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2024年最大の後悔は、Green Dayの「The Saviors Tour」を観に行かなかったこと

愛猫のトイレ掃除をする時は、かなりの確率でGreen Dayのアルバム『American Idiot』をかける。

決してGreen Dayを蔑んでいるわけではない。
「よし!やるぞっ!」と自分にとりわけ気合いを入れたい時は、Green Dayをかけがちなのだ。

トイレ絡みということで「そこは『Dookie』じゃないの?」とツッコミが入りそうだけど(笑)、『Dookie』よりは『American Idiot』なんだな。

そしてこの年末、毎日のように聴いていたのもGreen Day。

恐るべし師走。恐るべし年末商戦。
おかげさまで毎日目の回る忙しさで、土日も祝日もへったくれもない。

クリスマス?なにそれ美味しいの?
年末年始休暇?んなもんあるかぁー!

…とまぁ、まさに「Desperate!!」とシャウトして、「But not hopeless… I feel so useless…」と激落ちしそうな日々。
我が家が「Murder City」なんじゃないかとすら思う。

疲労困憊の老体に鞭打つために、気分を上げて「頑張れ自分!」と奮い立たせるために、そんな時の私の滋養強壮剤は、Green Dayなのだ。
そんなてんてこ舞いの日々の中、作業用BGM代わりにふと再生したYoutubeが、カリフォルニア Inglewoodで9月に行われたSoFi Stadiumでの約2時間半にも及ぶThe Saviors Tour 2024のライブ映像だった。

今年初夏、Green Dayはヨーロッパ各地のフェスに参加して、今年1月にリリースした『Saviors』を引っさげ、The Saviors Tour 2024行脚していた。

スペインでは、5月30日のFestival O Son Do Camiño 2024(ガリシア)と、6月1日のRoad to Río Babel(マドリード)、2つのフェスでいずれもヘッドライナーとしてアクトした。

悔しいことに私がグラスゴーへ弾丸旅行するほんの直前まで、彼らはUK・アイルランドツアーの真っ只中だった。
6月25日、グラスゴーのBellahouston Parkでの単独公演の時は、会場となった公園から数キロ離れた住宅街までビリー・ジョーの歌声が聞こえたそうで、あの時無理にでも前倒しにして私もグラスゴーに行っていれば、雰囲気だけでも味わえたかもしれないと、今思い出しても奥歯をギリギリ噛みしめてしまう。


大きな節目の年だった2024年

2024年は、Green Dayにとって二重にも三重にも節目となる1年だった。

『Dookie』リリース30周年

まず1つ目は、彼ら通算3枚目のアルバム『Dookie』が1994年にリリースされて30周年を迎えた。

今やライブでは毎度お馴染みの曲と言ってもいい「Basket Case」を筆頭に、数々の名曲が収められたこのアルバムは、洋楽パンクを少しでもかじっている人ならたぶん1度は手にしたことがあるアルバムだと思う。

ちなみに冒頭でも微妙に(笑)触れたが、アルバムタイトルのDookieとは、💩という意味。
当時、ドラッグでキマりまくっていた彼らがノリと勢いで「💩」と付けてしまったこのアルバムが、30年後も名アルバムとして世界中で愛されているとは、当時の彼らには予想もしていなかったんじゃないだろうか。

『American Idiot』リリース20周年

2つ目は、通算7枚目のアルバム『American Idiot』が2004年にリリースされて20周年を迎えたこと。

前作『Warning』(2000年)の続編として制作されていたアルバム『Cigarettes and Valentines』のデモテープが盗難に遭い、ゼロから作り直したという『American Idiot』は、当時方向性を見失いかけていた彼らが、ロックスターとしての光を再び掴み直し、一皮むけた渾身の作品となった。

収録曲「Homecoming」と「Jesus of Suburbia」は組曲編成になっていて、1つの曲の中にまるでメドレーのようにカラーの異なる複数の曲が組み合わされている。

『American Idiot』が制作された頃、アメリカは9.11とイラク戦争で激動のさなかだった。
加えて当時の大統領は共和党のジョージ・ブッシュだったことも相まってか、本作は社会政治的な問題を明確に取り上げ、「Don't wanna be an American idiot!」と、戦争や政治、アメリカ社会を痛烈に批判する曲が多いことも特徴的だ。

こうした制作過程を経て出来上がった『American Idiot』のアルバム展開を、彼らは「パンクロックオペラ」と呼んでいる。

また、このアルバムの演劇性を高めるため、ライブでは3人は赤と黒の衣装で統一し、黒いシャツに赤のネクタイを絞めたビリー・ジョーの姿は、今やGreen Dayのアイコニックにすら感じる。

『21st Century Breakdown』リリース15周年

今回のThe Saviors Tour 2024では大々的には取り上げられていないが、『21st Century Breakdown』もまた、アニバーサリーイヤーだったりする。
2009年にリリースされた通算8枚目のこのアルバムは、今年で発売15周年を迎えた。

