【第86回】ディズニー映画「ベイマックス」の色々なシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。
フレッドが落ち込んでるヒロを励ましているセリフです。
“英借文” という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
”英作文“ の間違いではありません。”英借文“ というのは、その名の通り「英語を借りて文を作る」ことです。「これは面白い」「これは使える」と感じた英語を抜き出して自分で英語を作るのです。
例えばこのフレッドのセリフですと、If I could have only one superpower right now, it would be the ability to …「もし一つだけ超能力があれば…する能力だろう」の、…の箇所に英語をいろいろ入れて仮定法の英文を作るのです。
例えば、
If I could have only one superpower right now, it would be the ability to fly anywhere.「どこにでも飛んでいける能力 」
他にも、to read minds ( 読唇術 )、to heal any illness ( どんな病気も治せる能力 ) などいろいろと考えられます。
“英借文”は思った以上に英語の定着に威力を発揮しますので、「この表現!」と思ったら“英借文”をおススメします。
stubbed my toe「つま先をぶつける」
足のつま先を硬いテーブルの足などにぶつけた時の“耐え難い”痛さは誰にでも経験があると思います。あれがまさしく I stubbed my toe. です。
年に数回あるかないかかもしれませんが、あの耐え難い痛みの後に “Ouch! I stunbed my toe.” と叫びましょう。
「ぶつける」は bump もありますが、bump はどちらかというと柔らかいものにぶつける時に使うのが一般的なので、あのひどい痛みを伴うつま先の痛みを I bumped my toe. というのは少し変です。
ここまでは知ってたのですが、stub について新たな発見がありました。
それは、ChatGPT に I stubbed my head on ( ). と( )に入る例を聞いた時にわかったことです。
返ってきた答えは、
「 stub はつま先や指のような小さな体の部分に使われるので頭で使うのは不自然である。頭の場合、hit が自然である」とのことでした。
この stub を複数の英英辞典で調べてみても、確かに「ぶつける」という意味では stub one’s toe しか載っていませんでした。
stub が「ぶつける」という意味なのは知ってたのですが、体の小さな箇所(つま先など)限定というのは知りませんでした。
やっぱり英語って面白いと感じた瞬間です。知らなかったことや誤解してたことが“わかった”時の喜びは格物なものがあります。
倒れた拍子に部屋の中の家具と家具の間に挟まってしまったヒロが、ベイマックスに言った言葉です。
You think? を取り上げましたが、よく使われるのは You think so? ではないでしょうか。
そこで 疑問になるのが You think so? と You think? の違いです。例えば次の会話を見てください。
A: This is the best restaurant in town.
B: You think? / You think so?
Aが絶賛しているレストランに対して B が You think? と聞いてきた場合、「本当にそう思う?」と少し疑いの目で見ています。
「ベストはないでしょう」という感じですね。「そう?」と日本語で言うと疑いの感情が含まれてるのと同じです。
それに対して you think so? は、純粋に「そう思う?」と聞いており、相手から Yes. との返答を期待しています。
ヒロが You think? と言ったのは、皮肉を込めているからです。ベイマックスが倒れているヒロをみて「倒れてる」と当たり前のことを言ったので、ヒロは「そう?」(当たり前だろう)という感じで返しています。
You think so? だと、本当に確認しているようなニュアンスになり、皮肉な感じが弱くなるため、状況に合わなくなります。
こういったYou think? と You think so? の違いもホント英語の面白いところですね。