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そうだ、博士留学行こう!(後編)

この後編では次の順番で解説していきたいと思います。

  1. 情報収集

  2. 戦略立案

  3. 研究計画・履歴書

  4. 推薦書

  5. 応募・面接

  6. 注意点

情報収集
博士課程進学を検討し始めたのは2021年初頭あたりでした。当時博士課程に在籍していた大学の同期や、趣味仲間の博士課程修了者の方々に連絡を取り、どういった選択肢があるのかということの情報収集を始めました。主だったものを上げると、
a. 欧州の博士課程の仕組み
b. 奨学金・研究費
c. 博士課程への応募の仕方・時期
d. 必要書類(研究計画書・履歴書等)の準備方法
e. 可能性のありそうな大学・研究室のリストアップ
などです。
やはりこの段階においては、なんとかして博士課程経験者や博士課程留学経験者に話を聞くのが一番です。何としてでも経験者を見つけて話を聞きだしましょう。身近にそういった知り合いがいないという人は、大学が開いている留学相談会や奨学金団体が催している説明会に参加するのでもよいと思います。ここで、自身に一番合った博士課程留学の選択肢が何なのか、それに必要なものは何なのかを徹底的に調べるのが重要です。既に先述しましたが、少なくとも博士課程は研究室が共同研究等のプロジェクトでお金をもらっていて研究員学生募集をしている場合と奨学金等の持参金があれば受け入れてもらえる場合の2種類があります。ですが、この2つは応募にあたっての戦略が大きく変わってきます。注意して情報収集に当たってください。
また、重要な点として、一部の欧州の博士課程は日本の博士課程と違って大学院試験を受ければ博士課程に進めるという単純なものではない、ということを頭に入れておく必要があります。基本的に入試というものはないという国も多いと思います。ですが、代わりに奨学金がなければ受け入れてもらえないというところは多いですし、給与が出る場合でも共同研究のプロジェクトの空席がなければ採用枠はありません。いくら優秀で学術業績があっても、お金がなければ受け入れてもらえないわけです。特に、ドイツはこの傾向が顕著です。ですので、可能性のある奨学金については可能な限り応募資格、応募方法、時期を調べましょう。逆に、一部の国、例えばポーランドであれば、持参金がなくとも研究室の教授がOKをくれれば受け入れてもらえる可能性があります。ただし、この場合は給与は出ませんし、あとから自ら奨学金や研究費に応募していかないと自身のやりたい研究はできない可能性があります。

研究費・奨学金中心で少し書きましたが、まれに授業料の納付が必要、という場合もあります。このパターンでは、受け入れ自体はOKだが、学費が高いので、それをどうやって工面するのかが決まってからでないとむつかしい、と言われる場合が多いと思います。ドイツやオーストリアの場合、博士課程で学費が必要、ということは少なくとも公立の場合ないと思いますが(オーストリアの場合、学期登録料と学生自治会名目で20ユーロ程度です。)、例えば北欧の大学等の場合、EU圏外からだと高額な学費がかかるので奨学金等を取ってほしいといわれる可能性があります。これらも踏まえて奨学金については考えると良いと思います。

そして、これら奨学金制度等を調べつつ、やはり可能性のありそうな大学や研究室、先生方をリストアップするのがオススメです。調べ方は何でもよいと思いますが、Google ScholarやResearch Gateで興味のある分野の論文を検索して論文の筆者の先生をしらみつぶしにリストアップするでもよいですし、行きたい国を絞ってWikipedia等のその国の大学一覧から大学を一つずつしらみつぶしに研究室や研究成果を調べるでもよいと思います。(ちなみに私はこの全部をやりました。)

ここから先は博士課程に行く覚悟のある人にだけ読んでほしいので、ちょっとだけスズメの涙程度ですが有料です。

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