ワーカーホリック 心酔する愚者2章-⑭

ボスを送りとどけ、事務所の駐車場についたころには3時を過ぎていた。

私はSと一緒に神社の鳥居を潜り、母屋に向かう。
母屋に向かう途中の竹の匂いが、私の眠気を覚ましてくれた。

母屋につき門をカードキーで開ける。
ロックを開けたあと、そのまま玄関まで向かい、マスターキーで扉を開けた。

玄関につき、靴を履き替えるとわたしはメンバー専用の事務室に向かった。
デスクがいくつかあるが、私は検査用のサンプルをおく棚に向かい、カトウアイの髪の毛を瓶に入れ、検査用のボックスに入れる。
このボックスにいれておくと、明日集荷の人がきていったん本館の事務所に回してくれるのだ。

私はそのまま荷物を持って自室に向かった。

私の自室はたたみの部屋と洋室、洗面台と浴槽付きのお風呂が繋がっている部屋だ。

洋室がデスクを置いて執務室にたたみの部屋は布団を敷いて仮眠室替わりにしている。障子で区切ることができるので、とても重宝している。

私はカバンをデスクにおいて、500万をデスクの上においた。

すると扉からノックが聞こえた
「どうぞ」
そういうとSが入ってきた。
「ボスからのメールみた?」
「えぇ、打ち合わせ13時に変更だってね」
「俺たちが遅くまで働いたからな、」
Sは洋室のカウチソファに座った。手には荷物を持っている。

「まさか、私の部屋のシャワーを使うつもり?」
「すぐに出るからいいだろう」
「・・・・離れの鍵貸すから、離れに行ってよ」
「今から行くのは面倒、そして俺はそこまで盛ってないわ、カトウアイの件について、いい案を思いついた、俺は今からここで徹夜で作業する。変な疑いかけられたくないから、入り口のドアは空けておく、お前はそのまま隣で寝る。これでいいよな?」
「・・・シャワー15分で出てきてね」
「ありがと。あと500万は金庫にいれておけよ」
「わかった。」
Sは立ち上がり、荷物を持って浴室へ向かっていった。

私は500万を金庫にしまい、コートとカバンをもって畳の部屋に向かう。
コートとワンピース脱いでたたんで隅において、パジャマ変わりの浴衣をきて、わたしはそのまま布団に眠りについた。



スマホから6時のアラームが鳴り響く
結局寝落ちしたか・・・と思い、布団を捲り立ち上がる、
まだ外は少し暗い。
ふすまを開けると、私のデスクでSがパソコンで作業していた。

「起きていたの?」
「おう、だれか寝落ちしたから、とりあえずここ作業していたわ」
「ごめん」
「さすがに扉を開けているとはいえ、他の奴に変な勘違いをされても困るからな・・・Nが起きたなら、俺はモーニング買って、カフェ食べながら仕事しようと思っていたところだよ。」
「・・・寝ていないの?」
「モーニング食べたら、俺は12時まで寝る。それより13時からの会議とはいえ今日は気合入れろよ、恐らく明日には決着をつける」
「カトウアイとターゲットになにかあったの?」
「おまえのネカマスマホとコートにしかけた発信機と盗聴器を通して観察していたけど、お前と別れたあとターゲットと接触していたぞ」
「まじか・・・契約違反金とってよいかな?」
「亡者落ち着け、俺たちのことはそこまで話していなかったけど、狙われていることは話していたからな・・・まぁ話した時点でアウトだけど、粘られたらまじで面倒。」
パソコンの画面を見せる。

「ともあれ、おれはモーニング食べたいから、花ちゃんのところにいってくる。お前は何たべる?あとで持っていく」
「クロックムッシュとコーヒー」
「わかった。あとで3割増しで支払ってね」
「Uberでもそんなに高くないわ」
Sはパソコンをカバンにしまうと、部屋から出ていった

私は腕をのばしながら、お風呂へ向かった




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