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【ネタバレ注意】メタファー:リファンタジオ(Metaphor: ReFantazio)感想
メタファーアトラスの「集大成」として、満を持して発売された「メタファー:リファンタジオ(Metaphor: ReFantazio)」!
個人的に気に入ったポイントをピックアップしながら語りたいと思います。
※物語のネタバレをネタにするので、クリアしていない方はご注意ください。
マルティラにて~ハイザメだから言えること~
ハイザメが、本当に誘拐犯なのか?に対し、ヒュルケンベルグの言葉「子を失った人が子をさらって売るような真似をするわけない」と言って彼が犯人ではないと信じるのに(他にもいろいろあるけど)、実際の犯人が子を失ったことによって狂って罪を犯していたという。
なんというか、これ敢えてそうしたよね?と言いたくなる。
絶望的な事件が、人をどう変えるか。周囲の人に助けられて長い時間をかけて受け入れる人もいれば、狂って絶望して多くの人を殺す道を歩むこともある。犯人だって、周囲の人が人さらいをして手伝う、なんてことしなければ、こういう結果にはならなかったかもしれない。
それに対して、濡れ衣着せられたハイザメが犯人に理解を示しながら静かに諭す場面がよかった。
ビルガ島にて~ヒュルケンベルグだからわかる「命を懸けて守りたいもの」~
ヒュルケンベルグがユーファの生贄を受け入れる気持ちに「素晴らしい覚悟」と言えたのは、命がけで王子を守っていた彼女に、島の人を守りたいという気持ちが伝わって、共感したからなのね。そして「命を投げうてば全てから救ってくれる、そんな神様はきっといない」という説得のセリフは本当に秀逸だったと思う。
それを、王子を「命に代えても守る」騎士であるヒュルケンベルグが言ったことが本当に良かった。ヒュルケンベルグは、グライアス(の死体)に襲われて、人生諦めるところだったのを主人公に助けられて、そして、その彼女がユーファを生きるよう説得するっていう、つながりが感じられたのも、また良かった。
モンタリオにて~バジリオを止めたユーファの言葉~
ルイを追おうとするバジリオに「無駄死にはゆるさない」と言ったのがユーファなのが、またいいよね。生贄となることを受け入れて生きてきて、「急に人生の続きをやれなんて」って言ってた彼女のセリフであることが良い。主人公からヒュルケンベルグ、ヒュルケンベルグからユーファへ、そしてユーファからバジリオへ、って死のうと思っていた人が生きることを決断し、それを繋げていく、っていう話なのね。
【散らばった感想編】
序盤~突然のジョジョ~
選択肢の1つ「質問には質問で返さない方が」
スタッフに確実にジョジョラーいるでしょ笑。
もともとほかのアニメなどのネタを持ってくることに定評のあるアトラス。
ペルソナ5の猫バス、13機兵防衛圏の某猫型ロボットなどなど。。。そして今回はジョジョをぶっこんできた!という序盤の喜び。しかし、今回は「質問に質問に返すナアア!」ではなく、マジレスのように言って相手を怒らせるという使い方だった模様。
やっぱり出てきた~SHINJUKU~
アトラス得意の東京(崩壊後)が出てきたわけですが、最初SHINJUKUに気づかず「階層の名前が急に世界樹っぽくなったし、これ東京の遺跡よね?」と思っただけでした。
少しして地図の表示に気づいて、さらに某アトラスゲームのダンジョンとほぼ同じ音楽、ほぼ同じダンジョンであることに気づいて。
そして同じ名前の島と居酒屋。世界樹(Ⅰしかやってないけど)の要素ってアリアドネの糸と、隊列と、アーキタイプの成長かな、と思っていたらこれですよ。
完全にやってる。シンジュクの音楽いいよね。
そして、「未来の東京周辺47℃になるの?」って絶望。
~フィデリオとバジリオ~
ルイが何度も言っていた「多数を助けるために少数を犠牲にする」。
実はこの世界では、惺教もビルガ島も魔導器実験も軍でも同じことをしていたけど、もっともらしい理由をつけて(あるいはほぼだまして)た。だからフィデリオは「自覚的にやっているだけマシ」だとルイのやっていることを肯定する一因になったんじゃないかな、と。ビルガ島も同じ理由でそこまで否定的じゃなかったもんね。
ルイが生まれの貴賤に興味がないことが一番の要因だとは思うけど、彼の右腕でいられたのは、自覚的にやっているルイだから、信じることができたのね、という納得感があった。
しかし「店何屋にするんだよ」に笑った。今それ?って。そして、兄弟の店、行ってみたかったなあ。
~アロンゾに狂わされる~
ニディア族ってほんと人心つかむのうまくて笑う。これ自分でちゃんと理由を把握できない。ジュナもしかり。私、ジンでさえ、勇者品評会で前に出たときすごく印象に残っちゃったもん笑
あのときもトリックに決まってる、と思いつつも母を失った絶望と「もう少しだけ生きることにする」の言葉、マックスになっても死んだままだったのが、もしかして。。。と思わせてきた。さすが。
口上手で根回し得意だから、国会議員になって、あれこれくだらない(あるいは事実無根の)いちゃもんつけてくる奴をコテンパンにする役割が必要っていう、アトラスの現代社会への解像度と、それを堂々と出してくる度胸に拍手。
全然話逸れるけど、これ男性がやっても振り回されるものなのかな?
