資本家マインドセット
本書を読む目的
以前、「未来をつくるキャリアの授業」という本を読んだことで年収を決める3つの原理を学びました。それは業界、外資/日系、そして階級の違いです。中でも階級は、サラリーマン/経営者/資本家の3階級が現在の資本主義社会において存在しているそうです。
私は、2階級については以下のようなイメージが持てました。
サラリーマン→会社員(大企業に勤める友人、大学の先輩)、経営者→社長(トヨタの豊田社長や三菱商事の垣内社長 etc…)
しかし、資本家といわれると、私は石油王ジョンロックフェラーや鉄鋼王アンドリューカーネギーなどが彷彿され、現代でそれに相当する人がすぐに思い浮かばなかったです。(恥ずかしながら、経営者とごちゃ混ぜにもなります…)
そこで今回の読書は、資本家の定義、現代の具体的な資本家、そして資本家としての生き方を学ぶことを目的とします。
「資本家」の定義
経済学的には、資本家とは「会社の株を持ち、経営をコントロール下に置く人」であるそうです。
しかし著者はこれだけでは不十分とし、資本家を「自分の時間を極力使わずに、お金を生む仕組みを作る人」と定義しています。
例えば、著者は個人M&Aについての私塾を運営しています。実労時間は毎月5時間ほどですが、売り上げは100万円もあるそうです。そして、余った時間を使って他の価値を創造しています。
資本家になるためには、必ずしもゼロイチで新しいビジネスを始める必要はありません。これからの時代は、労働人口減少の波を受け、中小企業の大廃業時代を迎えます。従って、幸か不幸か、起業でなくとも、”300万円で企業を買う”ことも資本家になる手段になるそうです。私は”企業を買う”という選択肢(発想)には、衝撃を受けました。
また、著者は資本家になるメリットとして、有限な時間を最大化できると説いています。
サラリーマンは自分自身が働き、その労働対価として給与を貰うため、稼ぎが爆発的に増えることはありません。一方、資本家は他人が働くことによる利益を享受するため、稼ぎが違ってくるとしています。
例えば、孫正義さんは、ソフトバンクとしての役員(経営者としての)報酬は約1億3000万円/年である一方、個人で所有する株の配当は約100億円/年であります。階級による年収の差が指数関数的に増えていくことがうかがえます。また、著者も毎月5時間で売り上げ100万円を実現し、残った時間を他の価値創造に充てています。
サラリーマン階級の滅亡
時代の変化とともにサラリーマン階級は不必要となるかもしれません。そもそも、サラリーマン階級の誕生は大正時代で100年前。江戸時代、時代の変化によって武士階級が滅びたように、サラリーマン階級も滅びるかもしれません。
▪️高度成長期を支えたサラリーマン▪️
「少品種大量生産モデル」が、戦後の焼け野原からの世界一への高度経済成長を実現しました。この時代は、物質的に貧しかったため、三種の神器や3Cのように皆が同じものを欲しがる同質的な社会で、如何に効率よく大量生産するかが問われました。
そうした社会で働く人に求められたのは、「企業に忠誠を誓い、定年まで猛烈に働く人材」であり、マニュアル化された仕事を延々と繰り返す人材でした。「24時間働けますか?」という言葉が流行ったのもこの時代。企業は終身雇用を前提とした新卒採用を行い、途中で退職しないように福利厚生を充実させました。そして、より大きな企業へ入ることが就職活動においての”正解”であったのではないでしょうか。
▪️成熟期においてサラリーマンは「幕末の武士」▪️
成熟期を迎えた日本では、「多品種少量生産モデル」が求められるようになりました。グローバルな社会になったこともその背景にあることでしょう。
この時代では、多様な価値観に合わせてスピード感を持った商品開発が求められます。従って、労働市場では、新卒採用への期待は薄れ、即戦力を求める米式採用方式へとシフトするのではないでしょうか。
米式とは、中堅企業やベンチャーで経験・スキルを積み、自分の市場価値を高めたのちに人気企業へ入る方式です。最近では、トヨタ自動車も新卒より中途採用を多く受け入れていると聞いたことがあり、時代変化を感じます。
◎以上のことから、終身雇用を前提としたサラリーマン制度は今後意味をなさなくなる可能性を高く感じます。そして、能力の高い人材が、プロジェクトごとに企業を渡り歩く働き方がやってくるのではないでしょうか。
To Do
・就職活動の一環として、個人M&Aをサポートする事業を行う企業を調べる。
・M&Aの具体的な手続きを調べてみる。