今年のユーロビジョンは見ごたえ満載!Eurovision Song Contest 2024
以前、イタリアのロックバンドMåneskin(マネスキン)を紹介した時に散々こき下ろした話題にしたEurovision Song Contest(通称:ユーロビジョン)。
10年以上もスペインに住んでいてまともに見た試しがなく、前回のMåneskinのnoteを書くに当たり、初めてマジメに目を向けたぐらいなんですけども…。
「次のニューカマー発掘のためにも、今年からはマジメに見ようかな。」
なーんて言っていたくせに、すっかり忘れていた私…。
Måneskinのnoteを読んでくれていた友人から「ユーロビジョンやってるよ!見てる?」と連絡をもらい、慌てて見ました。
セミファイナルから笑。
Youtubeのライブ配信で。
テレビ番組だと思っていたら、いつの間にかインターネットでもライブ配信をするようになっていたんですね。
いや~、ハイテクな番組になりました。
そんなわけで、初めてちゃんと見てみたユーロビジョン、これが結構見ごたえがあっておもしろかったので、今日は皆さんにも紹介したいと思います。
Eurovision Song Contestとは
日本ではおそらくほとんど知られていないであろうユーロビジョン。
まずはじめに、ユーロビジョンとはなんぞや?から説明しますね。
Eurovision Song Contest(通称:ユーロビジョン)とは、European Broadcasting Union(欧州放送連合)(EBU)加盟放送局によって1956年から現在まで毎年開催されている、国対抗の音楽コンテスト番組です。
◆Eurovision Song Contest
https://eurovision.tv/
今年はスウェーデンのマルメという街で開催され、放送されました。
開催地の決定は、前年の優勝国が翌年の開催地になっています。
2022年にウクライナが優勝した時は、ウクライナの情勢がよろしくないということで、昨年2023年の開催地は2位だったイギリスになりました。
番組は生放送。
各国代表のアーティストが歌を披露し、大会参加国と視聴者からの投票でチャンピオンが決まります。
各参加放送局は、3月中旬までに曲とそれを演奏する自国のアーティストを選び、曲とアーティストは、テレビ放映される国内選考番組(または複数の番組)、内部プロセス、または各自が決定するその他の手段によって選ばれます。
過去のユーロビジョンのチャンピオンには、ABBA(アバ)(1974年大会)やCeline Dion(セリーヌ・ディオン)(1988年大会)がいます。
参加放送局と参加国
各参加放送局は、Big Fiveと呼ばれる放送局とホスト放送局(通常は前年度優勝国の放送局)と共に、グランドファイナルへの切符を手にするため、セミファイナルから出場するアクトの準備に励みます。
Big Fiveとは、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリスの参加放送局のことで、放送局を通じてコンテストの開催に最大の財政的貢献をしている国です。
…ということは、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリスは毎回グランドファイナルまで進出できるシード国ということですね。なるほど。
コンテスト名にEuro(ユーロ)と付いているので、ヨーロッパだけの歌コンテスト番組かと思いきや、そうでもないようです。
参加国の規定は、Wikipediaによると
…とあり、基本的にはヨーロッパ全域が参加対象ではありますが、例えば今年はオーストラリアやイスラエルが出場しており、過去にはモロッコやトルコの出場など、ヨーロッパ以外からも参加している国があります。
パフォーマンスのルール
ユーロビジョンでは、「自国の言語の曲」→「公用語(英語)の曲限定」→「やっぱり自国の言語でもどんな言語でもOK」などなど、これまで様々にルールが改変されてきましたが、今年の出場曲とアーティストに関する主なものは以下の通り。
①曲はオリジナルで3分以内であること。
②生演奏であること。
③1回のパフォーマンスでステージに立つことができるのは6人以内であること。
(参考:Eurovision Song Contest 2024)
日本からも参加できる?投票型の採点
ユーロビジョンでは投票されたポイントでチャンピオンと順位が決まります。
投票は、各参加放送局、各参加国で選出した専門の審査員、参加国と非参加国の視聴者が投票することができます。
各参加放送局や審査員には、公平を期すため自国のアーティストには投票しないというルールがあります。
また、このようにユーロビジョンは視聴者参加型がウリの番組でもあります。
以前は、ユーロビジョンをテレビで視聴できる視聴者のみに投票権がありましたが、昨年2023年から全世界からの投票が可能になったようです。
今年もテレビで視聴できない国からは、ユーロビジョン専用アプリやWebサイトから投票が可能だったため、日本からの投票も事実上可能となりました。
Eurovision Song Contest 2024 セミファイナルの様子
お待たせしました。
今年のユーロビジョンの感想、早速いってみたいと思います!
