夏野菜をしっかり食べよう!Ratatouille
前書きー時候の話及びラタトゥイユとは
5月に入るとフランスはグッと暑くなります。フランス人に聞いたところ、どうやらこの5月は特に暑いらしく、半袖はもちろんのこと、既にタンクトップやキャミソール、短パン姿で街を歩く人が目立ちます。……真夏はどうするんだろう?ちなみに私は5月半ばまで長袖長ズボンで、6月に入った今は半袖長ズボンです。
外が暑くなってくると、スーパーにも夏野菜が並び始めます。私がフランスに来た当初に比べて、トマト(Tomate)、ズッキーニ(Courgette)、ナス(Aubergine)、キュウリ(Concombre)、ピーマン/パプリカ(Poivron/Paprika)の売り場面積が広がっています。逆に、冬の間ずーっと食べていたキャベツ(特にChou blanc)は一番安いスーパーでも1玉0.99€から1.99€へと値上がりしています。旬を過ぎたので仕方がないのですが。
夏野菜を見ると食べたくなるのが南フランス、プロヴァンス地方発祥の料理、ラタトゥイユ。フランス語ではRatatouille、女性名詞です。ちなみにラタトゥイユをフランス語の辞書で引いてみると、話し言葉で「不味い料理」という意味もあるとわかります。刑務所で出されていたスープがラタトゥイユと呼ばれており、それが現在の話し言葉として残っているようです。
さてさて、このラタトゥイユ。フランスではかなりメジャーな料理なので、実は作らなくても缶詰で売っています。鍋や電子レンジで温め直せば調理終了。なんとも簡単です。
ただ、私個人としてはやはり自分で作るラタトゥイユは、当たり前ですが自分好みになっているので好きです。私の好きなラタトゥイユはトマト強め、具材ゴロゴロ、汁気少なめ、です。量もたくさん作れるし、汁気が少ない方が腐りにくいので、ちょっとドロッとしているくらいが夏場は安心です。食べる時に加熱して食べるのであれば1週間くらい持ちます。
というわけで、今回は私が好きなタイプのラタトゥイユのレシピを紹介します。
材料, Ingrédients:鍋20cm目安
トマト缶, Tomates entières pelées au jus:800g
ズッキーニ, Courgette : 2本
ナス, Aubergine : 1本
赤/黄/橙パプリカ, poivron rouge/jaune/orange : 2個(好きな色を選んでください)
タマネギ, Oignon:2個
コーン缶, Maïs doux:300g
オリーブオイル, huile d’olive : 大きめのスプーン1杯程度
塩胡椒ハーブ等はお好みで
道具, Ustensiles
鍋, casserole/cocotte(レシピは20cm想定)
ボウル, saladier
ザル, Tamis/égouttoir
※包丁、まな板等はもちろん必要です。
作り方, préparation
タマネギは皮を剥いて小さめの角切りにする。ナスやズッキーニはやや大きめに角切りにする。パプリカはヘタとワタを取って角切りにする。コーン缶はザルに空け、簡単に洗って水を切っておく。
オリーブオイルを引いた鍋に玉ねぎ、ナス、ズッキーニ、パプリカ、コーン缶を入れて炒める。
野菜に火が通ったら、トマト缶からトマトだけ取り出して鍋に入れる。トマトを潰しながら加熱を続ける。
缶に残ったトマトジュースを鍋に入れ、煮詰めていく。
汁気がなくなってきたら出来上がり。お好みで塩コショウやハーブ、チーズなどをかける。
アドバイス, conseils
ナスやズッキーニは加熱すると水分が出て縮んでしまうので、少し大きめに切っておきましょう。
野菜を炒めている間に良い出汁が出るのでブイヨンは基本不要ですが、物足りない人は鶏ブイヨンを入れてください。
パプリカはPaprikaと書かれている場合もあれば、Poivron○○(日本でいうカラーピーマン)と表記されている場合があります。
仮に3色セットのパプリカを買ったとしても、緑は絶対に入れないでください。ラタトゥイユ全体が苦くなります。
時間が経つと汁気が出てくるので、時々加熱して水分を飛ばしてください。
ラタトゥイユが一品あるだけでご飯がとても豪華になります。単体で食べても美味しいですが、ポテトチップスやトルティーヤチップスをディップして食べても美味しいですよ。また、キッシュの具にしたり、焼いた魚にソースがわりに使ったり、パスタのソースがわりにしたりと、アレンジが効くので一度作るととても重宝します。
日本の夏は茹だるように暑いですが、ヨーロッパの夏は日本より湿度は低いけれど、日差しは日本よりもギラギラとしていて、太陽に当たると疲れます。どちらにしろ、ラタトゥイユを食べてしっかり夏バテを予防しましょう。
Bon appétit!