~「若者に課税を、老人に富を!」~
ここで世代間断絶まで取り上げるアトラスはさすがやろ。
若い人でも能力がある、ということを認めた後は、まともになるところが怖い。
根はまともなはずの人も、自分のことしか見えてないうちは「経験豊かな年長者が。。。」「年長者が貧しいのはおかしい!だからそのために裕福(に見える)若者が負担しろ!」って堂々と宣言できちゃうものなんだ、というのが見えたから。
若者って体力があるから、多分高齢者から見るとすごく「色々やっている、遊んで楽しんでいる」から「豊か」って見えるのかもしれない。なんて思ったりもした。
終盤、リナと一緒に候補者をかばった姿が印象的。
~ストロール(INT20)、ジュナ(いいくるめ99)~
TRPGで例えるなら、ストロールはINTが高い。立案も、それを何とか遂行する力もある。
ストロールが企画担当としたら、うまい言葉で言いくるめる役割を担うのはジュナ。
自分じゃ絶対うまく言い訳できないグローデルとの戦闘後の場面で、ジュナが堂々と逆のことを言う姿にしびれるあこがれるぅ。あの時は味方になって間もなかったけど、これはいい人が味方になってくれた、と思ったもんね。
~ミロにもド直球~
ミロとの戦闘後、ユーファがまっすぐ「どこが美しいんですか」って聞くの、よかったね。
彼の見た目を最初から「美しく無くない?」って彼の外見のみを否定するわけではなく、中身と行動の醜さをきちんと指摘したうえで、「え、お顔のどのへんが。。。?」ってまっすぐ疑問をぶつけるの。
思えば、「生贄として育てられた」にも関わらず、その島の人たちに反発するでもなく、受け入れて覚悟して宮殿に向かって、生贄の伝承が間違いだったとわかった後でも「島の人たちが好き、守る」っていう考えていられるところに、彼女のまっすぐさが出ていると思う。だから、このセリフを言うのはユーファがふさわしいのよね。
~ハイザメ、時々お父さん~
ハイザメ、「必要だったのは友人だった」って発言するけど、ところどころ息子に接するような優しさなんだよね。きっと子供が成人した後もいいパパになっていたに違いないだけに、本当に子を亡くしたことは残念だった。
他の仲間は(奔放で技術まっしぐらなニュウーラスを除けば)同世代なだけに、いいキャラだった。子供の成長日記、2周したなあ(包容力が足りなかったこともあるけど)。
最後に一言~アトラスで「ルイ」と言えば~
最初からずっと思っていたけど言わなかった感想「ルイて、ルイ・サイファーのことよね?」
ルイ脱衣後「ルシフェルやんけ」
最後「ルシファー?」
最初に出てきた強キャラが、最後までずっとボスとして主人公の敵として君臨していたのが王道らしくてよかった。序盤にルイと話すときは思わず背筋が伸びるほど緊張した、最初から最後まできちんと強敵だった!