場においては、自動車業界の成長とともに新しい職種やスキルが求められており、これまでにないキャリアの機会が広がっています。本記事では、自動車業界の成長性、期待される点と不安な点、主要企業、直近のトレンドについて詳しく解説します。これから自動車業界への転職を考える方々に、最新の動向を踏まえた情報をお伝えします。

2. 自動車業界の成長性

2-1. 電気自動車(EV)市場の急成長

近年、自動車業界における最も注目すべき成長分野の一つが電気自動車(EV)市場です。世界中で環境問題に対する関心が高まる中、各国の政府は温室効果ガス排出削減を目的とした政策を推進しており、その一環として内燃機関(ICE)車からEVへの移行が進んでいます。

特に欧州では2030年ごろまでにガソリン車・ディーゼル車の新規販売を禁止する動きが見られ、EVの生産・販売が急速に拡大しています。中国やアメリカにおいても、政府の補助金やインセンティブを背景にEV市場は急成長しており、今後10年で従来の自動車市場を追い越す勢いです。

ひとくちに電気自動車といっても種類は複数あります。
ここでは現在特に勢いのある2つの車種の販売台数比率の推移を紹介します。

世界の新車販売台数におけるBEV・PHEV比率の推移(2010-2023)
出典:Global EV Outlook 2024

BEV(Battery Electric Vehicle):バッテリ式電気自動車
PHEV(Plug in Hybrid Electric Vehicle):プラグインハイブリッド自動車

2-2. 自動運転技術の進化

自動運転技術も、自動車業界の成長において大きな役割を果たしています。自動運転技術は、運転者の介入なしに車両を安全に制御する技術であり、現在ではレベル2(部分的自動運転化)からレベル5(完全運転自動化)の開発が進んでいます。多くの企業がこの分野に多額の投資を行っており、AIやセンサー技術の進化によって、事故を減少させ、交通渋滞を緩和し、移動の効率化を図ることが期待されています。

また、自動運転技術の進展は、商用車や物流分野にも大きな影響を与えています。自動運転トラックや配送ロボットの導入が進められており、物流業界全体の変革が進行中です。

2-3. カーボンニュートラルに向けた取り組み

環境問題への対応として、カーボンニュートラルに向けた取り組みが自動車業界全体で加速しています。大手自動車メーカーは、CO2排出量の削減に向けた戦略を打ち出し、再生可能エネルギーを活用した製造プロセスや、燃料電池車(FCV)の開発にも注力しています。

日本や欧州の多くのメーカーは、2030年代までに生産車両の大半を電動化することを目標に掲げており、これにより自動車業界のエコシステム全体が転換を迎えることになります。この動きは、バッテリー技術やエネルギーインフラの成長にも寄与し、関連産業の成長を牽引しています。

2-4. 新たなビジネスモデル“MaaS(マース)”

電気自動車や自動運転技術を中心とした革新が業界全体の成長を牽引する中で、単なる自動車の製造から、モビリティ全般をサービスとして提供する「MaaS(Mobility as a Service)」という新しいビジネスモデルが生まれています。

自動車関連企業各社は単に車を販売するだけでなく、デジタルプラットフォームを通じてさまざまなモビリティサービスを提供する企業へと進化しており、この動きは今後の大きな成長を支える要素となるでしょう。

MaaSのビジネスモデル
出典:KDDIトビラ


3.自動車業界の期待できる点・不安な点

3-1. 期待できる点

3-1-1. 環境に優しいモビリティの実現
自動車業界における電動化の進展は、温室効果ガスの排出削減に大きく貢献しています。各国の政府はカーボンニュートラルを目指しており、EVや燃料電池車(FCV)の普及が進むことで、持続可能な交通手段が実現される見通しです。これにより、環境保護を強く意識した消費者層や企業にとっても、自動車業界への信頼が高まるでしょう。

3-1-2. 新しいビジネスモデルの創出
自動車業界では、シェアリングエコノミーの発展に伴い、従来の「自家用車所有」の概念が変化しつつあります。自動車のサブスクリプションサービスやカーシェアリングが広がり、個人が車を所有することなく、必要なときにだけ利用できるサービスが普及しています。このような新しいビジネスモデルの台頭は、消費者の利便性を高め、業界全体の成長を支える要因となるでしょう。

3-1-3. モビリティサービスとテクノロジーの融合
自動運転技術やコネクテッドカーは、車両がよりスマートに、そして便利に進化することを意味しています。例えば、自動車とインフラが通信し合うことで、交通状況の最適化や事故の予防が可能となり、より安全で効率的な交通システムが構築されます。この分野の成長は、自動車業界におけるイノベーションの核となり、消費者にとっても大きなメリットをもたらします。

3-2. 不安な点

3-2-1. 高額な技術開発費と利益率の低下
自動車の電動化や自動運転技術の開発には、巨額の投資が必要です。多くの自動車メーカーは、新技術へのシフトを急速に進める一方で、開発費がかさみ、利益率の低下を招くリスクがあります。また、消費者の購買意欲が追いつかない場合、市場での競争が激化し、一部の企業は淘汰される可能性もあります。

3-2-2. サプライチェーンの混乱
自動車業界は、世界中のサプライチェーンに依存しており、特に半導体不足や原材料の供給問題が深刻化しています。2020年からの半導体不足は、EVやコネクテッドカーの生産に直接影響を与え、車両納期の遅れや価格上昇を招きました。こうしたサプライチェーンの問題は、今後も業界の課題として残る可能性があります。

