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米国公認会計士試験突破!挫折から学んだ成長の記録/USCPA

はじめに

日本の公認会計士試験よりは簡単だろうと思い込み、一般的な合格率の高さにも安心してしまい、深く調べずに軽い気持ちで受験を始めてしまいました

しかし、実際には想定以上に大変で、何度も諦めそうになりました。それでもなんとか失効せず合格することができましたが、計画的に準備を進めることの重要性を痛感しました。

これはあくまで私自身の体験記ですので、各人それぞれで大変さや容易さが異なると思います。そのため、参考程度に読んでいただき、ご自身の状況に合わせて役立てていただければ幸いです。

私は、自分なりに「なぜ上手くいかなかったのか」をしっかり説明できるレベルまで深く考えることができたと思っています。

特にAUD(Auditing and Attestation)については、同じく苦労している方には共感していただける部分があるのではないかと思います。

会計事務所で働いている方や企業で働く方の中にも合格者がたくさんいらっしゃいます。ぜひ、さまざまな方法を自分なりに調べて咀嚼し、自分に合っ
た方法で合格を目指してください!


経歴

 ■ 経歴(学歴、資格、USCPA関連知識、実務経験)
私立大文系(社会学系)、日系メーカー営業、簿記2級(入社後合格)、
 
■ 学習教材(予備校)/USCPA講座申し込み/学習開始時期
2018年3月 アビタス Ver.7.0 オンライン受講 
(2019年3月まで受験資格を得るために米国大学の英文会計関連の単位取得)
2019/05:FAR (1回目) → 合格!! (79点) 
2019/08:BEC (1回目) → 合格!! (84点)
2019/12:AUD (1回目) → (57点)
2020/02:AUD (2回目) → (57点)
2020/05:AUD (3回目) → (74点)
2020/06:REG (1回目) → 合格!! (76点)
2020/08:ADU (4回目) → 合格!! (80点)
 

振り返り

 モチベーションの保ち方は人それぞれだと思います。今後さらに詳しく記載する予定ですが、私の場合、米国の人々と議論をする際に「英語以外の戦う力」が欲しいと考えたことが、USCPAの勉強を始めるきっかけとなりました。

アメリカに駐在することになりましたが、勉強を開始した当初は、駐在の予定など全く考えていませんでした。紆余曲折を経て、結果として駐在が実現したのは、自分でも不思議なくらいです。

一番のモチベーションになったのは、米国大学で英語会計の単位を取得するための授業料や、受験料など、合計で100万円近く支払ったという「責任感」でした。この金額を費やした以上、途中で投げ出すわけにはいかない、という強い気持ちが支えになりました。

私は、自分が強い熱意を持っているわけではないことを自覚していました。そのため、**「持続可能的に勉強を続ける」**という方針を大切にしていました。無理をして挫折するのではなく、無理のない範囲で勉強を継続することを目指しました。

また、家族がいるため、多くの時間を勉強に割くことができなかったことも、この方針の背景にあります。育児や仕事との両立を考慮しながら、効率的かつ計画的に進めることが、合格への鍵だったと感じています。

そのため、私は自分で設定した毎日の勉強時間を優先して確保し、無理なく続けることを心がけていました。長期的に取り組むためには、変に頑張りすぎず、適度なペースを維持することが重要だと考えたからです。当初から短期合格を目指すつもりはなく、計画的に進めることを重視していました。

しかし、自分の場合、FAR(Financial Accounting and Reporting)、BEC(Business Environment and Concepts)、REG(Regulation)ではうまくいった勉強方法が、AUD(Auditing and Attestation)では必ずしも役に立たないということに気づくまでに時間がかかりました。この認識が遅れたことで、効率的な学習に遅れが生じてしまいました。

その経験から、「自分のやり方に固執しない」ことの大切さを痛感しました。客観的に自分を見つめるために、他の人の意見を聞くことは非常に重要だと感じています。実際に、アドバイスを受けた結果、方向転換をしてビデオ講義を改めて見直すことにしました。この決断が功を奏し、勉強の成果を上げることができました。

