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2022/9/29 インタビュー@北本

今日は北本にて2組のインタビューを行った。
1人目はアーティストグループwah documentが北本にて開いた拠点「タワー」で多くの時間を過ごし、一時期キタミン・ラボ舎のメンバーとして運営にも関わっていたAさん。2人目は北本ビタミンが開き、LPACK.が中心となり運営していた「アトリエハウス」のご近所に住むB夫妻。

11:00 Aさんインタビュー

たまたま見つけたという「北本ビタミン」の資料を持ってきてくださる。チラシや企画書、プレゼン資料、掲載された雑誌など様々。調査を始めたころはすぐに手に入るアーカイブ資料の少なさに頭を抱えたが、続けていくとゆっくりしかし着実に手元に集まってくる。行き場をなくした、さまよっていた資料の行き着く先をつくれたのかなと思う。
インタビューでは当時の感情などについて、踏み込んだ質問を投げる。悩みながらも、自分なりの言葉で返してくれるのがありがたい。
録音・録画を止めたあとも、一時間ほど最近考えていることや文化の行く末について各々に話す。Aさんとは拠点をつくる際にとてもお世話になったこともあり一緒にいる時間が比較的長いのだが、最近一方的に話を聞くというより私が話す時間が増えたような気がする。私がおしゃべりになったのか、Aさんが話を聞く時間が増えたのか。

15:30 B夫妻インタビュー

急遽「アトリエハウス」の近所に住むB夫妻にインタビューをさせてもらえることに。快く受け入れてくださってありがたい。お二人とも生まれが九州だそうで、私が沖縄出身だと言うと親近感が湧いたのか態度が柔らかくなった。
お二人とも高齢のため、当時の様子を思い出せる範囲でゆっくり話してもらう。「作品に感動した」と何度も言っていたが、作品のディテールについてよりも、その作家がどうやって作品を作っていたのかや「アトリエハウス」でどのように振舞っていたか、2人とどんな会話を交わしたのかについてよく話していた。アートプロジェクトではアーティストの近くに住む人ほど、作品よりも作家の努力に心を動かされるようだ。
アートプロジェクトが終わった後も地域に残す効果について分析した荒川は、プロジェクトが地域住民から理解を得る条件として以下のように述べる。

灰塚アースワークプロジェクトは、コンセプトに対する解釈や面白さを住民自ら見出さないかぎり、親しめるものではなかった。(中略)船をつくる話プロジェクトが受け入れられた理由について、三良坂町灰塚の住民たちに話を聞くと「わかりやすい」という意見よりも、「一生懸命だった」という声が多かった。住民たちはPHスタジオの熱心な姿勢に関心を寄せ、関わるようになっていった。

荒川莉佳子「アートプロジェクト終了後に効果を残すための条件 ―灰塚アースワークと船をつくる話を事例にー」(2018年、大阪市立大学大学院創造都市研究科 修士学位論文)

Bさん夫妻が繰り返し「いい人たちばかりでしたよ、類は友を呼ぶっていうでしょう」と口にしていたのが印象的だった。

Aさんが思考を言葉にするのが上手いぶん、普段からインタビューなど他者に話すことに慣れていない人から言葉を引き出すのは難しいと感じる場面もしばしばあった。
B夫妻とも、録音・録画を止めた後一時間ほど世間話をする。お郷のこと、この間の台風のこと、最近奥さんが見ているユーチューバーのこと。こんなに歳の離れた人からユーチューバーの話をきくのはなんだか新鮮だった。


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