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「ぽっぺのひとりごと」(5) 時持ちさん

スーパーでの買い物を終え、急ぎの用があったので珍しくタクシーに乗った。初老の運転士さんだった。

ダンシング・モンキー

「随分嬉しそうなお顔をなさってますね。何かいいことでもあったんですか。」
「えっ? あ、はい。さっきスーパーで『500円お買物券』が出たんです。ポイントが貯まって。それを使って、今度お米が買えるなあと思って・・・。」
「ほう、それは良かったですね。そりゃ、お金持ちには味わえない喜びですね。」

ハッと思った。ほんとだ。おっしゃる通り。
リッチな人は500円ぽっちで喜ばないだろう。
私ときたら、こんなに嬉しくて、顔に出ていたほどなのだ。

ささやかな事で喜んだり、満足を得られたりするのなら、貧乏暮らしも捨てたもんじゃない。
ありがとう、運転士さん! 気付きを与えてくれて!

人間は4種類に分類できると、何かで読んだ。
(1)金持ちさんーーーお金はあるが時間がない
(2)時持ちさんーーーお金はないが時間はある
(3)貧乏暇なしさんーーーどちらもない
(4)金時持ちさんーーーお金も時間もある

私は時持ちさんだ。叶うならば金時持ちさんが最高だけど、人生、そううまくはいかない。昔は貧乏暇なしさんだった。時間だって宝物なのだから、大いに満足すべきだろう。

忍者手裏剣

本は図書館で借り、10年、20年、30年前の服と、友人のお下がり(素敵な物ばかりで嬉しい)を着ている私は、消費社会からは脱落している。

でも、朝起きたら元気が湧いてくるし、「今日は何が起きるだろう?」と、好奇心でワクワクしてくる。
同じ24時間なら、くよくよせずに楽しく過ごしたい。
人に親切にしたい。
無事であることを日々感謝したい。

さあ、また新しい一日が始まる。

ぽっぺとヘルガ

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