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「白黒は本当に正解か?ポルシェのボディカラー選びで知っておくべきこと」

前編に続く今回は“ボディーカラー”に関するお話を中心に、オプションやリセールの考え方、そしてポルシェ愛を深めるヒントをさらに深掘りしていきます。西川が培ってきた経験則や実例を交えながら、今回も高野さんとの対談をお楽しみください。


ボディカラーはどう評価される? 実は奥が深い“色”の話

高野「オプションやグレード、走行距離のほかに、“色”も影響すると思うんですが、どのくらい買取査定に関わるんでしょうか?」

西川「そうですね、色に関してはあくまで“若干”ですね。我々からすると『大きく上乗せ』というより、プラスマイナスどちらかに少し動く程度というイメージです。」

高野「なるほど、そこは“若干”なんですね。例えば、GTシルバーと赤や黄色を比べたとき、そんなに大きくは変わらない感じですか?」

西川「実は少し変わります。人気・不人気の基準で見ると、赤や黄色はちょっと落ちるのが正直なところなんです。でも一方で、白や黒ってたくさん存在しているので、販売する際ネットに掲載する際にライバル車両が非常に多くなるんですよ。一方で赤や黄色、マイアミブルーみたいな珍しい色を探している方は、その色だけにターゲットを絞っていることが多いので、競合が少ない分、むしろ“一本釣り”できたりします。だから、ただオークションに出すだけの買取店さんだと色の人気不人気がはっきり査定額に出るかもしれませんが、うちは自社販売することも考えているので、“あえて珍しい色を高めに買わせていただく”ということもよくあるんです。実際、変わった色のほうがすぐ売れたりしますし。」

カーマインレッドの981ボクスターGTS

高野「なるほど。プロの方が実際に売る側として考えていることって、やっぱり素人のイメージと違いますね。ボディカラーは“白黒”がリセール良いと思い込んでいましたが、そうでもないんだとわかります。」

西川「もちろん一般的には白黒の方が平均的に人気があって無難という見方もあります。ただ、ウチのように直接仕入れて直接販売もする店にとっては、珍しいカラーや個性的な色のほうが“店頭で映える”し、“探している人にはドンピシャ”というケースが多いですよ。例えば、ちょっと前はクレヨン色が流行りましたよね。」

高野「はい、私もクレヨンを買ったことがあります。あれは当時すごい人気でした。」

西川「今はちょっと人気が落ち着いた感覚ありますけどね。やっぱりボディカラーのトレンドは移り変わるので、クレヨンが爆発的に人気になった時期もあれば、アゲートグレーやアベンチュリングリーンみたいな渋めの色が注目される時期もある。それが面白いところです。」

アベンチュリングリーンメタリック

オーナーの“好き”を貫く意義──ボディカラー選びは自己満足でいい?

高野「私の夫が今911のアゲートグレーに乗っているんですけど、そういう落ち着いた色は今でも一定の人気なんですか?」

西川「アゲートグレーは人気がありますね。探す人が多い反面、市場に出回る台数が少ないですから。ディーラーさんでも『やっぱり将来的なリセールを考えて白黒がいいですよ』と提案しがちなので、色にこだわる人がアゲートグレーをオーダーしているようなイメージがあります。なので少数派だけど根強いファンがいる色は、中古になってもすぐ売れるケースが多いですね。」

高野「そうなんですね! 確かにディーラーでボディカラーを相談すると、わりと無難な方向に話が進んでいくかもしれません。よほど、どうしてもこの色がいいと言わない限り、白黒やクレヨンをおすすめされそうです。」

西川「そうですね。あとはやっぱり、ボディカラーは『クルマの個性』なので、ポルシェのように、自分で好きな仕様を選べるブランドであればなおさら、オーナー様が一番自分の好きな色を選ぶべきだと思うんですよ。

高野「そうですよね。よく“リセールを意識するなら無難な白黒”と言う人も多いですが、せっかくのポルシェならやっぱり好きな色に乗りたい。」

西川「そうです。しかも、好きな色を選んでいる方は、そのクルマに愛着を持って大事に乗るんです。結果的に手入れが行き届いており状態が綺麗に保たれているとか、整備記録をバッチリ残しているとか、査定にプラスになる要素が増えてきます。これは大きなポイントですよ。」