21st Century Breakdown(21世紀の崩壊)と名づけられたこのアルバムは、前作『American Idiot』を継承するコンセプトアルバムであり、ロックオペラでもある。
ミシガン州デトロイトを舞台に、「Heroes and Cons」、「Charlatans and Saints」、「Horseshoes and Handgrenades」の3幕に分けて作られており、ChristianとGloriaという若いカップルを物語の主人公として、当時、共和党政権から民主党政権に移り行くアメリカの社会情勢、利己的に操作されているこの世界で直面する課題や、原理主義な宗教、自身の生い立ちの暗い過去などなど、幅広いテーマを取り上げている。

「自分が何者で、この瞬間に何を感じているのかを掘り下げた」という本作は、Green Day史上最も長い再生時間約70分で、最もエモーショナルな作品とも言える。

コーヒー専門オンラインショップ「Punk Bunny Coffee」の開設

今年のGreen Dayの節目は、音楽だけではない。
今年6月、3人が経営するコーヒー販売会社「Punk Bunny Coffee」は、専門ECショップをオープンした。

これについては、私の別noteマガジン「コラム 越境EC」と共同掲載でじっくり紹介しているので、ぜひご覧いただきたい。

ところで本noteを執筆中、こんなものを見つけてしまった。

『American Idiot』リリース20周年を記念したLIMITED EDITION!!!
残念ながら現在は完売で販売していない模様…。

なぜ気付かなかった?!
私のバカー!バカバカー!涙。

なお、Punk Bunny Coffeeオンラインショップでは、コーヒー豆のほかに、Tシャツやフーディー、マグカップやタンブラーなど、ファン垂涎もののオリジナルグッズも豊富に取り揃えているので、コーヒー好きはもちろん、ライブファッションで差をつけたい人にもおススメだ。

2024年リリースの新作『Saviors』

『Dookie』、『American Idiot』のアニバーサリーイヤーですでにお腹いっぱいな2024年だが、もう1つ忘れてはいけないものがある。
通算14枚目のアルバムとなる新作『Saviors』がリリースされたことだ。

今作から3人の年齢もとうとう50代。
彼らがちょくちょく話題にする“ザ・中年”の真っ只中に突入したわけだが、20年前の『American Idiot』を彷彿とさせるような、これぞGreen Dayだよね!な、社会に真っ向から刃向かうパワフルでエモーショナルなパンクロック、パワーポップが戻ってきた。
『Dookie』、『American Idiot』、そして『¡Tré!』(2012年)のプロデュースを手掛けたRob Cavalloが今作で戻ってきたので、テイストが似ているのもあるのかもしれない。

1曲目の「The American Dream Is Killing Me」は、一昔前はアメリカという国のキャッチフレーズとも言えた伝統的なアメリカン・ドリームが、現在の人々にはそれは夢のまた夢で、むしろ傷つけていると嘆く曲。

タイトルからしてもうすでに『American Idiot』、『21st Century Breakdown』の、アメリカ社会に対する痛烈な批判と反骨精神を継承する曲であることを思わせる。

『American Idiot』の「Wake Me Up When September Ends」がビリー・ジョーの父親を歌った曲なら、今作では世代を経て自身の息子に宛てた「Father to a Son」を歌っているのも、同じく“ザ・中年”となった私には、思わず涙腺が制御不能になってしまうような憎い演出である。

ちなみに「Wake Me Up When September Ends」のPVも個人的に泣ける。

The Saviors Tour

さて、そんな『Saviors』だが、ニューヨークの地下鉄のロックフェラーセンター駅でサプライズパフォーマンスを繰り広げるなど、彼ららしい突飛なプロモーション活動の果て、今夏のヨーロッパ公演から全米公演と、世界ツアーが始まった。

『Dookie』、『American Idiot』のアニバーサリーセレブレーションも含むこのツアーは、『Saviors』お披露目のためのものでもある。

上のPunk Bunny Coffeeオンラインショップ開設の記事を書いた頃は、まだ1月のドバイ公演までしかアナウンスされていなかったが、その後7月に、いよいよ来日公演の情報も解禁となり、狂喜乱舞の夏の幕開けとなった人も多いのではないだろうか。

今回の来日公演は、2025年2月21日の大阪を皮切りに、23日は名古屋、25・26日は横浜で2日間開催予定。
前回はコロナ禍で来日が叶わず、単独公演はなんと2010年以来の15年ぶり。
チケットは早くも全公演すでにSOLD OUTとなっている。

ヨーロッパ、全米公演で予習しよう!「The Saviors Tour」の特徴

Youtube上ではすでに、この夏ヨーロッパ、アメリカで行われたライブ映像がどっさり投稿されているので、これらを片っ端から見て、今のうちに予習&ライブ脳にしておくといいかもしれない。

