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【頂上でご来光を見ない!富士山1泊2日】当日編


準備・ツアー選択編はこちらをどうぞ。
私が参加したのはクラブツーリズムの「夜間は歩かず日本の頂へチャレンジ!富士登山2日間」です。

五合目出発まで

朝、すっかり重たくなってしまったリュックを背負って集合場所に向かいます。

ツアーのバスに乗って5合目まで行き、登山に不要な荷物はバスに置き、いったん解散です。
5合目の標高は2300mほど、ここに1時間ほど滞在して高度順応するというプランになっています。
実際、高山病は標高2500mから発症するという話もあるので、このあたりから身体を慣らすことは重要な様子。

富士山では5合目あたりが森林限界

これは0合目から5合目まで登った日の写真ですが、スタート地点である5合目の高さがよくわかると思います。

私は、昔からどうも低血糖になってしまうことがあり、動けなくなってしまうと困るので、常にカロリー(というか糖分)不足の心配をしています。ここでも2階のレストランでしっかりカロリーを摂取しました!ちなみに、私は胃が丈夫なのですが、そうでもない方は、運動の直前に重い食事をすると具合悪くなるかもしれないので、これは各自。。。

指定された集合場所に着くと、添乗員さんに加え、2名の富士登山ガイドがつき、その方たちの雨具や装備の確認を受けます。装備が不十分な場合は、拒むとツアー参加不可となるようです。(ツアー参加前に明記されていますが、5合目で買うことはできるかも?)
報道で「軽装登山」が取り沙汰されていますが、本当に危険なのでやめましょう。

ちなみに添乗員さんは、キリマンジャロも登ったことがある方とのことです。バスから一緒でしたが、登山のツアーの添乗員には山のことをよくご存じの方がなるようです。5合目位で合流した2人のガイドさんは学生さん?と思うほど若い方でした。後日参加した別ツアーで聞いた話によると、体力も気も使うため短期でかなり稼げる仕事で、学生さんのも多いそうです。ここでお金を貯めて好きなこと(海外の山にいくなど)に使うそう。若いと体力あるしね。。。

歩き始める前に言われたのが「A(ガイドのうち1人)が一番前に、B(もう1人)が一番後ろにいます。もしAより前にいる、あるいはBより後ろにいる場合ははぐれています。その場合はすぐに声をあげて呼んでください」ということでした。
富士登山をするツアーは多数あるうえ、個人的に登る方もたくさんいるので、はぐれないよう、十分注意する必要があります。

五合目~八合目まで

出発。

序盤ですでに美しい景色だわ

登り始めてすぐ、富士山保全協力金を払う場所があります。感謝を込めて支払いました。

協力者証ももらええます。

1000円。安いですね。比べるな、という話かもしれませんが、エベレストは強制で払う入山料が約250万円です。(今年から料金まわりは変わるようです)

登山序盤は1時間に1回程度休みながら、ひたすら登り道を進みます。

こんな感じの道です。(顔が映っている人を加工で消しています。)

休憩するたびに、雲が下に見えて、高さに驚きます。東京タワーのトップデッキですら250mなので、やっぱり自然の高さには敵わないな、と思ってしまいます。

かなり上がってきました

7合目、標高2700mあたりまで来て少しすると、岩場が多くなってきます。
岩場は、これまでの登山でもあまり登ったことがなかったのですが。。。
苦手ですね。慣れない岩場登りに加えて、高度が高くなっているのもあり、3000mあたりまでの道は本当にキツかったです。周囲の人は「疲れたー」くらいなのに、私は座り込みたい程度に息苦しいレベルでした。

今思い返すと、この登山全体で考えても、個人的にはこのあたりがダントツできついところでした。高度順応が不十分(と思われる)中で、慣れない岩場。翌日含めても、ここまで苦しかったことはなかったです。

