湖のほとりで、たおやかな呼吸を
私の大好きな場所をイメージしたら、こんなタイトルになりました。
初めての旅で心の全てを虜にされた場所。それからずっと、恋い焦がれています。
ここ日本と大きな空で繋がっている、海と国境を超えた場所。
何故そこにワーキングホリデーしなかったのか。私もそう思います。
でも自信がありませんでした。人より羊が多い場所で、英語力も専門的スキルもない私が仕事を見つけられる自信。かといって、ファームジョブでルームシェアのアコモデーションに住みながら24時間ひとりの時間がない生活をする自信もありませんでした。
そして、あんなに好きになれる場所は他にない。と自分の心は知っておきながらも、1ヶ国しか知らないより他も知った方がいい。と思う自分がいたのも事実。でも結局、他の国を知って、違う街に住んでも、それはアップデートされませんでした。
また、行こう。そう思っていました。
しかし、世界がこんなことになるなんて、微塵も思っていませんでした。
今は閉ざされてしまっている境界線。だけど、私はきっと、いつかどんなカタチかで、またあの場所に帰るんじゃないかという気がしています。
当時、その場所から帰国した際、一緒に旅行をしてくれた友人に冗談混じりに伝えました。「私、魂置いてきちゃったから、また取りに帰らなきゃ〜」本当に、ただの旅にせよ、生活するにせよ、いずれにしても、必ずまた訪れたい。そんな場所です。
大好きすぎて、周囲の方にもよくその魅力を力説してしまいます。「観光大使に任命します!」「よろこんで!」という妄想はもう何度もしました。
高く青く澄んだ空。キレイな湖のその色は、人が本来持っている心の豊かさを表しているかのようで。のびのびと育った大きな大きな植物。もふもふの羊たち。満点の星空。やさしく陽気な人々。
そうか。こんな場所があったんだ。こんなにも美しく、たおやかな場所が。そのすべてに感動して、心を動かされました。
「何もない」が、「ある」場所。
豊かさの本質に気付かせてくれた、大切な場所です。