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学振DCを目指す人必見!DC採用者に物申す。(DC医師にもちょっと物申す)

こんにちは、海外で現役ポスドク(生命科学系)をしておりますポス山毒太郎と申します。このnoteはあくまで毒太郎の体験を元に、偏見に基づいた感想を語っていく場です。ですのでほとんど統計値などは出てきませんので悪しからず。

筆者は学生時代、学振DCには採用されませんでした(PD、海外学振に採用されたとは言ってない)。ここでは毒強めでDCに採用されて調子に乗っている意識高い系の奴らに一言物申したいと思います。DC採用者の方はもちろん、これからDCを目指す方、特に申請しようか迷ってる方は必読です。

最後まで読むと、いいことがあるかもしれません。完全に筆者の嫉妬、やっかみなので、DC採用者の皆様は上から目線で見ていただければと思います。ただし本音ですのでご注意を。
 

学振DCとは

ではその前に、学振DCについて簡単に説明したいと思います。学振DCとは、優れた大学院生に研究に専念してもらうために給料と、研究費を「国」が支給するシステムのことを指します。DCには2種類あって、DC1とDC2に分かれています。DC1は3年間、DC2は2年間、毎月20万円の研究奨励金(給料)が支給されます。さらには研究費として年に150万円支給されます。
 
研究室に研究費が潤沢にある場合、ティーチングアシスタント(TA)などに学生を雇って、給料を支給することもありますが、一般的に博士課程学生は無給です。その間は親に学費と生活費を出してもらうか、バイトするか、奨学金という名の学生ローンに借金をして生活をします。筆者はバイトをしていました。

ですので学生生活をしながら月20万円の生活費をもらえるのはとてもありがたいですし、喉から手が出るほど欲しい奨学金です。当然ですが日本学生支援機構(育英会)から支給される「奨学金」と言う名の借金ではなく、このお金は給料としてもらえるわけです。ですので博士課程に進学する予定の学生は必ずと言っていいほど申請します。当然全員がもらえるわけでなく、採用率はリンク先の下の方にありますが、毎年20%前後の狭き門です。

ですので学振DCに採用されたら、日本の博士課程学生の中ではトップエリートと言っても過言ではないでしょう。彼らは日本の科学の未来を担う研究者の卵です。学振DCを取れば学内でも一目置かれる存在になりますし、もしかしたら学振DCの価値をわかってる人にはモテるかもしれません。将来性が高いと国に判断されたわけですからね。実際に大学教員の登竜門とされる面もあると思います。
 
ではそんなエリートたちに早速物申すですが、、、
DC採用者は閲覧注意?
 
 
 
 
 
 


はっきり言ってDCに採用されたか否かは、ほとんどの場合自身の研究者としての実力と全く関係ないことを自覚してください。
 
 
 筆者は、DCを取って勘違いしたのかそのままアカデミアに残ったものの、全くうだつが上がらない研究者をたくさん見て来ました。筆者のような3流ポスドクからしても心配になる程です。DCは学生の生活を助けるシステムとしては大変意味がありますが、その学生が優秀かどうか判断するという面ではほとんど意味がないです。むしろ自分をアカデミアに向いていると勘違いさせてアカデミアに残してしまう分、害悪システムと言っても過言ではありません。
では続いて、なぜDC採用と実力があんまり関係ないか、理由を述べていきましょう。

まず前項でも述べた通り、来年度から博士課程に進学する修士課程学生や、博士課程課程の1年目、2年目でDCに申請することが出来ます。

募集要項はこちら。


この申請時点でほとんどの学生は自分が筆頭著者の論文を持っていません。この時点で自身が筆頭著者の論文を持っているのは、よっぽど運がいいか、このような奨学金を取得するために所属研究室が出させた小さな論文である場合が多いです。勿論、本当に本人が優秀で論文を持っている人もいると思いますが、筆者が遭遇した学生では1人くらいしか思い浮かびません。
 
またこの時期は、筆頭著者どころか共著者としての論文も持ってないことが多いです。この時期に共著者を持っているのは、先輩のプロジェクトを手伝って運よく名前を載せてもらったからか、ラボのグレー技を使ったケースが多いです。なのであんまり自分の実力は関係ないことが多いです。

グレー技に関してはこちらの記事をどうぞ

どんな形であれ論文を1本持っていれば、周りは持ってない人がほとんどですので、審査において大きな加点となります。ラッキーでもなんでもいいので論文を持っていれば、それが仮にしょうもない論文でもDC程度は大体採用されます。


そして残りは論文を持ってない有象無象から選ばれます。ではどんな人が選ばれるでしょうか?

文章力とラボパワーと運です。
 
もちろん文章力も大事な能力の一つです。筆者は文章力がえげつないDC採用者の申請書を見たことがあります。なんというか、一文目から違います。これくらいの文章能力があったらそれは立派な能力ですが、イコール研究の実力とはなりません。ちなみにそいつのあだ名はその日から「文豪」になりました。
 
次にラボパワーです。まず学生の研究プロジェクトは大体ボスが決めるので、研究計画はあまり学生本人の能力は関係ありません。また学振を取らせるように努力する研究室も存在します。例えば学振用に小さい論文をまとめさせる研究室もあります。それは悪いことではありませんが、上記で述べたグレー技を濫用したり、学生の代わりに教授が申請書を書く研究室もあると聞いたことがあります。
 
そしてやはり東大京大などの有名大学の学生が多い印象です。
筆者が学歴ロンダで進学したSラン大学では、「学振を取らせるセミナー」なるものがありました。そこでは学振を書くときのティップスや、学振に採用された過去がある教員や、審査をしたことのある教員のスピーチを聞くことができました。一方で筆者はあまり偏差値の高くない大学にも所属していましたが、そこではDCの存在すら知られていませんでした。ですのでラボパワー、ひいては大学パワーによっても学生が得られる情報量には天と地程の差があります。もちろん有名大学の方が、業績的に良い研究室が集まっているので当然の結果かも知れませんが。