3-2-3. 新技術の法規制やインフラ整備の遅れ
自動運転技術やEVの普及には、法規制やインフラの整備が不可欠です。例えば、自動運転車の導入に向けた法的な枠組みが整わなければ、技術開発が進んでも実際の運用は難しくなります。また、EVに関しては、充電インフラの整備が追いつかない地域では、消費者が電気自動車の購入を躊躇する可能性が高いです。これらの要因は、新技術の普及を妨げるリスクとなり得ます。


4.自動車業界の主要企業

4-1. トヨタ自動車株式会社(Toyota Motor Corporation)

トヨタ自動車は、世界最大の自動車メーカーの一つであり、ハイブリッドカーのパイオニアとして知られています。同社は「トヨタ・プリウス」をはじめとするハイブリッド車(HV)で成功を収め、現在は電気自動車や水素燃料電池車にも注力しています。さらに、トヨタは自動運転技術の開発にも力を入れており、自社開発のAIシステムを用いた自動運転車の実証実験を行っています。

トヨタは、2030年までにEVの販売台数を350万台にする目標を掲げており、積極的なEVシフトを進めています。また、バッテリーのリサイクルや再利用技術の開発にも注力し、環境負荷を最小限に抑える戦略を取っています。

4-2. テスラ社(Tesla, Inc.)

テスラは、電気自動車業界のリーダーとして世界中で注目を集める企業です。CEOのイーロン・マスク氏が掲げる「持続可能なエネルギーへ、世界の移行を加速する」というミッションのもと、テスラは高性能なEVを市場に提供しています。特に、テスラの「モデル3」や「モデルY」は、電気自動車市場においてトップシェアを誇ります。

テスラは、EVの製造に加え、バッテリー技術や自動運転技術にも強みを持ち、ソフトウェア更新により車両の性能を向上させるという革新的なアプローチを採用しています。


5. 自動車業界の直近トレンド

5-1.  自動運転技術の進展と法整備

自動運転技術は、依然として業界のホットトピックです。現在、多くの企業がレベル3(特定条件下での自動運転)やレベル4(ほぼ完全自動運転)の実現を目指しており、テクノロジーの進化に伴い、法整備やインフラ整備も求められています。特に、自動運転車が一般道路で安全に運行できるようにするための規制や標準化が重要な課題です。

アメリカや日本、ヨーロッパなどの先進国では、自動運転車の実証実験が盛んに行われており、近い将来に実用化が見込まれています。しかし、自動運転車の普及には技術的な課題だけでなく、消費者の信頼を得ることや、道路交通システム全体の再構築が必要です。これらの点で、今後の進展が注目されます。

5-2. 次世代技術との連携

さらに次世代の技術の導入が加速していおり、スマートシティとの連携も期待されています。

スマートシティとは、「都市内に張り巡らせたセンサー・カメラ、スマートフォン等を通じて環境データ、行動データ等の様々なデータを収集・統合してAIで分析し、更に必要に応じて設備・機器などを遠隔制御することで、都市インフラ・施設・運営業務の最適化、企業や生活者の利便性・快適性向上を目指すもの」です。

野村総合研究所様:HPの用語集より引用

自動運転やコネクテッドカーが、スマートシティの一部として機能することで、交通渋滞の解消や二酸化炭素排出量の削減が実現する可能性があります。

6. ポテンシャライトおすすめ企業

6-1. GO株式会社

GO株式会社は、「移動で人を幸せに。」をミッションに、タクシーアプリ『GO』を中心に、モビリティ業界を革新するITソリューションを提供する企業です。日本のモビリティ産業をアップデートすることに挑戦できる環境が整っており、急速に拡大する業界で革新的な技術を活用したプロジェクトに携わることができます。技術革新やモビリティの未来を形作りたい方にとって、成長機会が豊富な企業です。

6-2.ホンダモビリティソリューションズ株式会社(本田技研工業株式会社)

Honda Mobility Solutionsは、ホンダが展開するモビリティ関連のソリューション事業です。次世代の移動体験を提供する技術に携わり、グローバルな影響を与える仕事ができます。革新に挑む環境と、未来志向のプロジェクトが充実しており、モビリティの未来に貢献したい人にとって魅力的です。

6-3. 株式会社eve autonomy

eve autonomy社は、ヤマハ発動機株式会社と株式会社ティアフォーによって設立された合弁会社で、次世代自動運転技術を活用した物流や産業向けソリューションを提供しています。自動運転技術を活かし、効率化や持続可能な社会を目指したプロジェクトに参加できるため、テクノロジーとサステナビリティに情熱を持つ方にとって最適な企業です。

7. まとめ

自動車業界は、電気自動車、自動運転、コネクテッドカー、そしてMaaSといった次世代技術によって、大きな変革の時期を迎えています。この業界は、技術革新による成長が期待される一方で、半導体不足やサプライチェーンの複雑化といった課題にも直面しています。しかし、長期的にはカーボンニュートラルの目標やサステナビリティの推進により、より持続可能な未来を実現するための努力が続けられるでしょう。

自動車業界における転職やキャリア形成においては、これらのトレンドや技術革新に対応できる人材が求められており、特にエンジニア、データサイエンティスト、IT技術者の需要が高まっています。

ポテンシャライトではMaaS系ベンチャー・スタートアップ企業様もご紹介可能ですので、ご興味ある方はぜひ一度ポテンシャライトのカウンセラーとお話ししてみませんか?



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