各地のライブ映像を見る限り、長ければ2時間、または2時間半、これといったMCもなくほぼぶっ通しでテンションMAXなままの長丁場なので、もし来日公演でも同じぐらいの時間をやるとしたら、私のようなアラフォー、アラフィフ組にとっては、翌日の筋肉痛が尋常じゃないであろうかなりハードで濃厚なひと時になる。

通常のライブと異なり、今回はニューアルバムのほかに、過去の2アルバムのセレブレーションでもあるため、『Dookie』と『American Idiot』のアクトにもたっぷり時間を割いている。
どちらのアルバムも全曲丸ごと、もしくは片方は半分、片方は全曲…ぐらい歌っている。

日本の各会場の押さえ時間の都合もあるだろうから、日本でも欧米でのライブとまったく同じ長丁場になるとは言い切れないが、『Saviors』の曲はもちろん『Dookie』と『American Idiot』を復習しておくことは必至だろう。

なお、ほかのアルバムからは『Insomniac』の「Brain Stew」、『Warning』の「Minority」、『21st Century Breakdown』の「Know Your Enemy」をMIXタイムで歌われている。

Green Dayのライブは、OasisやNoelのようにフルフレーズ丸ごとほら歌え!ではない(笑)が、観客に合いの手を入れさせたり、サビやキメのフレーズを歌わせる瞬間がちょいちょいある。

これがライブ参戦の醍醐味だったりもするのだが、「洋楽ROCK大好き!」とか言っときながら実はこっ恥ずかしい話、私は英語の歌詞がなかなか覚えられない…_| ̄|○
そして私と同じように、「曲は好きだけどリリックは何て言ってるのか…💧」なんて人がきっといるはず。

せめてサビの繰り返しフレーズぐらいは口ずさめるように、今のうちにlyricsも読み込んでおこう。

それから、今回のツアーでも「Know Your Enemy」でアリーナから観客を1人上げている。
曲の途中で観客を1人上げて歌わせるのは、Green Dayライブではお馴染みの光景だ。

Isle of Wight(イギリス)では、かわいい女の子(名前はモリーちゃん)が登壇。
別の曲に移ってからも時折モリーコールが巻き起こるほど、かわいらしさが観客を魅了していた。

Road to Río Babel(スペイン マドリード)、Waldbühne Berlin(ドイツ)でも、女子(ドイツもおそらく女子)が登壇。
2人とも感動の絶唱の後、ビリー・ジョーの「1!2!1・2・3・GO!!」の合図で、アリーナにダイブさせて客席に戻すという荒業を見せている笑。

アリーナど真ん中最前線の方は、ダイブが飛んできてもしっかり受け止められるよう、念のため今から筋力トレーニングしておいた方がいいかもしれない。

登壇して熱唱したい人は、Well, violence is an energy(オエオエー)/ Well, from here to eternity(オエオエー)/ Well, violence is an energy(オエオエー)/
Well, silence is the enemy, so ワチャチャチャチャチャチャチャー!(ウソw。gimme, gimme revolution!!!!)
のところを本家顔負けぐらいに歌えるよう、今からカラオケで特訓しておこう笑。

来日公演に行く方、ぜひ楽しんではっちゃけてきてください♪

2025年も世界を突っ走るGreen Day

2025年、Green Dayは早くも1月から再び世界を周る旅に出る。
1月の南アフリカ2公演を皮切りに、ドバイ、アジア、オーストラリアと巡り、春はメキシコ、アメリカへ戻って、COACHELLAとRockville Festでのアクトがすでに決定している。

そして6月には再びヨーロッパに戻ってきて、イギリスのDownload Festivalへの参戦の後、イタリアをはじめ次回は主に北欧、東欧方面を周って、現時点では9月7日のブラジル サンパウロまでのライブスケジュールが公開されている。

私にもまだGreen Dayを拝めるチャンスがあるというわけか…ムフフ。

いやでもマジメな話、今年私は、スペインの夏フェスやヨーロッパ他国のフェス、単独ライブ情報を目ざとく見てはいたものの、情報を見ていただけ。
仕事にかまけ、結局どこにも行かずに終わってしまった。

来年はOasisの再結成ライブをひかえる重要な1年になる。

「ライブ行ってきました!」記事が書けるよう、まずはチケット代を稼ごうと思う!(そこから?w)

⚠️おことわり⚠️
本記事は、今年欧米で行われた『Dookie』30th Anniversary、『American Idiot』20th Anniversaryを含めた「The Saviors Tour 2024」を軸として作成しています。
2025年2月の来日公演主催元であるCreativeman公式サイトによれば、来日公演の正式名称は「Green Day Japan Tour 2025」のようですので、万が一『Dookie』30th Anniversary、『American Idiot』20th Anniversaryが含まれなかった場合、本記事によって過度な期待を持たせてしまったらごめんなさい。


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#今年の振り返り

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