「自分のやり方に固執しない」という姿勢は、私自身の反省点でもあり、今後の課題としても大切にしていきたいと考えています。

注意

私の勉強時間については、アビタスのE-learning上で記録された時間に、ざっくりとした追加時間(+α)を含めたものです。そのため、最低限これくらいは勉強したという目安としてご理解いただければ幸いです。ただし、すべての勉強時間を記録していたわけではないため、正確な勉強時間を保証するものではありません。

また、アビタスで模擬試験を受験すると、模擬試験における全体の平均点や合格者の平均点が確認できます。これらのスコアは、自分の進捗や実力を測る参考として非常に有用ですので、ぜひ活用してみてください。

なお、私が受験したのは2020年当時のテスト内容であり、現在のBEC(Business Environment and Concepts)の試験内容には変更が加えられている可能性があります。その点も踏まえてご留意いただければと思います。

参考

私自身、以下のブログを一部参考にさせていただきました。もしご興味がありましたら、ぜひ活用してUSCPA合格に向けて挑戦していただければと思います。

★USCPA合格&キャリアアップサポート★ Makiのこつこつブログ
内容:メルマガ読者さんからの情報を分析し、受験計画や勉強法のヒントを配信しています!ブログはこちらから

FAR

■ 受験時期:2019年5月
■ 受験回数:1回目
■ 合否(得点):合格(79点)
■ 学習教材(予備校):アビタス Ver7.0

出題内容&感想

試験後の感想としては、「受かっているかどうか分からない」というのが正直なところでした。ただ、点数を見ると、自分が思ったよりもできていたという印象です。

試験時間は本当にギリギリでした。MC(Multiple Choice)問題については、そこまで意表を突くような問題はなく、アビタスの問題集をしっかり解いていれば十分対応できると感じました。

一方で、TBS(Task-Based Simulation)問題は非常に難しく、「もう終わった…」と思う瞬間がありました。しかし、途中で「少しでも部分点を取ろう」と方針を切り替え、なんとか最後まで解き切ることができました。

特に印象に残っているのは、Accumulated Other Comprehensive Incomeの計算問題です。また、TBSでは全く関係のない資料も多く含まれていたように感じました。それが余計に時間を消費する原因にもなり、改めて問題の取捨選択が重要だと実感しました。

受験までの学習量と使用教材

アビタスの教科書、問題集(Web並びにアプリ)のみです。

最低合計300時間程度かと思います、AICPAリリース問題(受けることが出来る年代全部)、模擬試験。模擬試験は実力の把握と問題集の追加という位置づけです。

模試と本試験の受験結果の点数とそのタイミング

FAR 模擬試験(Ver 12.01)2019/03/17 MC 25/50 TBS 26/50 = 51
模擬試験(Ver 10.01)2019/04/13 MC 30/50 TBS 19/50 = 49
本番 2019/04/28 点数79

FAR/AUD/REG受験用リサーチ問題への対策方法

リサーチ問題については、調べ方をしっかり覚えることが重要だと感じました。本番で効率よく解答するためには、検索機能の使い方や関連資料の見つけ方を身につけておくことが必要です。

ただし、アビタスのTBS問題集では、本番のシステムと操作感が異なる部分があるため、これがかえって混乱の原因になるのではないかと思いました。特に、システムの使い勝手や検索の仕組みを事前に正確に把握しておくことが大切だと感じました。

また、AUDの勉強のためにWileyを活用した際、この点を特に強く実感しました。Wileyの教材では本番に近い形式の問題に触れることができ、リサーチ問題への対応力を高める助けになりました。

勉強方法

私は、主に問題集を通して知識を得るという方法で学習を進めました。そのため、学習の流れとしては「問題集 → 模擬試験 → AICPAリリース問題」という順序で進めました。

ビデオ講義やテキストの活用は、分からない部分を補う程度に留め、重点的には扱いませんでした。一方で、回答解説のビデオは頻繁に視聴し、解き方や考え方の確認に役立てました。

