勤務805日目 DCATの急加速の話とリーンアウト、リーンイン
出してますか、急加速。
ぼくは一日平均20回前後出しています。
50ccカブのときは一日0回か1回が普通でした。
現役郵便屋の方が見てたらぎょっとしていることでしょう。
一日20回はかなり多い。
違うんです出ちゃうんすよ。
電動バイクに乗る機会が増え、加速力はいっちょ前にあるから簡単に急加速が出るんです。
ちなみに速度超過は出ません。
フルスロットルで速度66キロが限界だからです。制限されています。
速度超過はたぶん70キロからカウントされるっぽい。
電動バイクは0キロからの加速力があるんですけど、その後は伸びません。60キロまで到達するパワーは弱い。
そこはエンジンのついた110ccに及びません。(ちゃんとメンテナンスされてたら)70キロは余裕で出るし、距離があれば100キロでます(出したとは言っていない)。
めちゃくちゃ急加速を出していますが、暇があると即タバコ室に行く課長にきつく怒られたことがあります。怒られたのはその一度だけ。
部長もぼくが急加速を出していることは知っているはずですが、「速度超過は気をつけろ」と言うだけで、それ以上は言いませんでした。
そもそもぼくの担当区は走行距離60キロなので、60キロ区で20回出すのと30キロ区で20回出すのと話が違うわけで。
この会社、急加速の回数に異様にこだわるのですが、事故とはあまり関係ないと思うんです。
ぼくが聞いた事故って、敷地から出るときの確認不十分だったり、信号のない交差点での確認不十分だったり、走行中歩行者や自転車が車道に飛び出してきたとか、車間距離の詰めすぎが原因の追突とかなんですよ。
急加速して事故なんて聞いたこと――そもそも110㏄程度の加速を急加速なんていうのやめてほしい。
安全運転って、メリハリだと思うんですよ。
おそるおそる発進して一切加速のせずノロノロ運転をするのが安全運転というわけではないと思うんです。
きちんと停まる場所で止まって時間を使い、行くところでしっかりアクセルを入れ、優先非優先にかかわらず死角があればスッと減速して完璧な確認を入れる。
キビキビ運転することがプロの安全運転なのでは。
実際バイクでそういう運転を20年近くしてきて、大きな事故はありませんでしたし、集配中の運転についてクレームをもらったことはありません。
むしろ行くところでしっかりアクセルを入れるからこそ、危険を察知する力が強くなるのでは。
記事が長くなってきましたが、リーンアウトとリーンインの話。
意識すると、運転がちょっと面白くなると思います。
カーブやあるいは右左折など、ちょっとスピードを出していたい、スリルを楽しみたい、そんなときってありますよねありませんか。
リーンイン・・・コーナーに対して、体をコーナー側に入れる。例えば左折時に左側に体を入れて曲がる。
リーンアウト・・・インの逆。体をコーナーとは逆に離す。例えば左折時に右側に体を反らす。
文章だけで説明するのは難しいのですが、コーナーの中に体を入れるか(イン)、コーナーの外に体を反らすか(アウト)という感じです。
ぼくは(一応)この二つを使い分けてカーブ右左折に入ります。
見通しの悪いカーブや見通しの悪い右左折、旋回時はリーンアウト。
見通しの良いところで曲がるときはリーンイン。
リーンアウトは先をのぞきながら曲がるので、例えば細い道での対向車などの発見が早くなる。
小回りしたいときもリーンアウトを使います。車体を深く傾けてグイッと流すようなイメージで操ります。
幅の狭い道で死ぬほどUターンをするので、ハンドルフルロック+足を地面に着いてのリーンアウトによる小旋回ができるようになると、敷地からの脱出が早くなります。
リーンインは速度を出したまま曲がる際、自分の体重を使って遠心力を殺しながら曲がるので、深くバイクを傾けることなく速く曲がれる。
この「リーンイン」は恐さもあって慣れるのが難しかったのですが、コツを見つけたんです。
コーナーに向かって体を落下させるというイメージ。先のコーナーを見て、「あそこに体を落とす」というイメージで曲がると、綺麗に曲がれます。飛び降りするみたいに上半身の力を抜いて落とす感じ。
この仕事は街や田舎を縦横無尽に走るので、数え切れないコーナーを曲がります。見通しの悪い道や悪路もたくさんあります。
なのでリーンアウトリーンインはかなり使う機会がある。
……減速してゆっくり曲がるのが一番安全なんですけどね。