ワタクシ流☆絵解き館番外編⑤ 田舎町の上映映画プログラム・チラシ
上に掲げたのは、筆者の住む市にかつて映画館があった時代の、上映ラインナップのチラシ。3館のプログラムが1枚のチラシになっている。
作品名から調べてみると、1971年、昭和46年のものだ。2本立て、3本立て上映が、当時の田舎では当たり前だった。ただ、すでに映画は斜陽産業と言われていた。
上から、日活・大映作品(これ以外の成人映画も混じっている!)、東映作品、東宝作品(しかし加山雄三主演『青島要塞爆撃命令』の下に出ている『しびれくらげ』という映画は、大映作品だ)
映画会社の直営上映館ではない田舎の映画館では、異なる会社の映画の併映は珍しくなかった。何を組み合わせれば客に受けるかは、興行主の勘どころによっていた。
大映は、1971年で映画製作をやめているから、関根恵子主演『高校生心中 純愛』は、大映最晩期の作品だ。他の映画には、故人になったスター男優たちの顔が見える。
今ならこの手のチラシは、100円程度の割引券の役割を併用しているのをよく見かけるが、このチラシはラインナップの紹介のみ。
なお筆者はどの映画も見ていない。
この1971年は、イギリス映画『小さな恋のメロディ』が話題をさらった。筆者には、この映画なら、いくつかの場面が、詩情に満ちた絵として心に残っている。
この映画のヒットは、その後の日本映画に〔さわやかな初恋物語〕を、映画のジャンルとして定着させるきっかけになっていると思う。
何にせよ、遠い時間の彼方の話‥‥チラシに載っているこの映画なら覚えがある、と言う読者が、おられるかどうか。
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