【海外移住準備6】 ポルトガルのビザを取る
ポルトガルのビザを取ろうとした時、1番必要なものは「情熱」だと思います。「どうしても、ポルトガルに移住したい!」という気持ちがないと、進まない…逆にいうと、それがあれば何とかなる(ような気がする)それがポルトガルという国らしさでもあるように思います。
長くなりますが、私たちがどうやってビザをとっていったかについてまとめます。
トップの画像はビザの話題にかけてピザにしました。いつか書こうと思うのですが、こちらではピザを家で焼くのが割とメジャーなようです。
ポルトガルのビザの種類
ポルトガルに住みたいと考えた時に、考えられるビザの種類はいくつかあります。(この他に、もポルトガル国籍の人と結婚しているとか、色々自分には取るの不可能な種類のものもありました)
就労ビザ
学生ビザ
ゴールデンビザ(不動産ビザ)
D7ビザ
などなど…私たちはD7ビザを取りました。
ちなみに、ポルトガルのゴールデンビザについては検索すると色んな情報が出てくると思います。
リスボン市内は既に地価が高騰しすぎたせいで取れなくなってしまったようですが、リスボン、ポルトおよび沿岸地域以外の都市ならまだ取れるようです。年間7日間いればビザの維持が可能とのことで、複数国に居住権を持ちたい方などには良いのかなと思います。
余談ですが、マドンナはリスボン近郊のシントラ(古都)に別荘を持っているらしいです。
D7ビザを取る
で、D7ビザとは何か。昔はこのD7と呼ばれるビザはリタイアメントビザと呼ばれ、年齢制限があったようなのですが、今は何歳でも大丈夫になりました。ポルトガルの雇用を奪わないでポルトガルで生活できる人に向けたビザのようです。
そして、ビザ申請時に提出が求められるのは、以下のものでした。(そして、私が申請した2021年夏のタイミングの情報です)
申請書(何枚かありました)
パスポート(3ヶ月以上残っているもの)
証明写真
無犯罪証明書(アポスティーユ付き)
戸籍謄本(アポスティーユ付き。英語かポルトガル語訳を付ける)
保険書類
ポルトガルでの滞在を可能にする経済状況の証明書類(英語かポルトガル語)
ポルトガルの居住証明(住む予定の場所があることの証明)
経済状況の証明書類
この中で「ポルトガルでの滞在を可能にする経済状況の証明」が大変でした。年金生活者の方はそれで良いそうなのですが(定期的に、確実に一定額収入があることが求められるようだった)そうではない場合はちょっと大変で、我が家は収入を2年間(とりあえず2年でビザを申請したため)証明するという形で、大使館の方にアドバイスを頂きながら書類を揃えました。
あと、銀行の残高証明(英語版&ユーロ換算額を参考までに併記してもらう)もこの「経済状況を証明する書類」の一つとして出しました。銀行によっては時間がかかるので注意が必要です。そして、わざわざ店舗に足を運ばなければいけないのが面倒…ソニー銀行のように店舗を持たない銀行はオンラインのやり取りで直ぐに出せるようです。
無犯罪証明書
無犯罪証明書は私は東京都在住だったので警視庁に取りに行きました。そして指紋を取られました。人生初の体験。
証明書の作成依頼をしに行く時(指紋とられる)と、受け取り時と2回足を運ぶ必要があります。桜田門のすぐ近くなので「桜田門外ノ変の桜田門だ!」とミーハーにも帰りに門の前で写真を撮ったりしてしまいました。
戸籍謄本とアポスティーユ
戸籍謄本は本籍地から郵送で手配して準備しました。(とにかく色々時間がかかる!)そして、取りに行った無犯罪証明書と共に外務省に送り、アポスティーユをつけてもらいました。
アポスティーユとは、日本のお役所で作られた公的な書類に外務省がお墨付きを与え、海外でも正式な書類として使えるようにしてもらうこと。(正式には以下のリンクでご確認下さい)
こちらは無料でやってもらえるのですが、コロナの影響で基本的には窓口ではなく郵送でとのことで、レターパック使って送りました。(返信用レターパックを二つ折りにして入れて送る。この方法は今回のビザ取得時のさまざまな場面で使った気がします)
警視庁と外務省はとても近いので、コロナが無ければ警視庁で無犯罪証明書を受け取った足で外務省へ向かうと効率が良いのでしょうけれど、わざわざ郵送しました。これは状況次第で変わるかと思います。
ポルトガルの居住地
ポルトガルで住む予定の場所を書かなければならないことも、一つのハードルでした。「住む場所は行ってから探したいよ」と思いまして…
賃貸契約をオンラインでしなければならないのか?と思ったものの、どうやらとりあえずの住所でも大丈夫とのこと。
ちなみにそのとりあえずの期間とは4ヶ月程度。D7ビザの有効期限の間の居住地というイメージ。D7ビザはその後現地で居住許可を取るために日本から渡航することを認めてもらうビザ。その後に現地の居住許可を得るためには賃貸契約をした契約書の原本を提示する必要があります。D7ビザの有効期間中に必ずどこかで家を借りなければ居住許可は貰えません。
話は戻って仮住まいの探し方についてです。エアビー(AirBnB)で借りてそこの住所を書こうかと最初は考えました。
しかし、いつ取れるかもわからないビザ。(一応、希望日を書くけれどその通りになるかは申請段階ではわからない)その予定を見越して予約しておくにはエアビーはキャンセル料が取られるまでの期間が短すぎることが判明。(長期滞在だと48時間以内かつチェックイン28日前までにキャンセルしないとかなりの金額を失うことになる)
ホテルならどうかと色々なサービスを見てみたところ、Agodaだけは長期間の予約に対応しつつ、直前までキャンセル無料の宿がありました。これならどうなるかわからない状態でも予約できる。
ちなみに、Booking.comでは最大28日とか30日とかの予約までしか出来なかったので、サービス次第で色々違うことを知りました。
