見出し画像

2023/8/13 音作り

11:15 てと着

北本団地に住む演奏家Pさんと、てとで待ち合わせ。映画内音楽のレコーディングを行う。
Pさんは私が調査をはじめた2021年初期に知り合った、北本の中では付き合いが長い人だ。3月の試写会にも来てくだり、私のやっていることやこの映画の持ち味を理解してくれている。今月上旬に音作りを依頼したのだが、「北本の人が音を付けた方が、映画的に良いんだよね」と、私がPさんに音を依頼した意図を汲み取り、引き受けてくださった。電話で打ち合わせをしながら、曲ではなく音をつけたい、インタビューには被せず文字テロップだけの無音部分に音を入れる、といった方向性を決め、今日のレコーディングに臨む。

楽器と機材を運び込み、レコーディング開始。映像を流しながら音をつけたい箇所を確認する。何度か映像を見返しながら、それに合わせて演奏してみる。なんとなく音ができたな、というタイミングで録音をする、という流れで少しずつレコーディングを進めていく。
「ここは段々音数が増えていく感じで…」とPさんにイメージを伝えていると、私の言葉を聞いていた唯野が
「この映画はいろんな人の記憶が集まって北本ビタミンを立ち上がらせていくんです。記憶が集まっていくように、音数が増えていく感じって言いたいんだと思います」と、私の言葉を翻訳してくれる。なるほど、そう伝えた方がわかりやすい。そこからは映像の意図も含めて音のイメージを伝えてみることに。
「ここは北本に入るシーンなので、改札の「ピッ」っていう音を際立てたいんです、なので他の音は低い感じで」といった、今まで言葉にしてこなかった映像の意味を自分でも再確認する機会になった。

映像内の、私が考えたことを言葉にした文字テロップ部分にも音をつけてもらう。疑問形で終わるテロップにはモコモコした音色の音を、まとめ的なテロップには明るめの音をつけてもらう。モノローグの言葉と音。まるでテロップに声がついたみたいだった。

途中途中休憩を挟む。
休憩中、Pさんに会場が変更になったことやその経緯を話すと、上映会をもっと誰もが楽しめる感じの仕立てとして見せた方が良かったのかも、と返ってきた。それは映画の内容を変えるという意味ではなく、マーケットや「みどりとまつり」といった、地元の人が「楽しいもの」と認識しているイベントに紛れ込ませるほうが受け入れられやすいのかも、映画単体で見てもらうのはハードルが高いのでは、といった話。うーむ、そういわれると今回の会場変更の件は、「北本ビタミン」の二の舞になってしまったように思えてきた。

エンディング部分にも音をつけてもらう。かなり良い仕上がりになりそう。自分を出し過ぎないように気を付けて、映像に寄り添った音を出すのが難しい、とPさんが話す。Pさんに音作りをお願いして良かったと改めて思った。

16:30 片づけ

レコーディング終了。機材や楽器を片付けて、音のデータを保存する。お菓子を食べて少し休憩。てとの隣にオープンした植物屋さんが開いていたので、3人で覗きに行ってみる。

18:00 帰る

Pさんにお礼を言って別れ、東京に帰る。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?