中学受験:食塩水をてんびんにかけて
乾杯〜!!!
と、食塩水でする人はあまりいないのではないでしょうか。
海水には、主成分の水に対して、およそ約3.5%の塩分が入っていると言われています。 世界のエリアごとによって、この海水の塩分の濃度は変わります。
例えば、ヨルダンとイスラエルの間にある、あの有名な「死海(The Dead Sea)」では、湖水中の塩分濃度は約30%と、普通の海水の、なんとおよそ10倍! ここまでくると、死海の水は、しょっぱいというレベルではなく、苦く感じるとのこと。
この塩分濃度が原因で、浮力が大きいため、人間も浮かぶ、というよりは、沈めないのが死海です。
さて、この食塩水ですが、中学受験の算数では、食塩水に関する問題は、頻出です。 大まかな解き方としては、以下の3通りになります。
① 食塩の量を考える方法
② 面積図を使う方法
③ てんびん図を使う方法
3通りのどれを使っても解ける問題もありますし、①の食塩の量で考えていくと、中学で習う連立方程式の知識が必要になる場合もあります。
そのような時は、たとえ方程式の解き方を知っていても、面積図かてんびん図を使って解いた方が、シンプルで、速く解ける場合が多いですね。
個人的には、てんびん図を使って解けそうであれば、てんびん図を使って解くのが好みです。 面積図を描くのが面倒なだけとも言えますが。。。
進学塾でも一番最後に習うことが多いと思うので、お子さんによっては、「てんびん図は、ちょっと、、、」と思ってしまうお子さんもいるかもしれません。
今回は、てんびん図を使って解ける問題を一緒にみていきましょう。 渋谷教育学園渋谷中の2021年の問題です。
問題
2%の食塩水に7%の食塩水を加えると、5.6%の食塩水が500g できました。7%の食塩水を 何 g 加えましたか。 (渋谷教育学園渋谷中 2021年)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
さて、まずは、てんびんとして、横線を引き、どこか線の途中に支点(混ぜて出来あがった食塩水の濃度と量の点)を描きましょう。
線の上部は濃度、下部は食塩水の量になります。
線の左端に、低い方の濃度(2%)を、そして右端には濃い方の濃度(7%)を書きます。そして、混ぜた後の濃度(5.6%)も、出来あがりの点に書いておきましょう。
今回の問題では、食塩水の量は、出来上がりの量の 500g しかわかっていないので、それを出来あがりの点の下部に。
濃度はすべてわかっているので、濃度の差を計算しましょう。
5.6 - 2 = 3.6% と、7 - 5.6 = 1.4% で、この比は、3.6 : 1.4 = 18 : 7 になります。
これは、「比」とわかりやすいように、比の値を○で囲みました。
さて、ここからが重要なポイントです。
食塩水の濃度の差の比(てんびんの上部の比)と、食塩水の量の比(てんびんの下部の比)は、逆比になります。 この場合、上部は、左:右=18:7 ですので、下部は、左:右=7:18になります。
そして、出来あがりの食塩水の量の 500g の比は、7+18=25 となります。 この 25 という比が、この問題では 500g ですので、求める 7% の食塩水の量は、その比が 18 なので、
となります。
何度か練習しますと、スラスラ解けるようになると思います。 てんびん図の理解を深め、上手く活用できるように身につけてください。
動画もありますので、よろしければ、ご覧ください。