「夢輯夜」第二楽章:
解説
目覚めたばかりでまだ夢の中か現なのか、足元がおぼつかないまま、ふらふらしたながら、さ迷うスケルツォです。
原曲
華胥の夢
曲調
調性:ロ短調
拍子:3/4、4/4
形式:ソナタ形式
呈示部
00:00 提示部(第一主題)
千鳥足のように、よたよたと拍子が揺らぎ、三拍子と四拍子を行ったりきたりします。寝言のように同じことを何度も言ったり、曖昧さに溢れる「夢現」の主題(第一主題)。
00:31 提示部(第二主題)
「境界」の主題(第二主題)はそれまでの一転して、決然と突き進むように、両楽器がせわしく応報します。やがてユニゾンで足並みを揃えて盛り上がりますが、断ち切られるように元の主題が顔を出します。
00:56 提示部(第一主題)
A-B-Aの形を取り、再び第一主題が繰り返されます。
展開部
回想主題(01:19)
展開部に入ったことを分かりやすくするために、第一楽章の序奏の後の部分が回想する形で、性格の違う音楽になります。
第ニ主題(01:27)
回想後、すぐさまチェロの分散和音に乗って、バイオリンが第二主題のメロディを伸びやかに奏でます。
和音の色彩を少しずつ変えていきながら、盛り上がっていき、
再現部
第一主題(02:10)
再び「夢現」の主題(第一主題)に戻りますが、今度はホ短調になり、少し趣きを変えて再現されます。
(この調性はモーツァルトのピアノ・ソナタ16番第一楽章のオマージュです)
第二主題(02:36)
呈示部と同じように第一主題から五度転調することで「境界」の主題(第二主題)がロ短調になり、型通りに進んでいきますが、今度はユニゾンで奏でたのち、ネクロファンタジアになります。
(この楽章で言いたかったのは、華胥の夢はネクロファンタジアなのでは?ということですね)
繰り返しでは妖々跋扈も加わり、幻想度が高まったところで一段落します。
第一主題(03:28)
また「夢現」の主題(第一主題)に戻りますが、力を出し切ったように力なく、くたびれた調子で進みます。
終奏(03:50)
そこへ、最後は第二主題の形を借りていき良いよく曲を閉じます。