花を飾る日。
いつも家に花があるのっていいよなぁと思いつつ、たまにしか買わない。飾ったらいい気分になるのはわかってるけど、手間が増えるしお金もかかるから。
花を買うタイミングは、だいたい実父と義母の月命日。父が亡くなってから24年、義母が亡くなってから2年が経った。2人の命日は覚えやすい日にちだけど、忘れないように毎月手帳に書いている。
本当はそんな風に、他のタスクをこなすのと同じようにして2人のために花を買うようなことはしたくない。
花屋の前を通ったときに「そういえば今日は月命日だから買っていこうか」とか「この花お母さん好きそうだから買っていこう」という具合に、自然にできたらいいのになぁと思う。私だったらその方が嬉しいから。
だけど私は手帳に書いている。私の頭のなかはいつもどうでもいい悩みごとで溢れていて、強制的に思い出させないと2人のことを考える時間がなくなってしまいそうだから。
花を飾るときは、一つの瓶に対して1種類の花を挿し、何個か並べるのが好き。そんなにたくさん花瓶を持ってるわけじゃないけど、何個かひっぱり出してきて、花に合いそうな瓶を考えるのも楽しい。
うちには仏壇はなくて、その代わり私の机の上に2人の写真を立てて置いている。月命日にはその写真をダイニングの目立つところに持ってきて、その隣に花を飾る。
何年か前に『リメンバー•ミー』という映画を観た。現実の世界で誰からも思い出してもらえなくなったら死者の世界からも消えてしまうという話。だったと思う。
あちらの世界でも、楽しく過ごせていますように。