文字ブラウザの頃
パソコン通信がようやく市民権を得て、ニフティ上の会議室での仲間との話をしていた1995年頃の話です。当時システム部署に新入社員で配属されていたので、米国でインターネット(仕事ではTCPIP中層プロトコルネットワークと呼んでましたね)という通信手段が来るというのは知識としては知っていました。
一度試してみたいと思っていたところ、アサヒネットであればインターネットに接続できるらしいということで、早速契約して、PC98+WIN3.1だったかでアサヒネットの専用ソフトで接続をしました。記憶が定かではないのですが、たぶんパソコン通信のソフト経由でネットを触っていたのではないかと。
画像が出てくるブラウザはまだ導入できないので、その文字だけで扱う「文字ブラウザ」で、早速探検をはじめました。最初はアメリカ中部の州の図書館のWEBで、蔵書を検索してみたらちゃんと結果が出てくる。地球の裏側の図書館の蔵書が家のパソコンから検索できるなんで、今では当たり前すぎて話題にもなりませんが、驚きでした。
次に、これもアメリカのどこかの大学のコカ・コーラの自動販売機の中身を見に行きました。コカ・コーラがあと何本残っているかわかるというもので、大学生が自動販売機にコーラを買いに行くのに事前に品切れがわかるという目的(遊び)でネットにつながっていたものでしたが、これまた驚きでした。
まだ結婚したての奥さんと、画面を見ながら「すごいね!」を連発したことだけは覚えています。その後WIN95?がネット対応になり、ネットスケープを不安定ながらも稼働させられると、文字と画像が一度に出てくる(ハイパーテキスト)衝撃を初めて経験しました。
あれから30年。当時は、ワープロで文章を作って、FAXで送るか郵送で送るかして、電話で話してというのが仕事でした。進んでいたシステム部門ですらそうでしたから(もっとも汎用機の時代なので、バッチ処理しかありませんでしたが)。今ではネットの無い世界は考えられませんが、当時はそんな感じでした。
久しぶりに昔語りをしてみました。