特にFAR(Financial Accounting and Reporting)、BEC(Business Environment and Concepts)、REG(Regulation)については、ビデオ講義をほとんど見ずに進めました。これらの科目では、問題を解くスピードを重視し、繰り返し解くことで全体の知識を少しずつ底上げするイメージで学習を進めました。

実際に、問題集は10回以上繰り返して解いたと思います。これは、「問題を解かなければ意味がない」という考えに基づいたもので、実践的な力をつけるための方法でした。

ただし、この学習スタイルはAUD(Auditing and Attestation)では逆効果になってしまった部分もありました。AUDにおいては、問題解決のアプローチを柔軟に見直す必要があると感じています。

BEC

■ 受験時期:2019年8月
■ 受験回数:1回目
■ 合否(得点):合格(84点)
■ 学習教材(予備校):アビタス Ver7.0

出題内容&感想

MC(Multiple Choice)問題では、ITや経済関連など知識を問う出題が少なく、計算問題が多かったため、個人的には取り組みやすかったと感じました。計算問題が得意な方にとっては助けになる部分が多いと思います。

TBS(Task-Based Simulation)についても、工業簿記系の問題が多く出題され、FAR(Financial Accounting and Reporting)と比べるとそこまで戸惑うことはありませんでした。これまでの勉強で身につけた知識を活かしやすい印象でした。

また、MC問題の中には、海外進出におけるメリットやデメリットといった、会計の論点を直接問わない課題もありました。このような問題は比較的解きやすく、全体として問題に助けられたと感じました。特にFARと比較すると、問題の内容が自分にとって取り組みやすかった印象があります。

受験までの学習量と使用教材

アビタスの教科書、問題集(Web並びにアプリ)のみです。

最低合計250時間程度かと思います、AICPAリリース問題(受けることが出来る年代全部)、模擬試験。模擬試験は実力の把握と問題集の追加という位置づけです。

模試と本試験の受験結果の点数とそのタイミング

BEC 模擬試験(Ver 12.01) 2019/07/03 MC 32/50 TBS 10/35 MC 8/15 = 50
本番 2019/08/31 点数84

勉強方法

ほとんどの内容はFAR(Financial Accounting and Reporting)と同じような対策で進めましたが、異なる点としてはWC(Written Communication)の対策です。

私は、アビタスのWC対策で挙げられている重要な論点をA4用紙1枚にまとめ、暗記するために毎日新しい1枚に書き起こす作業を行っていました。この反復作業が記憶定着に役立ち、試験でも効果を発揮したと感じています。

結果として、WCは概ね回答することができたので、この対策は正解だったと思います。ただし、文章をびっしりと書くのではなく、フォーマットに沿って最低限必要な内容を簡潔に記載する形で仕上げました。

模擬試験の際、WCの配点では書いた論点がぐちゃぐちゃだったため、それに応じた評価しか得られませんでしたが、本番ではその経験を活かして改善できたのが良かったです。

合計何回書き起こしをしたか?

WC(Written Communication)の対策では、重要な単語を書き出し、あとは部分点を狙う形で進めました。すべて箇条書き形式で記載し、内容を簡潔にまとめました。

例えば、COSO Internal Controlについては以下のように記載しました:

  • ① Control Environment

  • ② Risk Assessment

  • ③ Control Activities

  • ④ Information & Communication

  • ⑤ Monitoring

このように重要な項目を整理し、試験で必要な情報に迅速に対応できるようにしました。

また、せっかくなので、MC(Multiple Choice)やTBS(Task-Based Simulation)の復習を兼ねて、覚えるべき計算式なども加えました。この対策には約1か月をかけ、A4サイズの用紙をびっしり埋める形で進めました。

用紙の内容は、毎日更新して新しいものに書き直し、古いものは捨てるというサイクルで進めました。この反復作業を通じて記憶を定着させることができました。また、覚えるべき内容は日を追うごとに徐々に減らしていき、効率的に進めることができました。

試験本番では、WC問題は3問とも、最低限ちゃんと書き切ったか?