太子館にて

本当に限界。。。というところで、宿につきました。
高度3100m、太子館。名前の由来は、「聖徳太子が馬に乗り富士山に登った時、休憩した場所」と伝えられているから、だそう。この言い伝えを聞いてから、ここに泊まりたいと思っていたので、泊まれると聞いた時はとてもうれしかったです。ちなみに、「一番最初に富士山を登ったのは聖徳太子」と言われています。馬使って、という伝承のようですが。

個別になっているスペースは、カプセルホテルのようなベッドのみです。そこで宿のルール(個人スペースでは飲食は水のみ、朝は4時00分(だったかな?)に起こすので、音の出るアラームは使用禁止、夕食は準備でき次第呼ぶ、など)を説明してもらいます。スペースは1畳より広いくらいで、そこに登山靴も含めた自分の荷物をすべて入れます。2段ベッドのようになっているため、狭く感じますが、コロナを経てこれでも広くなったそう。私も、噂よりだいぶ広いな、という印象でした。

夕飯

夕飯は19:30頃、多分1時間くらい荷物整理をしながら待ったことになると思いますが、用意できたと連絡がありました。

見えづらいと思いますが、カステラがたしか富士山型。カレーはいつでもおいしい。

高所で温かいご飯が食べられるのは、とっても贅沢で幸せ。もちろん完食です。おかわりは不可。
登山中はソルティライチでしか糖分補給が、、、と言っている私ですが、宿で休んでゆったりくつろいだのですっかり回復して、とてもおいしくいただきました。同じツアーの方でも、食欲がない、とあまり食べていない方もいたので、個人差かもしれません。
日常から(物理的に)離れた場所で、いつもと同じようなものを食べるのは、安心しますね。

ここで、添乗員の方から、「少しでも体調的に不安がある人は、伝えるように」言われます。「伝えようか迷っている方も、一応話しておく、くらいの気持ちでいいから」と言われ、一応「最後の岩場で息苦しい思いをした、現在は落ち着いている」ということ、これまでの登山歴を伝えました。
添乗員さんは「山には十分登って来ているし、話をしても目を見ても今高山病の症状が出ているようには見えないが、今日はゆっくり休んで、明日判断しよう。最悪本八合目でドロップアウトも可能だから、様子を見る、ということでどうか。」というお話をいただきました。
そして、明日の朝食(レトルトのおこわをすでに食べられる状態にしたものと、サツマイモの蒸しパン)を受け取り、自由時間、翌朝4時20分(くらいだったと思う)出発と告げられます。
…ちなみに、山頂ご来光ツアーの方は、夜11:30に出発だという話を聞きました。

標高3100mから見た花火

実はこの日、河口湖の花火大会があるという話を同じツアーの方に聞いていました。知らずに申し込んだ私はとっても幸運。10,000発の花火が下界で打ち上げられているのを、遥か下に見る、という生涯またとない貴重な経験をしました。

理屈で「ここよりはるか下」とわかりつつも、花火が下から下に上がっているのは不思議。

ほんと、親指の第一関節と人差し指で丸をつくった中に入るくらいの大きさになった花火が下から下に打ち上げられる光景です。何発も同時に上がった時は、小さい絵画を見ているような感覚でした。写真だと「ちっちゃ」としか思わないだろうけど、とても貴重。
ちなみに、寒いので登山用の暖かいTシャツと薄いダウン(もどき)を着用しています。

最近、よく「弾丸登山者」が問題を起こしていると耳にしますが、この時間この暗闇でも登っていく方を結構見たので、この日も多かったのだと思います。

身体はとっても疲れていましたが、興奮していたからか、高所だからか、なかなか眠れませんでした。どうしよう。。。と心配しているうちに就寝。

朝と、このあたりの水事情

翌朝、誰かがルールを破ってセットしていたアラームの音に起こされました。しかも2件。誰だよ。
出発の30分くらい前だったので、起きることにしてウエットティッシュで手と顔を拭いて、コンタクトを入れて、荷物をまとめてちょいゴロゴロしていると、すぐに集合時間間近になりました。
宿のトイレは外にあり、宿以外の方も利用できます。ただし、宿の方は無料、宿以外の方は有料(200円か300円くらいだったと思う)。ちなみに標高の高い場所では、水が非常に貴重です。ここでは、トイレの手洗い場の液体せっけんのように、下から上にプッシュすると、チョロチョロと水が出る、という仕組みでした。トイレは一般的な水洗トイレではなかったのですが、勢いの激しい水鉄砲のようなもので汚物を流す仕組みでした。広義では水洗と言えますね。