総評から言ってしまうと、今年はジャンルが様々で最後まで飽きずに楽しめるアーティストが盛りだくさんでした。
撮れたてユーロビジョンのアーカイブ動画、じゃんじゃん貼っていきますので、臨場感ビリビリでぜひ見ていってくださいね♪
独自の好みで気になるアーティストをレビュー
今年は37か国から37組のアーティストが参加しました。その後、セミファイナルに残ったのが31組。
セミファイナルは2夜に分けて放送されました。
過去のユーロビジョンは当たり障りのない、万人ウケするような曲か、お国自慢のような曲ばかりでイマイチおもしろみに欠けていました。
でも、今年のラインナップはジャンルが豊富!
こう言っちゃ失礼ですが、お笑いアリ(笑)、聴かせる曲アリ、Rock好きの私も「おっ?」と目をみはる曲アリと、豪華ラインナップ。
セミファイナルの時点からお腹いっぱいの3日間でした笑。
はい!ではここからは、私の独自の好みと偏見(笑)から、気になったアーティストを紹介していきますね。
この中に果たしてチャンピオンはいたのか!?
私の目利き…ならぬ耳利きは良いのか悪いのか!?
■本当に「No Rules!」だったWindows95man(フィンランド)
2021年大会のチャンピオンMåneskinも、Rockということで異色と騒がれましたが、今年は2021年を遥かに上回る異色バンドが現れました。
その1つがフィンランド代表Windows95man。
曲は「No Rules!」。
もうね、説明は一切不要かと思います。
皆さんの目で、しかとその異色っぷり、ノールールっぷりをご覧ください笑。
こ、これは世紀の大発見か!?
フィンランドにも、とにかく明るい安村がいましたwww
この動画のいちばん最初にあるコメントが、私がいちばん言いたかったことをすべて表現してくれていますね。
私もそう思ってた!!!
世界には自分が抱いていたイメージをも覆す、まだまだ知らないことがたくさんあるんだということを実感しました。
フィンランドの安村(←勝手に命名)のおかげで、歌が全然頭に入ってきません笑。
生放送ならではとでも言うか、仕込みがグダグダに映り込んでいるのも、ますます歌への集中を欠く事態。
笑いすぎて涙止まらず、フィンランドの安村見たいのに見えないプチトラブルも発生する始末。
個人的には優勝してほしい!そうとすら思えるアクトでした笑。
■ハラハラ見守るしかなかったBambie Thug(アイルランド)
今年もう1つの異色バンドです。
とにかく明るい安村を知っている日本の出だからだと思うけど、Windows95manは腹から笑うことができました。
でもアイルランド代表Bambie Thugの「Doomsday Blue」は、正直どん引いてしまいました…笑。
おいおいおいおい💦
全世界で視聴できるようになったとはいえ、大多数の視聴者はクリスチャンであろうここヨーロッパで、国をまたいで悪魔退治みたいな、黒魔術みたいな映像を生放送しちゃって大丈夫?と、ハラハラしながら見ていました。
いや、見守ったと言った方がいいかもしれない笑。
声は悪くない。
デスメタルのような、でもポップでメロディアスな、Bambie Thugは自身のミュージックジャンルをウィジャ・ポップと呼び、様々なジャンルの要素を取り入れたその曲だからなのか、はたまたアクトのインパクトが強烈すぎるからか、ただただ魅入る3分強。
まるでPVのような、生放送のステージ映像とは思えないステージデザインとカメラワークもなかなか見ごたえがあります。
さすがハロウィン発祥国、アイルランド…。
