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「夢輯夜」第四楽章:

解説

祭りだ祭りだ!と賑やかな祭り囃子に誘われ、子供たちが駆け回っているような明るい「陽」のパートと、打って変わって夜の静けさが身に染み入るような、森閑とした「陰」のパートからなり、スラブ風舞曲のように、明・暗を交互に繰り返しながら曲が進みます。

原曲

童祭 ~ Innocent Treasures、夢と現の境界

曲調

調性:ロ短調
形式:ソナタ形式

呈示部

第一主題(00:00)

ユニゾンで勢いよく快活に「祭」の主題(第一主題)が奏されます。(実はこれは「童祭」のテーマを変形したアレンジになっています)。楽器間でじゃれあうように、追いかけっこするように、勢いを保ったまま小展開して盛り上がり、やがてひと段落します。

第二主題(01:22)

休符を挟んで、急に人気のない森の中へ出たような、静けさに耳を済ませてハッとする「夜」の主題(第二主題)になります。
足取り(テンポ)の遅い三拍子で、暗闇で一歩ずつ足元を確かめながら
進むような音楽です。
途中、月明かりを見つけたように、少し明るい曲調になりますが、
すぐさま元に戻ります。

展開部

第一主題(02:52)

ホ短調で第一主題が再び現れ、冒頭よりも力強く、より細かいリズム、不規則なアクセントで両楽器に受け渡されながら劇的に展開され、だんだんと本来のメロディの形へ近づいていきます。

回想(03:36)

とうとう第一楽章の「祝福」の主題が現れ、そのまま第一楽章を再現する形で進んでいきます。伴奏もピチカートもすべて同じですが、そのあとの3:3:2のリズムの部分が三連符に変わり、三拍子を予感させるような形で終わります。

再現部

第二主題(04:16)

再び「夜」の主題(第二主題)へ戻ってきます。語気は最初と同じですが、転調したことで雰囲気が変わり、以前ほどの暗さ・もの悲しさはなくなります。また明るい部分の代わりに、今度はメロディが対位法的に展開して盛り上がります。そして最後は「夜明け」が近づいていることを感じさせながら、遠くを見つめるように終わります。

回想、第一主題(05:30)

第一楽章の「日の出」の主題が再び現れ、「夜」が明けたことを告げます。長い音楽の旅を振り返り、いよいよ終着点がという感慨に浸る場面です。
「夜明け」の主題が終わるや否や、「祭」の主題にすぐさま切り替わり、勢いよく、晴れやかに曲を閉じます。

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