高野「なるほど。確かに自分の好きな色だと汚れや傷に敏感になりますし、より大切に乗りますよね。」


GTシルバーメタリック  718 ボクスター Boxster 25 Years

自己満? いえ“究極の愛情表現”──PTSカラーの真実

西川「一方で、ポルシェの場合は純正カラー以外にも“Paint To Sample(PTS)”と呼ばれる特別色をオーダーできることがありますよね。あれはもう究極の自己満足かもしれません。」

高野「確かに。何百色も用意されている場合もありますし、普通じゃ考えられないくらいの選択肢ですよね。」

西川「そう。それだけオプション費用をかけても、その色自体がレアすぎて実物を見たことがないって人も多いので、いざ中古車として出した時に『いや、そもそもこの色がどんなものかイメージできない』ってことで敬遠される場合もあるんです。」

高野「なるほど、そうかもしれませんね。逆に『このPTSの色じゃなきゃ嫌だ』っていう人に出会えば一気に売れるかもしれないですが。」

西川「そうなんです。なのでPTSを選ぶなら“一生乗るんだ”くらいの意気込みでいいと思いますし、たまたま同じ感性の方が見つかれば一瞬で売れていく。いずれにしても究極の自己満ですが、それがポルシェの楽しさでもあると思います。

高野「わかります。私も深いグリーンのクラシックな色を見かけたとき、“こんなに素敵なら乗ってみたい”と思ったんですが、それを選ぶにはかなり勇気がいりますよね。」

西川「そうですよね。でも、こだわりのカラーはまさにオーナーのストーリーそのもの。ウチのような買取して自社販売する店舗としては、そのストーリーも評価し、次のオーナーさんにも“前オーナーはこういう想いでこの色を選んで、こうやって乗ってきたんですよ”ってお伝えしたいんです。そこに共感してくれたら、価格以上の価値を見いだしてくれる可能性が高いですから。」

高野「すごく面白いです。買取側が『色は自己満』じゃなく、『色こそ愛情だ』って捉えてくれるのは、オーナーにとってうれしいですよね。」

西川「最終的にはその“オーナーの愛情”が査定額にも反映されるんです。愛情があれば状態も良くなるし、整備記録もきちんと揃ってる。そういう車両は結果的に高く買い取らせていただけるんですよ。」

高野「なるほど、本当に良い話を聞けました。ありがとうございます!」


ポルシェへの愛情の注ぎ方

「今回は“色”をテーマに、ポルシェが持つ幅広い魅力を改めてお伝えできたと思います。結果的に『自分が本当に好きなカラーを選び、愛情を持って乗ること』こそが、買取査定でもプラスになるというのは、ポルシェだからこそ成り立つ話かもしれません。今後も、皆さんがポルシェをより楽しむためのヒントや、オーナー目線で大事にしたいポイントを発信していきます。オプションやカラーはもちろん、メンテナンスやカスタム、さらには売却のタイミングまで、ポルシェと共に歩むすべての方の背中を押せるような情報をお届けしていきたいですね。これからもどうぞよろしくお願いします!」


編集後記

「今回の対談で、ボディカラーという一見シンプルなテーマから始まりましたが、実はポルシェを選ぶうえで非常に奥が深いポイントだと再認識しました。色ひとつをとっても、オーナーさんの好みや思い入れ、将来のリセールなど、いろいろな観点があります。でも最終的には『好きで選んだ色を大切に乗る』ことが、査定にもプラスに働くという、ある意味ポルシェらしい結論に落ち着きました。前編のオプション、そして今回のカラーの話など、“こだわり”こそがポルシェを楽しむ最大の鍵だと思います。私たち買取専門店としては、その“こだわりの背景”も含めて次のオーナーさんに繋いでいきたい。今後も高野さんとの対談を通じて、そういった視点をもっと掘り下げていきたいと考えています。引き続きよろしくお願いいたします!」

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