ついそんなことが頭に浮かんでしまったアクトでした。
■英語とフランス語のMIXが耳に心地良かったTALI(ルクセンブルグ)
ここからはマジメにレビューしていきます笑。
イスラエルで生まれ、その後父親の仕事の関係で世界を転々とし、ルクセンブルグには10年間の居住経験あり。
現在はアメリカ ニューヨークで暮らしているという、23歳の彼女を果たして代表として送り込んでいいんかい!ルクセンブルグ!と、若干問いただしたい気もしますが、ルクセンブルグ代表TALIの「Fighter」という曲は、個人的に結構好みでした。
TALIのオフィシャルPVもチェックしました。
個人的にはオフィシャルPVの方がかわいくて好きかな。
気になる方はどうぞ♪
フランス語の可愛らしい発音と響き、いつの間にか混じり込んでくる英語。
声量もありながら、少しハスキーな吐息混じりの歌声もかわいくてゾクゾクしちゃいます。
■そうそう、こういうのが好物でしたBaby Lasagna(クロアチア)
「Thank you, Euro!!」と、歌い終わった後の、ドスのきいたシャウトが完全にメタル風味だったクロアチア代表Baby Lasagnaの「Rim Tim Tagi Dim」。
そうです。私こういうRockも好物でしたと再認識させられたバンドでした。
ラップ調のイントロから、一緒に拳振り上げてシャウトしちゃえるような伸びのあるサビ、Zebrahead辺りを彷彿とさせる、最初から最後まで緩急なしの全力疾走!みたいなこういう曲、意外と好きです!
途中ちょこちょこ匂わせる程度に入ってくるメタル風味もたまらない。
ユーロビジョンでのステージがかなりカントリー調、牧歌的なデザインでしたが、彼らのオフィシャルPVの雰囲気を延長させた感があります。
気になる方はどうぞ♪
■MIKAのオペラ×ヒップホップ版?Nemo(スイス)
第一声を聞いた瞬間から、MIKAが好きな人は初見でもたぶん好きになれる(or受け入れられる)んじゃないかなと思ったスイス代表Nemoの「The Code」。
オペラを勉強していただけあって、途中で見せる高音はおぉ~となります。
これは令和版ポップ職人爆誕か?!(令和てw)と思う間もなく突然曲調が変わってのラップも、これまたカッコイイ!
元祖ポップ職人と言われたMIKAもまた、メロディはキュンキュンなポップでありながらリリックはダークサイド…みたいなところがありましたが、Nemoの「The Code」もそんんな雰囲気を感じました。
ファッションもふわふわポップでカワヨ。
◇ ◇ ◇
私のお気に入りピックアップレビューは以上です。
今回紹介しきれなかった他のセミファイナリストたちも、Youtubeにアーカイブがあります。
気になるアーティストがいたらぜひチェックしてみてくださいね!
2024年、頂点に立ったのは誰?
火曜と木曜のセミファイナルを終え、5月11日(土)スペイン時間の夜、グランドファイナルが放送されました。
もちろんYoutubeでもライブ配信。コメントが流れる速度が半端なく、年齢層はわかりませんけれども、かなりの注目度があったと思います。
会場は今回参加している各国の放送局と中継を繋ぎ、各国の票が投票された直後の結果が以下です。
この後、視聴者からの投票(Public Vote)の結果が発表され、票数が追加されていきます。
票数は最下位のエストニアから順に、上の国、上の国と発表されていきます。
ここで順位がひっくり返される場合もあるので、出場アーティストも視聴者もドッキドキの瞬間です!
