来訪者 〜ローラスの金〜

2/18（日）
天気：晴れ

昨日は非常に気持ちの悪いことが起きた。

いつものように、バイトから帰宅して19時に配信開始。

んで20分ぐらい経った頃、インターホンが鳴った。

なんだろ、こんな時間の来訪者って。

相方の宅配かな？

モニターを覗くと、痩身の男性らしき姿が。

でも荷物を持ってる感じでもない。はて？

「はーい」

「こちらローラスの金（キン）です。管理会社とは別で不動産会社なんですけども、要件があって参りました。」

ん、怪しい。

うちの不動産会社は「ローラス」なんて名前じゃない。

あとちょっとカタコト？歯切れの悪い感じ？

とにかく不審だ。

「少々お待ちください。」

一度その社名をネットで調べようとして一言かけたのだが

「いや、いいから直接お伝えしないといけないので早く出てきてくださーい」

と急かされたのだ。

これで疑惑が確信に変わった。

こいつは確実におかしい奴だ。

（ちなみに、調べたら「ローラス」なんて不動産会社は存在しなかった。ローラスインターナショナルスクールってのはあったけど。まさかインターナショナルスクールの勧誘じゃあるまい。あれはお金に余裕のある家庭が自ら子供を入れるところだ。勧誘するもんじゃないし、僕らの住む地域には縁もゆかりもないだろう。）

なので僕は

「あの、あなたが怪しくて危険なので、一度社名を調べます。加えて、あなたはまず要件をモニター越しで教えてください。」

と、極めて理性的に、でもハッキリと意思を伝えた。

ところが

「いいから早く書類とかも書いてもらわなくちゃならないんで早く来てください。」

と、完全に話が噛み合わない。

ダメだこれは。完全にヤバい奴だ。

そう悟った僕は、モニター越しに電話するフリをした。

「あ、もしもし警察ですか？今玄関先で...」

「何してんですかー？おーいおーい。」

ドアをドンドン叩いてくる。まずい。

「いま警察にあなたのことを伝えてるので静かにしてください！」

すると突然

「営業です。営業で参りました。」

はあ？

まじでヤバい奴だ。まじで危ない奴だ。


「いや、あなた営業って言ってなかったですよね？」

「いや、言いましたよ？」

「あなたは最初に不動産会社を名乗って、要件がある、と言ってきましたよね？」

「いや、営業ですよ。お伝えしましたよ？」

ダメだ、クソみたいな水掛け論しかできない。

なので僕は

「そもそも、営業ならお断りです。とっとと帰ってください。」

と、相手が逆上するのは怖かったけど明確にNOを示した。

すると

「ハァ、もういいです。帰ります！二度とそんな態度取るなよ！」

と言い放って立ち去りやがったので

「いや二度と来ないでください！とっとと帰ってくださいサヨウナラ！お気をつけて！」

と、つい大声で言い返してしまった。

こうして「ローラスの金」を名乗る者は消えたが、あとになって後悔した。

あんなふうに言い返して、おそろしいことをしたな。

確実に頭のヤバい奴だったもん。仕返しとかされる可能性あるもんな。

せめて敬語を使った分、大目に見てほしいわ。

でも、そこからは本当に怖くなった。

まだ外に「ローラスの金」がいるんじゃねえかな、突然入ってくるんじゃねえかな。

そう思うと居ても立っても居られず、玄関チェーンを閉め、窓の鍵が閉まってることをよーく確認した。

そんでいざ「ローラスの金」が侵入して襲ってきたときのために

武器として掃除機を抱きかかえた。

一体なんなんだよあいつ....


冷静になって考えると、ちゃんとモニターに顔が映らないようにしてたし手元を隠してたから

まじで刃物を持ってて、出たら刺されてた可能性すらある。

あんなに粘ってきたのも謎だし。

ああ、こりゃ娘を一人暮らしさせるのは怖えわ、と痛感した。

ま、娘いないんだけども。

とにかくみなさんもお気をつけて！！

どうやら、危険はその辺に潜んでいるようだ。