出発~ご来光

宿を出ると、まだ日は上がっていませんが、周囲をきちんと確認できる程度に明るくなっています。昨晩もらったおこわとサツマイモの蒸しパンを食べて、軽く体操して出発です!

朝4:24の景色。ご来光まであと少し!

このプランでは、頂上に向かって歩くまでの間にご来光の時間を迎え、そこで見ます。
心配していた体調はすっかり回復していました。歩きでも、岩場でも問題なくサクサク進みました。やはり昨日のひどい息切れは高所に慣れていなかったことが原因で、今はすっかり順応したようです。

やや進んで4:51ごろ、いよいよご来光の時間ということで荷物を降ろして、太陽の頭が顔を出すところからしっかり見ることができました!
ご来光まで体を動かしていた&待ち時間も短いので、寒い思いもしませんでした。(もちろん、暖かTシャツ、登山用ダウン、レインコートと暖かい恰好していました。)

朝4:55。ご来光です!いい天気だ!

無事ご来光を見て、さらに進みます。

6:00。すっかり明るくなりました。

ご来光を見て、休みながら進むので、本八合目手前の江戸屋に着いた時点で6:30頃です。
頂上はあれですよ!と言われ、肉眼では確認できました!

今、「どこが頂上?」と聞かれても答えられない。どこ?

…写真で見直してもどこが頂上なのか、そもそも写っているのかもわかりませんw

進んでいくと、雲海がとても美しい。
私は心の中で小学校で習った童謡「富士山」を歌っていました。あーたまーをくーもーのー、うーえにーだーしー

頂上!

8:30ごろ、ついに頂上に着きました!!

天にいるような気分になります

頂上の山小屋で、まずはツアーの全員、椅子に座って休みます。たぶんほぼ全員が何かしらの食べ物を注文したと思います。私は「オススメ」と言われた豚汁を注文しました。

この場所でろくなもの食べられないでしょ、と思っていた私の期待を裏切った具の多さと美味しさ

とってもおいしそう!登山すると、甘いものよりしょっぱいもの食べたくなるよね。めっちゃ美味しい!温かくてホッとしました。
ちなみに1000円です。カップラーメンもありましたが、1200円でした。高いとは全く思いませんでした。ここは標高3600m超、豚汁もカップラーメンも、そもそも本来こんな場所で食べられない!(カップラーメンは汁捨てる場所もないしね)

ここで集合時間を告げられ、しばし自由行動です。

もっともやりたかった「御朱印をもらう」を達成しました!!!

写真が下手すぎるけど「山頂」はかろうじて読める
これは嬉しい。2パターンとももらいました。

旅行に行くたび「御朱印帳忘れた」と言っている私ですが、さすがに今回は忘れず取り出しやすいようにして持っていきました!「荷物を少なく」ってわかっているんですけど。
最高でした!
個人的には、これで「ああ着いたなー」と思いました。
ちなみに、富士山頂は「富士山本宮浅間(せんげん)大社」所有。久須志神社はその末社。つまり民有地です。

ちなみに、自衛隊の方たちも登っていました。さすがに元気でした。体力ある。
「水一本500円?たかっ」と言っていたので、普段からよく登るわけではないようですが、アーミー服だったので、仕事(訓練?)の一環ではあるのだと思います。

お鉢はすぐに見つかりました。お鉢を回った先に最高地点があるのですが、そこまで行って集合時間までに戻ってこられるか、自信がなかったのでやめました。体力的にはまだまだいける!!という感じだったので、行きたかったー!