WC(Written Communication)では、起承転結を意識し、最低限すべての内容をしっかり書き切る形で回答しました。その結果、15点満点中12点程度は得点できたのではないかと思います。

ただし、実際に出題された3問のうち2問は、社会人としての基礎知識を求められる内容でした。そのため、自分が事前に準備していた論点というよりは、日常的な知識が問われた形となり、正直なところ救われた部分が大きいです。

一方で、上記の取り組みを通じて計算式や重要な論点をしっかり暗記できたことは、MC(Multiple Choice)やTBS(Task-Based Simulation)において大いに役立ちました。この結果は、事前準備の成果でもありますが、最終的には出題された問題との相性も影響したと思います。

REG

■ 受験時期:2020年6月
■ 受験回数:1回目
■ 合否(得点):合格(76点)
■ 学習教材(予備校):アビタス Ver7.0

出題内容&感想

全体的にバランスよく問題が出題された印象を受けました。ただし、正直なところ、AUD(Auditing and Attestation)がうまくいかなかったことが大きく影響し、気分を切り替えるために今回の受験を行ったという背景があります。

そのため、試験内容については、AUDの苦い経験が影を落としてしまい、正確な記憶があまり残っていないのが実情です。申し訳ありませんが、この点については詳しくお伝えできることが少なく、ご了承いただければ幸いです。

受験までの学習量と使用教材

アビタスの教科書、問題集(Web並びにアプリ)のみです。

合計250時間程度かと思います、AICPAリリース問題(受けることが出来る年代全部)、模擬試験。模擬試験は実力の把握と問題集の追加という位置づけです。

模試と本試験の受験結果の点数とそのタイミング

REG 模擬試験(Ver 12.01) 2020/06/07 MC 30/50 TBS 28/35 = 58
本番 2019/06/27 点数76

勉強方法

勉強方法については、ほとんどFAR(Financial Accounting and Reporting)のときと同じ手法を採用しました。ただし、税に関しては例外で、重要な内容をまとめた表を作成する形で整理しました。

この表は、複雑な税法のポイントを視覚的に整理し、効率的に暗記するために役立ちました。FARの勉強方法にこのアプローチを加えることで、税関連の理解が深まったと感じています。

AUD

■ 受験時期:2019年12月、2020年2月、2020年5月、2020年8月
■ 受験回数:4回目
■ 合否(得点):合格(80点)
■ 学習教材(予備校):アビタス Ver7.0

出題内容&感想

私は問題集を通して知識を構築する方法で学習を進めていましたが、その際に誤った流れで覚えてしまい、結果的にかなり遠回りをしてしまいました。

その後、ビデオ講義をすべて見直したことで、自分が多くの点で勘違いをしていたことに気付きました。一から出直す形で学び直した結果、最終的には合格にたどり着くことができました。

試験問題については、毎回大きな変化はないと感じましたが、FAR(Financial Accounting and Reporting)に近い問題が継続して出題されていた印象です。

特にTBS(Task-Based Simulation)で印象に残っている問題は以下の通りです:

  1. 意見とその注釈の区分け

  2. RMM(Risk of Material Misstatement)のリスクが高くなるか低くなるかの判断

  3. 不正の兆候を誰に伝達するのか

  4. FARのような監査結果における、どの勘定が過大か過少かの判断

  5. 潜在的な虚偽表示に対する予防および発見を可能にする統制

  6. サンプリングの計算

  7. 独立性に対する脅威(Self-Interestなど)の区分け

これらの問題は、FARや監査の基本的な知識に基づくものが多く、基礎をしっかり固めることの重要性を改めて感じました。

受験までの学習量と使用教材

アビタスの教科書、問題集(Web並びにアプリ)のみです。

合計400時間程度かと思います、AICPAリリース問題(受けることが出来る年代全部)、模擬試験(問題集としての位置づけ)、Willey、TACの直前対策。

模試と本試験の受験結果の点数とそのタイミング

模擬試験(Ver 12.01) 2019/10/28 MC 28/50 TBS 33/50 = 58
本番 2019/12/7 点数57
⇒ 不合格後、Wilily使用開始。MakiさんのCPA業務比較表購入。