もはやお約束?!今年のスペインは?0ポイント獲得国は?
今年は最初から票が入らない0ポイントスタートの国はなかったようです。
スペインは安定の低空飛行です笑。
結果を言ってしまうと、Public Voteではたった11ポイントしか獲得できず、トータル30ポイントでAdiós!
今回のスペイン(前回も前々回も知らんけどw)は贔屓目に見ても、なんじゃこりゃ!でした。在住者だから厳しく言ってるわけでもなく、ぶっちゃけカラオケ楽しんでるおばちゃんにしか見えませんでした。
ユーロビジョン舐めとんのか!!
(今まで散々舐めてた自分を華麗に棚上げした上で)
スペインは、ダンサーたちのムダに妖艶に網タイツなお尻がプリップリだったことしか記憶にありません笑。
一応貼っときますね。(しぶしぶ)
そして今年も出ました0ポイント獲得国!
今年0ポイントを獲得したのはイギリス。
私は他に2021年大会しか(ちゃんと)見ていないので、当時も0ポイントを獲得していたイギリスはもはやユーロビジョンの0ポイント獲得要員?お約束なの?なーんて思っちゃいましたが、2022年大会では2位だったというから、どうやらお約束要員ではないようです。
そして、いつも低空飛行だと思っていたスペインも、2022年大会では3位でした。
やはりちゃんと公平に投票されているんですね。
推しの国々の結果は?
さあ、私が上で推していた国々のPublic Vote前の結果はどうでしょう。
個人的にはチャンピオンになってほしいフィンランドは、暫定ブービー。
残念です…笑。
そしてアイルランドがだいぶ上位(暫定6位)に踏みとどまっているのが意外!(そんなこと言っちゃ失礼か💦)
クロアチアがなんと暫定3位!
ルクセンブルグもそこそこ良いところ(暫定11位)にとどまっています。
そして意外や意外?!
スイスのNemoが暫定1位!!
私の目利き…いや耳利きは、意外にもイイ線いってる感じ?(きゃはー☆)
2024年のチャンピオン
Public Voteが着々と発表されていき、私の推し含め、今年は以下の結果となりました。
今年のチャンピオンは、スイス!
Nemoの「The Code」に決定!!
以下、最終結果はご覧のとおり。
Nemoが被っているチクチク感半端ない茨の冠は、アイルランドのBambie Thugから被せられたものです。
天使みたいなNemoの、ポップな衣装とは裏腹の異彩を放っています笑。
Nemoはこの後チャンピオンアクトするのですが、歌い終えた後、最後の最後で、掲げていたマイク型のクリスタルトロフィーを床に置こうとした際に、トロフィーを割りました。
もうさー、Bambie Thugが茨の冠なんか被せるからだよー!もーぅ!
そしてこれを早速スペインのメディアがニュースにしていました。
もうさー、そういうとこだよ!スペイン!
Public Voteのドキドキハラハラ感を全部味わいたい方は、こちらをご覧ください。
おわりに
ユーロビジョンは、国際情勢など主に政治的な批判を受けることも度々あり、今年も「これはオトナの事情か…?」と疑ってしまうような部分が正直いくつかありました…。
でも、それにしてもまさか興味を持つとは思わなかったユーロビジョン、すっかり楽しんでしまいました。
皆さんはいかがでしたか?
「なにそれ?知らなかったー!おもしろそう!」って少しでも興味を持っていただけたら、このnoteを書いた甲斐があります。
ユーロビジョンをテレビ放映だけでなく、Youtubeでライブ配信したことや、世界中からの視聴者の投票を可能にしたこと、参加するアーティストのミュージックジャンルに幅が広がったことから、今後はこの番組も認知度が上がっていくのではないかと思います。
来年ももしYoutubeか他のプラットフォームでライブ配信、そして日本からも見ることができたら、ぜひ一緒に観戦しましょ!