富士山は活火山であることを思い出す

このツアー唯一の弱点「最高地点までツアーで行かない」
これは結構大きな弱点ですが、頂上でご来光を見るツアーの方と違い、下山にかかる時間を考慮すると、最高地点まではいけない、ということかもしれません。
…個人的には、温泉なくてもいいから、最高地点まで行ってほしかったけど、贅沢は言えない。

山頂では、確かに気温は低く、風も強かったですが、非常に日差しが強かったので、薄手のダウンとレインコートを着ていれば体を動かさなくても寒さは感じませんでした。

下山~帰り道

そうこうしているうちに集合時間になり、下山です!!
下山ルートはとても単純な砂の坂道ですが。。。怖い。。。
初見「え、これをまさかそのまま降りるの、、、?」と思いました。そのまま降りるようです。

びっくりするほど土が赤い
急斜面+石の混ざったゴロゴロした砂利道で周囲が結構転んでた

絶対、コケるだろうとビクビクしながら下りました。
ガイドの方が「膝不安な方はサポーター巻きますよー」と仰っていましたが、結構希望者が多かったので自分はいいかな、と希望しませんでした。祖母も父も自分も膝弱いくせに。

何とか、転ぶことはなくゆっくり下りましたが。。。膝が痛すぎる。
あーもー私ばかだー膝弱いの知ってて、サポーター巻いてもらわないなんてアホだー
…と心で悪態をついてもごまかしきれないほど膝が痛かったです。
転ばないように歩いていたことも、もしかしたら膝に悪かったのかもしれませんし、とにかく痛い。
途中からは、膝の痛みとの戦いでした。とはいえ、心肺的には楽だったので、ツアーの方やガイドの方とお話しました。
このツアーに参加した方はやはり「頂上ご来光」を避けたかった方が多かったです。
が、「今度登るときは最高地点まで行きたい」と言う方もいました。私もです。でも、深夜歩くツアーは嫌だと思うと、ツアーでは登らない、という選択になるのか。。。富士吉田ルートならそれも可能かも。。。いや、それは。。。などなど考えたり。

ちなみにガイドの方は、昨日は私たちと登り、今日も私たちと登り下り、明日も別の方のガイドで登るそうです。体力と足腰どうなっているんだ。。。
途中の道では突然雨が降ったり、落石注意の場所があったり、落石除けのトンネルがあったり緊急避難用建物があったりしました。富士山って赤土なので、周囲を見ても赤いことも面白かった。

これが緊急避難所。結構しっかりしてる。

5合目に着き、平地を歩いても膝が痛すぎですが、とりあえずいったん解散です。

時間があれば常にご飯のことしか考えない食い意地の張った私は、もちろんまた食堂へ行きました。確かカレーを食べたような気がします。
さらに、富士山限定ポテチも買いました。時間が余って、別のホットスナックも食べた気がします笑

ポテチ、普段は食べないけど今日は食べ放題。がっつきすぎて食べてから写真撮っちゃった

集合時間、少しだけバスに乗ったガイドさん2名ともさよならして、温泉に向かいます。

温泉は、1泊2日の登山で汚れた体を洗い、すっきりしました。膝痛いけど。
とにかく気持ちのいいお風呂でした。

そして帰ってきました!
翌日は仕事、友人とご飯と普段より忙しい一日を過ごしましたが、ずっと行きたかったところに行けたなあとフワフワした気持ちがありました。

ツアーまとめ

【メリット】
「ツアー選択編」で挙げたとおり

【デメリット】
・富士吉田ルート固定(他のルートだと、頂上に向かうルートでご来光は見えないらしい)
・最高地点までは行かないツアーだった(探せばあったかもしれないが、時間的に難しそう)

読んでくださって、ありがとうございました!

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