「我が青春のドイッチュラント」(10)番外編 マリンスカ
クルク島のマリンスカ 2日目
始めて耳にしたクロアチア語は少し重たい響きだった。ロシア語にイタリア語の軽やかさを混ぜたような感じ。
「ありがとう」は「フヴァーラ」
「すみません」は「オプロスティテ」
「おはよう」は「ドブロ・ユートゥロ」
「こんにちは」は「ドバル・ダン」
「こんばんは」は「ドブロ・ヴェーチェ」
「おやすみなさい」は「ラク・ノーチ」
「さようなら」は「ドヴィヂェーニャ」
そして、通貨はクーナ。(1クーナは約19円/2023年からユーロ)
マリアは色々教えてくれた。
疲れていたけれど、洗濯をしてテラスに干した。
デッキチェアに腰かけ、海と町を見下ろした。
オレンジ色の瓦屋根が連なり、糸杉がアクセントになっている。
心に沁みる美しさだった。
「私はこの景色を決して忘れない!」と思った。
マリンスカ 3日目
朝食後、郵便局へ。「ドバル・ダン!」と挨拶し、日本への絵葉書を差し出し、切手を貼ってくれた局員さんに、「フヴァーラ!」と言った。彼女は目を丸くしていた。
どこといって目的を決めず、マリンスカの町を味わうかのように歩き回った。
教会を見つけた。聖ニコラス教会。クロアチアはカトリック信者が多い国だが、ここの教会は外観も内部もシンプルな造り。危機を切り抜けられたことを神に感謝し、旅の無事を祈った。
南欧風な家が多く、あちこちでイチジクの樹を目にした。刺繍の肩掛けをしたおばあさんが、道端や海岸でイチジクを売っていた。
お昼はピザを食べることにした。Sサイズを注文したのに随分デカイ。半分食べたところで苦しくなったので、残りを包んでもらい、夕食にした。
ピザ屋さんでも、水を買った酒屋さんでも、「ドバル・ダン!(こんにちは)」と「フヴァーラ!(ありがとう)」を連発。
海を眺め、ぼーっとしているだけで、満ち足りた気分。
マリアは「9月の海が好き。」と言っていたっけ。バカンスが終わり、観光客がいなくなった海辺はとても静かで素敵だって。
「今度は9月に来てね。来られたらだけど・・・」
また来たい! そしてチェチリアに泊まりたい!