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ワタクシ流☆絵解き館その127 教会と渚―こんないい絵が、ひっそりと飾られている①
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美術館でも画廊でも個人の部屋でもない処に、つまりは誰でもがひょいと覗ける場所に、ひっそりと飾られているいい絵を見つけたい、という思いで尋ね歩き、巡り合うことができた絵を紹介する。(許可を得て撮影)
場所は「とある田舎街の某処」(地方の小都市)ということにして明かさないでおく。期待を超えて、上に掲げた田村孝之介や下に掲げた南薫造、小林和作といったええっ!と思うようなビッグネームに出会えたので驚きだった。
画像の中に電灯の光と背景が薄く映りこんでいるのは、当方のカメラと撮影技術の限界でどうしようもなくご勘弁を。
上に掲げた一枚目はヨーロッパ風景を多く描き、文化功労者であり二紀会理事長でもあった田村孝之介。毎日でも見ていたいようなさわやかな作品。田村孝之介には、この絵と似た構図で函館風景を描いた他の作品もある。
次作品は南薫造。
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令和3年に没後70年展のあった南薫造。故郷周辺の瀬戸内海風景ではなく、太平洋の海岸風景かと思う。写真では伝わらないと思うが、波打ち際の微妙な色彩の諧調が美しい絵。
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次は小林和作。日本画家として出発し、のちに洋画へ移った画家。多くの美術館に作品が収蔵されている。絵の具の厚いマチエール、万華鏡のような色彩で知られるが、この作品は、構図が屏風絵を連想させる雅で簡潔なイメージを持っている。
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次の猪野政雄(いいのまさお)は、中央ではあまり知られていないが、尾道市立美術館に「四阪島(しさかじま)」「西伊大津海岸」の二点の油彩がコレクションされている画家。大自然の風景画を多く描いた。
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美術館でも画廊でもない処に、民間人の所有物である芸術品が、いわば公共財のように飾られているのは、その街の住人の文化度の豊かさを示しているものだと思う。
控え目ではあるけれど、敷地内、建物内のどこかにい絵が飾られているのに見過ごしていると、改めて気づいた。それらが一堂に会せば、たちまち一企画の美術展が出来るのではないかとも思った。
いい絵街探しの街歩きをこれからも楽しみたい。
令和4年4月 瀬戸風 凪