模擬試験(Ver 10.01) 2020/02/03 MC 42/50 TBS 33/50 = 75 
本番 2020/2/15 点数57
⇒ 不合格後、ビデオ講義を全て受講。4月頃からREG開始勉強開始。

本番 2020/5/22 点数74 
⇒ 不合格後、REGへ注力。TACの事前対策講義を購入。

本番 2020/8/01 点数80

勉強方法と改善結果から分かった原因


AUDとBECのWC(Written Communication)以外は、すべて問題集を中心とした勉強方法で進めました。ただし、監査の知識が全くなかったこともあり、問題集を通じて自己流で解釈を進めた結果、間違った知識を構築してしまいました。

そのため、AUDの勉強方法を一度不合格になった経験を踏まえて大きく見直しました。同じように迷っている方がいれば、これが正解とは言えませんが、少しでも参考になれば幸いです。

AUDに合格したときは、嬉しさというよりも、長い戦いから解放された感覚の方が強かったです。正直、AUDは苦手意識が強く、特に以下のプロセスを経て合格にたどり着きました:

  1. アビタスの問題集とテキストで学習開始。
    → 自己流で進めた結果、間違った知識を構築してしまう。

  2. Wileyの教材とMakiさんのAUD教材を活用し、理解を深める努力。
    → 「理解したつもり」だったものの、まだ不十分。

  3. アビタスのビデオ講義をすべて見直し、再びMakiさんのAUD教材を活用。
    → ようやく正しい理解に到達。

  4. TACの事前対策模擬試験を活用。
    → 模擬試験のスコアがそこそこ良くても、本番での理解が甘いと気づかされる。
    → TACの模擬試験は、アビタスにはない内容や違う角度からの説明が含まれており、直前確認や知識補足に役立ちました。私個人としては、これがプラス5点ほどの影響力になったと感じています。

テスト中、何度か心の中で「ありがとう」とつぶやいていました。それほど自分のこれまでの努力や使った教材に対する感謝の気持ちが湧いてきた瞬間でした。正直、アビタスの教材だけでも十分に合格できる内容だと思いますが、私にとっては他の教材も大いに助けになりました。

Wileyについては、主にMC(Multiple Choice)の対策として継続して使用しました。しかし、解説がすべて英語で書かれているため、理解が不十分なまま進んでしまうことも多くありました。特に、答えを覚えてしまい、「できたつもり」になってしまう落とし穴がありました。

ただし、全体像を一度しっかりと再構築した後にWileyに戻ると、MC対策として非常に有効な教材だと感じました。改めて取り組むことで、英語での解説もスムーズに理解できるようになり、知識の定着や試験対応力を高めることができました。

具体的には、どんな間違った知識を構築してしまったのか?
問題集中心の勉強法の落とし穴、注意事項

問題集中心の学習には落とし穴があると感じています。それは、先行して学んだ問題の単語や定義を固定化してしまう点にあります。同じ単語でも異なるプロセスにおいては実際の内容が異なる場合がありますが、問題集だけで学んでいると、それを正確に認識せずに進んでしまうことがあります。

さらに、答えを確認しても、先行して学んだ問題の知識をベースに理解を深めようとしてしまうため、異なる文脈やプロセスを正しく区別できないまま、混ざった知識で理解を進めてしまうことが問題だと感じました。

この状況でも解ける問題は多いのですが、応用問題や言い換えられた問題が出題されると、正しい選択肢を選ぶことが難しくなります。特に、残り二択まで絞った際に、誤答を選んでしまう可能性が高くなると感じました。

具体例

  1. Review

    • Interim Review(PCAOB)、Review(SSARS)、**Review(SSAE)**の区分が明確にできていませんでした。

    • なんとなく「ReviewはSSARSとSSAEだけ」と思い込んでいましたが、報告書上ではSSARSとPCAOBで文脈の違いがあることを認識していませんでした。

