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とある顔料の話をしよう。 メソアメリカに花開いたマヤ文明の遺跡には、素晴らしい壁画が何点も残されている。これらの遺物を語るうえで、避けて通れないのが、「青」の顔料だ。 そもそも、世界中の地域・時代において、「青」の顔料に何が使われているのか、というのは、非常に複雑な様相を見せる。 人類が初めて手にした顔料は、酸化鉄の「赤」であるというのが通説だ。日本でも最初に遺跡から出土するのは、ベンガラと呼ばれる酸化鉄を使った「赤」であり、縄文時代からみられる。 そのほか、黄