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映画「青春18×2 君へと続く道」感想

人生はしばしば、旅に例えて語られます。
その旅に、目的地は必ずしも必要ではなくて、
でも、目的は必要かもしれないと思いました。
主人公のジミーの旅は、青春に区切りを付ける旅でした。

台湾と日本を舞台にした映画「青春18×2 君へと続く道」を見ました。

台湾の高校生ジミーは、4つ年上の日本人の旅人、アミと出逢います。
ジミーにとってアミは青春そのもので、2人は仲間とともに楽しい時間を過ごしますが、
アミは突然帰国することに。
2人はお互い夢を叶えて再会することを約束します。

18年後、ジミーは長年励んできた仕事を辞め、アミからの古い手紙を頼りに旅に出ます。
ずっと仕事に邁進してきたジミーにとって、
それは、アミに会いに行く時間であり、
アミとの答え合わせをする旅でもあり、
ジミー自身の人生を考え直す時間でもありました。

旅の道中の出逢いはすてきなもので、
同郷の居酒屋店主に、
まだ自分の1/2しか生きていないピュアな青年、
親切なフリーター。

会おうと思ったら会えるけど、二度と会わないような、
でも、毎日会っている人よりも大切なような、ともだちになります。

旅の結末は哀しく切ないものでしたが、
青春の尊さと人との出逢いの素晴らしさに感動する映画でした。

ゆっくり休んでみても良い。
でも、今を後悔しないように生きていきたい。
人との別れはつらい。
でも、それ以上に一緒に居る時間が尊い。
踏み出して、だれかの旅と交わってみる勇気と
時には立ち止まる覚悟が必要だなと思いました。

青春に区切りを付けたジミーはこれからどう生きていくのでしょうか。
なにも持たないながら、すがすがしさを感じるラストでした。

「制服」「学校」のようないわゆる「青春」アイコンや、
わかりやすい恋愛描写がない分、
広義での青春や人生のきらめきが丁寧に感じられるところが
とっても気に入りました。
台湾映画独特なのかもしれませんが、汗や肌の質感に生き生きとした力を感じました。

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