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「ぽっぺのひとりごと」(4) ボランティア活動

市立図書館で絵本を読んだり、紙芝居をしたりしている。もう33年になる。
きっかけは周囲が田畑の田舎に小さな図書館(分室)ができたこと。それまでは巡回図書館車を利用していたので、1時間に1本しかないバスだけど、乗って行くのが嬉しかった。
利用者として訪れたピッカピカの図書館のカウンターで、館長さんから、「誰か、ここで読み聞かせのボランティアをやってくれそうな人を知りませんか。」と訊かれたので、「私でもいいですか。」と、自ら「志願」したのだった。
毎月第2日曜日、午前11時からの30分間が私の舞台。20数年間、1回も休まず続けた。館長や司書さん達は移動でコロコロ変わったけれど、私はずっと続けた。なぜかって? 一言で言えば、楽しかったから。

私は人を喜ばせるのが大好き。誰かの笑顔が私へのごほうび。私が楽しんでやっているパフォーマンスを楽しんでくれる子供達がいる。それは私にとって大きな喜びとなり、いつしか、私の生き甲斐となった。

恐竜大集合!

アパートを出て行かなければならなくなり、田舎から、ちょっとした町に引っ越した。図書館が遠くなった。バスの便も悪い。
何と幸運なことに、バスで15分くらいの所に新しい図書館ができた。2012年から、その図書館に通っている。
田舎の図書館は狭くてワンルームだった。紙芝居をしている時、「ウルサイ!」と、おじいさんが怒鳴り込んできたこともある。でも、町の図書館は3フロアもあり、子供、一般、学習室と、階が別々だ。
もう一つの違いは、田舎の図書館はお客さんが多く、その9割が常連さんだった。それに対して、町の図書館はお客さんが少なく、常に顔ぶれが違う。
あ、それに、付き添いがママだけだった前者に対して、後者はパパ率50パーセントだ。

コロナで休止になった約2年間は寂しかった。それまで時々お呼びがかかっていた小学校や保育園にも行けなくなった。
私は小・中学生に英語を教えていたが、「他の先生と違ってバス通勤だから。感染リスクが高いから。」と、仕事もクビになった。
社会から、「あなたはもう必要ない。」と宣告されたような気持になった。

図書館のお話会は2021年7月から再開された。お客さんは5席限定で連絡先記入。私は二重マスクで紙芝居。「こんな時代だからこそ、うーんと楽しんで帰ってね!」という気持ちを込めて、エナジー全開で頑張った。

ランドセルを折るには3枚必要

10月に入って、「来てくれた子に何かおみやげを」と思い立ち、折り紙の本を借りて、4日間、朝から晩までぶっ通しで100コ作った。そうしたら右肩と腕を痛めてしまい、週1回、リハビリに通う羽目になり、3か月半たった現在も続いている。
朝起きたらもう痛い。歯を磨くのも痛い。左手で書く練習をしているけど、うまくいかない。

アイリス

幸い、折り紙は大人気。パトカー、手裏剣、腕時計。ビオラ、アジサイ、アマリリス。みんな目を輝かせて真剣に選んでいる。
「ありがとう!」「どういたしまして。」
「おもしろかった?」「うん!」

このボランティア、80歳になっても、90歳になっても続けたい。そのためには健康でいなければならない。目と耳と声を、そして、感性を衰えさせないようにしたい。うーん、私って欲張り?

さいごに自作の川柳を。
「知の森を さまよう気分 図書館は」
「本を読む 過去へ未来へ 往き来する」
「読書熱 何度あっても 医者いらず」
「コロナ禍は 本で世界を 駆けめぐる」
「いつだって 理想の人は 本の中」


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