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【第152回】ディズニー映画「Mr. インクレディブル」のシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。

Mr. Incredible: No, there isn’t. In fact, there’s no time at all. 「終わりだ。間に合わなかった」
Mirage: [choking] Please...
Mr. Incredible: Why are you here. How can you...possibly bring me lower? What more can you take away from me? 「何しにきた?これ以上どうやって私を苦しめるんだ?」

「Mr.インクレディブル」

① How can you...possibly bring me lower?
直訳は「どうすれば...私を引き下げることができるのか? 」です。

bring … lowerは「…をより下にもたらす」が直訳です。そこから「…を落ち込ませる」「…を貶(おとし)める」という意味に発展します。これはイメージしやすいのではないでしょうか。

この bring ... lower bring … down と言い換えることもできます。さらに一語で言い換えると humiliate (恥をかかせる)、degrade (評判をおとす) です。

でもこんなビッグワード使わなくても bring … lower という簡単な語を使って表せるので便利な表現です。

She spread lies to bring him lower. 「彼女は彼を貶めるために嘘を広めた」

What more can you take away from me?
「これ以上、私から何を奪うことができるんだ?(何も奪えないよ)」です。そこから「もう俺から奪えるものはない」と言う意味にもなります。

What more can … ? で「もう…できるものなんてない」や「…してもムダだよ」と否定的に訳すと自然な日本語になります。

What more can you ask for? 「これ以上求めても無駄だ」

What more can we do? 「もうできることはないよ」


MIRAGE They might’ve triggered the alert. 「センサーにかかったわ」
Helen (Mrs. Incredible): What?!
MIRAGE Security’s been sent into the jungle. You better get going. 「保安部隊がジャングルへ」

「Mr.インクレディブル」

You better get going.
字幕には表れていませんが「もう行った方がいい」という意味です。better に違和感を感じるかもしれませんが、これは had better の had が省略された言い方です。

正確には You’d better get going. です。でも会話表現としては You better get going. もよく使われます。

get goingleave の類似表現です。leave「出発する」はニュートラルな語ですが、get goingカジュアルな語句で、時には少し相手を“急かす”ニュアンスが含まれます。「ちょっと急いだ方がいいよ」という感じですね。



Helen (Mrs. Incredible): Now our kids are in danger?! 「大変だわ」
Bob (Mr. Incredible): lf you suspected danger, why’d you bring them? 「なぜ連れてきた?」
Helen (Mrs. Incredible): I didn’t bring ‘em, they stowed away. And I don’t think you’re not striking the proper tone here! 「勝手に乗ってたのよ。私を責めるわけ?」

「Mr.インクレディブル」

① I didn’t bring ‘em, they stowed away. 「勝手に乗ってたのよ」
stow [ stóu ] は「(荷物を)詰める」で away は「遠ざかる」なので“詰めたものが遠ざかっていく”イメージをして下さい。

そこから「(船などに)こっそり乗り込む」という意味になります。’em と them は2人の子供です。このセリフは「私が(2人を)連れてきたわけじゃなくて、彼らがこっそり乗り込んできたんだよ」です。

stow away ー あまり聞きなれない熟語ですが、この機会にぜひ覚えておきたいですね。

② I don’t think you’re not striking the proper tone here!
strike a tone で「正しい口調を使う」という意味があります。

ここでの口調とはボブが言った If you suspected danger, why’d you bring them? 「危険だと思ったのに、なぜ子どもたちを連れてきた?」です。

ですから「その言い方、ちょっと口調が合ってないんじゃない?」と訳せます。

実際は、ヘレンは子供達を連れてきたのではなく、子供たちが勝手に機内に潜り込んで( stowed away ) いただけなので、 I don’t think you’re not striking the proper tone here! と言ったのです。 

この文よく見ると二重否定( I don’t think と you’re not striking ) になっています。直訳すると「あなたが適切な言い方をしていないとは思わない」となり、「あなたの言い方は正しいと思う」という反対の意味になってしまいます。

でも文脈的にはその反対で、「言い方間違ってるんじゃないの」という意味でなければなりません。そこで次のように考えると意味が成り立ちます。

「あなたの口調が良くないとは思わないけど(もっと別の言い方あるんじゃないの)」です。こう考えるしかないのではないかと思います。

でもヘレンがムッとしたことを考えると、ストレートに I don’t think you’re striking the proper tone here! というのが普通ではないかと思うのですが… これはなかなか難しいですね。

ちなみに tone を使って I don’t like your tone. と言うと、「その言い方気に入らないね」と”言い方“ (=口調)という意味になります。


GUARD: What the--?! They’re supers! 「スーパーヒーローだ」
GUARD 2: Get the boy! Show yourself! 「捕まえろ!出てこい!」

「Mr.インクレディブル」

物凄い速さで逃げたダッシュに対してガード(衛兵)が言った言葉です。

Get the boy! Show yourself!
Show yourself! 「あなた自身を示せ!」が直訳ですが、そこから隠れている人に対して「出てこい!」という時に用います。

「出て来い」は Come out! が真っ先に思いつくのではないかと思うのですが、この Show yourself! も類似表現として覚えておきたいです。

Show yourself, I know you’re there!” 「出てこい!そこにいるのは分かっているぞ!」

このシーンから少し後ですが、ヘレンを見つけたガード(衛兵)が次のように言いました。

You can’t hide from me. There you are. 「見つけたぞ」

There you are. ー いい表現ですね。いろんな状況で使えますが、I found you. の代わりにカジュアルで使えます。

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