
感嘆文 “What (a) … !” を「美女と野獣」から引用して、深掘りしてみました。
今回も洋画のセリフの中から使える表現を取り上げて解説したいと思います。
魔女の呪いによって、フットスツールへと変えられたサルタンが椅子に座ったモーリスの足を支え、呪いでコート掛けの姿になっているコートラックにマントを脱がせてもらい、モーリスは有頂天になっているシーン。
モーリス: Well, hello there, boy. What service! (やあよろしく。ありがたい)
コグスワース: All right, this has gone far enough. I'm in charge here, and- (やめろ。この執事が)
① What service!「ありがたい」
感嘆文で、直訳は「なていうサービスなんだ!」です。What a service! と “a” をつけることもあります。でもこれだけではいいサービスなのか悪いサービスなのかわかりませんよね。
ということは、文脈によって判断すると思われるかもしれませんが、そうではなく、この “What service!” は、「なんて素晴らしいサービスなんだ!」という意味でのみ使われます。
ですから、よくないサービスの時には、”What (a) terrible service!” などと言わなければなりません。
英語の面白いところでもありますが、難しいところでもありますね。
この What service! を使ったダイアログの例は次のとおりです。
Customer: Excuse me, can I get a refill of my coffee, please? ( すみません、コーヒーのおかわりをお願いできますか?)
Waiter: Of course, sir. I’ll bring it right away.
( もちろんです、すぐにお持ちします )
Waiter: Here you go, sir. ( はい、どうぞ )
Customer: Wow, that was quick. What service! ( わあ、早いですね。何てサービスがいいんだ!)
What ...! で始まる感嘆文では、What service! のように「どんな(サービス)」が省略される場合もよく見かけます。例えば、
大物芸能人の大豪邸を見て “What a house!”
大感動の映画を見て “What a movie!”
可愛い猫を見て “What a cat!”
盛り上がりMAXの party に “What a party!”
などなどいろんな場面で使えます。
次の表現はどうでしょうか。
What a day!「なんて日だ!」
これは某芸人の決めゼリフで、以前よくテレビで聞きましたね。
ただ What service! や What a house! などと違って、What a day! は「いい日」でも「悪い日」でも使うということです。
これは「なんちゅう日だ!」という日本語からもわかると思います。
② this has gone far enough.「やめろ」
モーリスがビーストの椅子に勝手に座って、城のキャラクターからサービスさえ受けているのを見かねて、コグスワースが言った言葉です。
直訳は「これは十分遠く (far enough) まで行った」ですが、よくわかりません。
「十分遠くまで行った」というのは、「もうこれ以上は行く必要はない」ということで、そこから
「これ(モーリスへの過度なサービス)はもうここで終わりだ」
という意味になるわけです。字幕の「やめろ」もうなずけますよね。
でも go far enough も一つ一つの単語は難しくないのに、意味がパッととりにくい表現だと思いませんか。
この go far enough を使った例文は次のとおりです。
A: I think we’ve talked for long enough. ( もう十分話したと思います )
B: Yes, we’ve gone far enough. ( そうですね。もう終わりましょう)
“have (has) gone far enough” は、「何かを十分やったのでもう終わろう」というイメージで覚えておくといいと思います。
I think my article has gone far enough. So I’ll finish writing it.