Agodaで予約したホテルでD7ビザの申請を通そうと思って準備をしていたのですが、結局はポルトガルに住む知人が「住所を書いてもらって良い」と言ってくれたのでそこを書かせてもらいました。なので、最後までこの方法で行けるかは結局わからないままです。確証もない情報を長々とすみません。上記の情報はご参考までに…
安全策を取るならば、賃貸契約して行ったほうが良いのかなと思いますが、難しいですよね…
保険
海外用の保険をこちらは最低1年は契約しておかないといけないとのことでした。これは4ヶ月ではダメで1年分必要とのこと。我が家はコストを抑えることに全力を注ぐので(ここまでの流れで何となく察しがつくかと思うのですが)ここでも色々と調べました。
日本の保険会社のものはやはりとにかく高い…手厚いし、日本語での対応という安心感がありますが、高い。
そこで知ったのが「Safety Wing」と「Step in」でした。
Safety Wingはアメリカの保険会社で、ノマドワーカー向けとしてやっているようでした。私が思う1番の特徴は「大人一人につき子供(10歳以下)一人保険料無料で同等の保険がついてくる」というところでした。しかもかなりお安い。(目的地の場所や期間、保険の付け方で値段は変わってくると思うので調べてみてください)そして、鳥のキャラが濃い。脳裏から離れない擬人化された鳥に勝手にアメリカらしさを感じていました。
Step inはドイツの保険会社。私にとって最大の特徴は「日本語サポートがあること!」料金は Safety Wingよりお高いですが、日本の保険会社のものと比べたら格安でした。
結局我が家は値段を取ってSafety Wingにしました。いざという時に英語のやりとりとなることは少し不安ですが、陽気な鳥に運命を委ねることにしてみました。
パスポートと証明写真
地味な話ですが、パスポートも申請から受け取りまで時間がかかるし、受け取りも郵送不可というあたりできちんとスケジュールに入れておく必要があるかと思います。パスポートセンターも混んでいると結構待つので大変です。しかし、コロナの影響で私たちがパスポートを有楽町に取りに行った時には、待ち時間0でした。あんなに空いているパスポートセンターは初めて見ました。子連れには助かりました。
証明写真も併せて撮りました。ここでのポイントとしては「ビザ取得後も証明写真は色んな場面で必要だから、写真は必ず取っておくべし」ということです。先ずは国際免許証を取る時に証明写真が必要だったり、ポルトガルの移民局での居住申請やポルトガルのSuicaを作る時(写真が無くても紙っぺらのタイプのSuicaなら作れる。ハードなカードタイプでは写真が必要)に…と何かと証明写真が必要になる機会は多いです。
最近、証明写真の機械によっては紙出力と同時にデジタルデータも手に入るものが多いようなのでそれをやっておくと良いかと思います。こちらは日本よりデジタル化は進んでいるので、銀行口座開設など、窓口に行って手続きする際に「必要書類はこのアドレスに送って」と窓口に書かれているアドレス宛てに目の前でデータを送るということが度々ありました。(手続き自体は窓口に行ってやるんですよね、しかも結構待たされたり…そこら辺はアナログ)紙でも良いのですが、Google driveなどに色んな書類データを入れておいてスマホでその場から送ると便利。
ただ、証明写真のデジタルデータ受け取りには有効期限があるので要注意です。ちなみに私はポルトガル来てからダウンロードしようとしたら期限が切れてしまっていました…
申請書(ラブレター)
ポルトガルのビザ申請書の特徴の一つは「なぜポルトガルに住みたいのか?」について書くことを求められているところだと思います。
「ポルトガルへの熱い思い」と「私はポルトガルにとって害を与えない人間です。お金もあるし、身分もちゃんとしてます」ということを伝える必要があります。文章は英語で大丈夫です。
うちの夫はポルトガルへの思いが溢れすぎてしまい、初稿を大使館の方にお見せした時に「この部分(思いの部分)は半分くらいにぎゅっとして、残りの部分(大丈夫な人アピール)をもっと充実させましょう」とアドバイスを頂きました。
機械的に条件だけで入国する人を見るのでは無くて、人間的に文章を書かせるというところにポルトガルを感じます。(他の国もそういうものなのかもしれないです)そのラブレターにどれほどの効果があったかは分からないのですが、我が家は比較的スムーズにビザを取得することができたと思います。
大使館へ
ネットなどで得られる情報には限りがあるので、とにかく大使館に直接行って相談しながら資料を仕上げていくことをお勧めします。
なのですが、そのための道のりが大変です。面談の予約をとるには電話をかけないといけない。そのための電話がとにかく繋がりにくい。昔、チケットぴあに電話していた感じを思い出します。そしてたとえ電話が繋がっても忙しそうなのでゆっくりは話せません。繋がったら聞きたいことをメモして電話する感じでした。(電話だと少し緊張感漂うのですが、直接相談に伺うと大使館の方々は親身になってくれました)
ビザのことなのできちんとした情報へのリンクを!と思ったのですが、在日本ポルトガル大使館のホームページ(日本語版)今お休み中なのですね…Twitterはありましたのでリンクを挿入しておきます。
ここまでの道のりを改めて振り返るとかなり大変だったなと思います。でもここまでやらなくても、移住エージェントもあるようなのでそういう所を活用するのも良いと思います。
我が家は基本的に全部自前で頑張るポリシーだったので色々大変でしたが、学びもたくさんあったし、ポルトガルに一歩一歩近づいている感触を得られたのは良かったです。
次はビザ取得後にやったこと(航空券の取得や転出に備えた動きなど)について書いていきたいと思います。