見出し画像

【第96回】ディズニー映画「ベイマックス」のシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。

ハニー: Guys, you might want to see this.「みんな、ここを見て」

「ベイマックス」

You might want to
ポイントは might で、意味は「…した方がいいかもしれません」です。直訳は「あなたは…したいかもしれない」ですが、もっと言えば、「…したくないかもしれない」が後ろに省かれていると考えると、この表現がとてもソフトな提案になることがわかると思います。

このソフトさは had better (...した方がよい ) と大きく違います。had better は命令に近い強い言い回しです。

ですから、日本で外国の方と話す時、 had better を使う場面なんてほとんどないですが、You might want to ... の出番は結構多いですね。

外出する時、肌寒さを感じたら、
You might want to bring a jacket.「ジャケットを持っていったほうがいいかもしれないよ」

長時間働いてる人を見たら、
You might want to take a break.「少し休んだほうがいいかもしれないよ。」

とちょっとしたアドバイスをしてあげて下さい。相手の意思を尊重してアドバイスを送る You might want to ... です。

あまり使わない表現かもしれませんが、使える場面は数多くありそうなので、どんどん使っていきたいですね。


クレイ: That's right. We were asked to do the impossible. That's what we did. We've reinvented the very concept of transportation. Friends, I present project silent sparrow. 「我々は不可能を可能にしました。輸送の概念を改革したのです。これが沈黙のツバメ計画です」

「ベイマックス」

We were asked to do the impossible. That's what we did. の直訳は「我々は不可能なことを頼まれた。そして、それ(不可能なこと)が我々が行ったことです」ですが、と少し長くなってしまいます。

手短に言うと、「不可能なことを頼まれたが、それを実行した」です。

do the impossible は「不可能なことをする」です。do って便利で、使う動詞に困ったときは do か have でほぼ代用できるかなと… いつも考えています。

That’s what we did. は「それを私たちはやったんです」と訳せます。

That task was really challenging for me, but that’s what I did.「その仕事は本当に大変だったけど、やり遂げたんだ」

「不可能を可能にした」をそのまま訳すとWe made the impossible possible. です。


① クレイ: May I? Extraordinary. I want your microbots at Krei tech.「見ても?素晴らしい。クレイテックに売ってくれ」
② キャラハン教授: You must be Hiro. Bot-fighter, right? When my daughter was younger, that's all she wanted to do. May I?「ロボットファイターのヒロ?娘も昔そうだった。見ても?」
③ クレイ: General, may I? 「将軍のお帽子を」

「ベイマックス」

①〜③は別の場面で出てきたセリフですが、この中に “May I?” が3回出てきています。(太字の部分) ①と②の「見ても?」は「見ても(いい)?」の「見ても?」です。

この “May I?” はその場の状況が明らかな時に使えます。

意味は「ちょっと〇〇してもいいですか?」でいろんな場面で使える英語です。〇〇の箇所は状況で判断します。

① でクレイが使った May I? は、ヒロが持っているマイクロボットを「ちょっと見せてもらえるかな?」という意味で使っています。

② のキャラハン教授の May I? はヒロの発明したロボットを「ちょっと見せてもらえるかな?」という意味で使っています。( ①と同じです))

③ のクレイの May I? は、政府関係者(将軍)が持っている帽子をみて、「あなたの帽子をお借りできますか?」という意味で使っています。

完全な文で書くと May I look at that microbot? や May I borrow your hat? です。

次のようなシチュエーションでも使えます。

机の上に置いている相手の人のペン使いたい時。May I? ( このペン使ってもいいですか?)

重たい荷物を階段から下ろそうとしてる人を見て、May I? ( 手伝いましょうか?)

会議で発言する時、May I? ( ちょっといいですか?)

ホント、いろんなシーンで使える May I? です。


クレイ: Teleportation. The transport of matter instantaneously through space. Not science fiction anymore. Now, we didn't spend billions of tax dollars to teleport hats. 「瞬時に空間を移動するテレポーテーションは、もうSFではないのです。多額の税金をかけた成果を見せましょう」

「ベイマックス」

The transport of matter instantaneously through space.
この matter は日本語字幕に訳されていませんが、物理用語で「物質」という意味があります。

matter に「物質」という意味があるなんて意外ではありませんか?

なぜなら、matter といえば、「問題」や「事柄」という意味で使うのが一般的だからです。実験など物理の分野では substance (物質)と同義語で使われます。

ですから、この The transport of matter は「物質の移動」です。

ちなみに、この「物質」という意味で用いられる matter には a も the もつけず、water などと同じ不可算名詞として扱います。物理の分野なんてほとんど使うことはないかもしれませんが、知識として知っておくと役に立つことがあるので ( 特にリスニング ) 取り上げてみました。

いいなと思ったら応援しよう!