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ルックバックが刺さらない

私にはルックバックが刺さらなかった。

インターネット上では「ルックバックが刺さらない奴は何かに必死に打ち込んだ事がない人。この物語に感動できる人生でよかった」というコメントも見かけたけど、それは違うと思う。

仕事中毒でボロボロになってしまった新卒時の上司をはじめ、昔いた界隈で創作をしていた人、士業で独立しようとした人……と「何かに打ち込み過ぎておかしくなった人」の姿を何度か見てしまった(私自身もなりかけた)ので、この手の話があまり刺さらない。私は過去に見た景色から、闇雲な努力を信用していないのだ。

努力の危うさというか、挫折しても、元のルートに戻れるならまだいい。
厄介なのは元のルートにすら戻れなくなり、努力の日々を後悔する人の姿。なんか悔しいよね。

また作中の人物は、努力が生きてる間に評価されただけでも、恵まれた人生だと思うけれど、評価に浮かれて心身削りすぎてもならぬ。命は大事に生きてくれ。

だから私にはルックバックが刺さらなかったし、仲間にはチョッカイを入れながら、視野が狭くならないよう、色々連れ出す。叱りもする、闇雲な努力から遠ざけもする。
苦しむ人を見たくないからこそ、私なりの「ルックバック」行為。

本筋の感想からは逸れてしまうけれど、周囲の人には健全に生きていてほしい。

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