    • また、Internal Control(IC)の理解についても、「必要なレビュー」と「必要でないレビュー」があることを後から知り、勘違いしていたことに気付きました。

  2. Analytical Procedure

    • Analytical Procedureが監査の3つのステージで使用されることを理解していませんでした。

    • さらに、そのうちの1つのステージ(Substantive Testing)では使用しなくても良い場合があると知ったときは驚きました。これも問題を解いているだけでは気づけない点でした。

  3. Audit

    • アビタスの学習内容はSAS(Statement on Auditing Standards)を中心としているため、Public(公開会社)とUnpublic(非公開会社)の関連するひっかけ問題が出ると、頻繁に間違えることがありました。

    • 特に、Internal Control(IC)の評価の必要性や、関連する基準の違いを正確に把握できておらず、答えだけを覚えてしまった結果、似たような問題が出た際に再び間違えることがありました。


対応策

これらの課題を克服するために、私はアビタス以外の補足教材や手段を活用することを決断しました。具体的には、WileyMakiさんのAUD教材を取り入れたり、模擬試験を活用して別の視点から学習を進めることで、知識を補完し、理解を深めることができました。

結果として、同じ勉強内容でも視点や説明方法が異なると理解も異なることを実感しました。特に、TACの直前対策講義では、「なるほど」と思える視点を得ることができました。

これはアビタスを否定するものではなく、学習者それぞれの背景が異なるため、このような差が生じるのではないかと考えています。実際、アビタスのビデオ講義は理解を深めるうえで非常に有用でした。むしろ、アビタスを活用しなければ合格にはたどり着けなかったと思っています。

ただし、アビタスの問題を一通りこなして「大丈夫かな」と思い試験に挑んだ結果、模擬試験のスコアが75点だったにもかかわらず、本番の点数は57点という厳しい現実に直面しました。この経験から、倍速なしの標準スピードで全てのビデオ講義を見直すことを決意しました。

上記の例で挙げたような勘違いを通して感じたのは、合格者の皆さんがおっしゃる通り、どのステップにいるのかを明確に把握し、単語の定義(関係者、関連する規則、その内容)をしっかり理解することが重要だということです。

また、TACの事前対策教材に掲載されていた、ReviewやAuditのPublicおよびNon-publicに関するすべての報告書例を活用しました。これを試験直前に毎日眺めることで、自分の知識の抜け漏れに気づき、改善することができました。この点も非常に有効だったと感じています。

最後に

 おそらく、これを読んでいる方は、現在USCPAの受験を控えている方、もしくは既に受験を始めている方ではないかと思います。

私自身、同時期にプライベートでも大変な時期が重なり、正直本当につらかったです。また、会社の人にも勉強をしていることを説明していなかったため、なおさら孤独に感じることもありました。

短期間で合格される方もいますが、私は育児と仕事を両立させる必要があったため、当初から「頑張りすぎない」をテーマに据え、長期的な計画で取り組むことを決めていました。

例えば、「1日○○時間以上は勉強しない」といったルールを作り、たとえやる気があっても「あえて」勉強をやめるようにしていました。

USCPAの勉強を通じて得たものは、もちろん知識もありますが、それ以上に大きかったのは、「人生は自分の延長上にある」という学びでした。

短期間で合格できる人もいれば、不合格を経験する人もいます。その中で私が気付いたのは、たとえ不合格であったとしても、それもまた自分自身であり、失敗を受け入れることの大切さです。そして、「しっかりトライした自分を褒める」一方で、「実力不足を反省し、次に活かす」というサイクルを、AUDで3回目の不合格を経験したときに確立することができました。

やり方を変えることには抵抗がありました。過去の自分を否定するようで嫌だったからです。しかし、その感情が結果として合格を遅らせる原因だったと、今では結論づけています。

これを読んでくださった方が、少しでも何かを得られたなら、それだけで嬉しい限りです。そして、もしこの文章が役に立ったと感じていただけたら、「いいね(スキ)」や「フォロー」をいただけると励みになります。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

↓続編にも興味がありましたら是非↓

 


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