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防災マネジメントシステム

衛星の最新技術は個人的に好きで注目しています。
今回は、防災マネジメントシステムに関するニュースです。

独立行政法人国際協力機構と株式会社Synspectiveは、中米・カリブ地域における情報収集・確認調査パイロット事業の一環として、グアテマラシティの地盤変動に対する衛星活用サービスの実証導入を開始したそうです。

グアテマラ国は火山国のため地震が多く、その他ハリケーンによる豪雨、土砂災害、火山災害など数多くの災害リスクを抱える国です。
グアテマラ国では、地震に起因する地盤沈下及び地すべりなどの地盤変動災害の発生リスクを常に抱えています。

地盤変動災害の発生リスクを把握するために、これまでは現地測量や電子基準点測量などが検討されていましたが、各点における測量データのみの情報しか取得ができず、面的な測量が可能な衛星データを活用した測量事業は一部でのみ行われてきました。
高度な解析技術を要する衛星測量技術の導入は、災害事象及びプロジェクトのみでの活用など限定的で、継続して利用されることはありませんでした。

そこで、高度で専門的知見を要する衛星測量モニタリングを簡易に導入し継続使用できるシステムの構築が広域に防災能力を向上させる上で重要な課題でした。

潜在的な地盤変動災害の危険性を抱えるグアテマラシティを含む首都圏域を対象に、Synspectiveの衛星データを用いて広域の地盤変動を解析し、その結果を提供するソリューションサービス"Land Displacement monitoring"(以下、LDM)を実証導入し、継続利用による測量業務効率化及び潜在的な地盤変動リスクの早期発見に寄与することを目的として実証を開始しました。

LDMの使用により地盤変動災害を特定し、家やビルなど建物の崩壊や、崩壊による経済的損失や住居者の命や身体を災害から保護する可能性をあげる予防保全対策を講じることが可能となります。
また、従来のSAR衛星の解析結果の使用継続性に対してプラットフォームサービスを導入することで、継続的な使用による災害監視及び予防保全につながります。

SAR衛星は天候や時間帯などの影響を受けず地上情報を安定的に取得することができます。
そして、既存の測量手法では各測量点でしかデータが取得できないのに対して、衛星を利用することで不可視領域もデータ取得が可能になります。
時間コスト及び移動コストの面においても現地測量点数の削減が可能となりコスト削減が見込まれ、昨今のコロナ禍において、現在の測量手法では人との接触による感染リスクなどの社会リスクを伴いますが、遠隔測量により現地測量の数を削減でき感染リスクの低減に貢献できます。

LDMを利用するメリットとしては、容易にSAR衛星の解析結果が取得可能となり、専門ソフト等の環境設備や高度な専門知識を必要としない、わかりやすい画面表示にて解析結果を提供します。
また機能面においては、関心領域のズームアップ機能やグラフの自動作成なども可能となり、詳細なデータ確認・分析が可能です。

今の時代にとって、感染リスク低減につながることは重要でです。
そして、より高度な分析ができるようになるのも魅力です。
今後も技術の発展に注目していきます。


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