採用者とその所属大学は公開されているので見ることができます。たまに聞いたことがない大学の学生が採用されていますが、「頑張ったなぁ」とそこは素直に思います。 


ということでそもそも研究を始めて数年の学生が研究に向いているか、優秀かどうかなんて判断できません。強いて言うなら学振を通りやすい、いい研究室に入れた選球眼と実力があるかどうかでしょう。
 
論文に名前が載るかどうかは、自分の実力だけではどうしようもないかもしれません。しかし文章能力や大学パワーに関しては情報を集めることで改善はできます。ネットで調べれば学振の書き方等の情報は大量に出てきますので、色々調べてみてください。小説を書くならともかく、申請書はフォーマットがある程度決まっているので、文章力の有無はかなり誤魔化せます。ただし例えば「学振 書き方」などで検索してみると、たくさんのサイトがヒットし、情報が多すぎてよくわからない方もたくさんいると思います。
 
今まで忘れていましたが筆者も偶然学振等の申請書の書き方講座を記事にしていますので、よかったら是非ご覧ください(すっとぼけ)。偶然です、大事なので2回言いました。筆者の記事を読めばわかると思いますが、特に筆者には文章力がないと自認しています。逆に言うと文章力を補うメソッドに関しては熟知していると思います(説得力強め)。
優良部分は後半のみですので、前半だけ読んでみて興味がある方は購入をお願いします。なんか最後は怪しい情報商材みたいになりました笑。


最後に

さて本記事ではDCに採用されるかどうかは研究者としての実力とはあまり関係ないと、やっかみ混じりに筆者は述べました。逆に言いますと、DC(特にDC1)は誰にでもチャンスがあるので、「自分はDCを取れる実力なんてないなぁ」なんて思わないで申請することをお勧めします。はっきり言ってDCなんて大したことないです。ですがとりあえず出さないことには通りません。

Sラン大では、「周りのみんなが出すので自分も出す」、また「先輩が出しているから自分も出す」みたいなノリもあります。しかしそうでない大学では、出す学生もいなければ、教員も興味がなく、なんなら事務も学振DCのことをよくわかってないケースも多々あります。

学振DCの存在をたまたま知っているけど、「周りで出す人がいない」などの理由で申請するか迷ってる学生はすぐに上司に強めに相談してください。給料の他に研究費も支給されますので、研究室にとってもWin-Winです。申請書を書くいい経験にもなります。

申請の仕方がわからなくて、かつ周りに頼れる人がいないなら、学振に直接連絡してもいいと思います。申請者の相談は乗ってくれないかも知れませんが、採用者のメールにはきっちり返してくれます。なんなら電話でもいいでしょう。

また本記事では学振DCのことをこき下ろしましたが、取るに越したことはないです。筆者はDC取得者で、その後アカデミアでうだつの上がらない研究者をたくさんみてきたと言いましたが、若くして大学教員になってる方もなんだかんだDC取得者は多いように感じます。

 では最後に筆者のDCを取得した医師への文句を聞いてください。ここまで読んだ皆様は思ったでしょう、筆者がなんとひねくれているかを。ここから下はさらに毒強めなので、そういうのが嫌いな人はここでバックしてください。なぜか口語調(ポエム調)です。
 

DC取得医師に物申す、というか嘆き

まずDCを目指している医師達よ、あなた方は我々nonMDの学生に比べて夜勤バイトでかなりの時給をもらってるよね。我々に比べて生活費の心配はあんまりないよね。
確かに夜勤バイトが大変なのはわかる。でもnonMDのバイトなんてよくて時給2000円前後よ。
そんなDC取れなかったら生活できないような僕らからDCの枠まで奪わないでください。

しかもあなた方は博士課程に進学する頃には大学病院で数年働いてるから、すでに臨床論文を持ってるケースが多いよね。研究を初めて2年とかの我々の業績じゃとても太刀打ちできません。
ケースリポートってなんですか?実験はn=3からと習いませんでしたか?

しかも院内やら医局内で謎の発表会を催してそこで謎の賞を立てて、受賞歴とか水増ししてるよね。知り合いの医師が、「医局は抜けられない部活」と言ってたけどそういうところだぞ、しょうもない身内の会が多すぎるぞ。

別に必要ないのに学振DCをトロフィー代わりに、受賞歴の賑やかしのために取るのをやめてください。

そしてDCに採用された医師達よ。最近兼業の要綱が緩くなったからといって学振DCを取りながら、医者としてバリバリ働くんじゃない。DCの目的から外れてるじゃないか!

えっ、お金には困ってないけど、DCを取れば研究者としての「はく」もつくから取るんだって?
わかったよ、じゃあせめて研究は続けてくれよな。それがDCを取れなかった我々への供養にもなるし、日本のトップエリートで優秀なあなた方が研究を続けてくれるなら成仏できるよ。えっ、博士とったら開業するって?
 これが資本主義かぁ(白目)。。

さて強者が全てを持っていく資本主義について解説したところで、今回はこれくらいにしておきます。研究を真面目に行なっている医師研究者の方々は日頃から尊敬しております(本当に)。

さらに医師研究者への文句が読みたい方はこちらの記事もどうぞ。上の愚痴とは違ってかなり建設的だと思うので医師研究者必見です。どちらかというと激励です。

次回は明るい話題で、ポスドクとして留学することのメリットに関して語っていきたいと思います。もしくは学振PDに関して語っていくことも考えています。いいね、フォローお願いします。モチベーションになります。



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