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ディズニー映画「マイエレメント」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート23】

映画「マイエレメント」の中の1シーンです。仕事中にすぐにカッとなってしまうエンバーに対して父親のバーニーが慰めるシーンです。父親想いのバーニーと優しい父親。ほっこりします。

【学習ポイント】
♦️「無料で」は for free だけじゃない
♦️ 抑えきれない感情を表す“英語らしい”表現
♦️ “意外な”褒め言葉
♦️ 責任を引き受ける時の超簡単表現

バーニー: Nice hat, by the way. Let me make you a new batch. On the house. (いい帽子ですね。これは無料でどうぞ)
: Okay. (そう)
エンバー: Sorry, Àshfá.  I don’t know why that one got away from me. (ごめん父さん、私どうしたんだろう)
バーニー: Oh, you are tense because of big Red Dot Sale tomorrow.  It has us all in a broil. I guess. (明日のセールで気が張ってるんだろ。血が煮えたぎっている)
エンバー: It’s just that some of these customers, they get me all… (ああいうお客が来るとつい頭に…)
バーニー: I know. I know. Just do what we practice. You are so good at everything else. (わかってる。練習を続けなさい。他は完璧だ)
エンバー: You’re right. I’ll get it. I just want you to rest. (頑張るよ。父さんが休めるように)
< ちょっとした仕事をし終えて>
エンバー: Mmhmm.  Done. (できた)

映画「マイエレメント」


On the house.「これは無料でどうぞ」
この表現は聞いたことがあるかもしれません。これを言ったのが店のオーナーであるバーニーであるというのがちょっとしたポイントです。

どういうことかと言うと、“on the house” は、バーやレストランなどの飲食店で好意を示したり、もてなしの一つとして無料にする時に使われるからです。すなわち、お店の客への好意やもてなしの一環として行われるのが on the houseです。

ですから、店のオーナーがいう言葉としてピッタリなのです。

It’s on me.”「それ、僕のおごり」という表現がありますが、me なので個人としてのおごりですが、the house となるとそこの建物(お店)のオーナーなどからのおごり(=無料) になるのは、比較的わかりやすいのではないでしょうか。


for free” は単に「タダで」という意味合いしかなく、もてなし等の特別感には触れていない個人としても使われる一般的な英語です。

このシーンでも娘のエンバーのとった失礼な態度に、ショップオーナーの父バーニーはもてなしの気持ちを込めて “on the house” と言ったのです。

② I don’t know why that one got away from me.「ごめん父さん、私どうしたんだろう」
単語一つ一つは簡単ですが、意味がとりにくい表現の一つだと思います。とてもとても英語らしい表現なので使えるようになっていきたいですね。

*get away from …” の away は「離れて」なので、「…から離れる」という意味です。

that one = temper「短気、癇癪」で、直訳は「短気が私から離れた」で、内に隠れていた感情が出てきてしまった場合に用いられ、「短気が抑えられない」という意味になります。

そして “I don’t know why …” とあるので、「なぜ短気が抑えられなかったのか私にはわからない」です。

ただ、get away ftom ... は隠れた感情だけでなく、次のように会話や状況を主語にしても使うことができます。

The conversation got away from me.

は、直訳は「会話が私から離れていった」で、そこから「会話が脱線した」となります。

conversation を situation に置き換えて、

The situation got away from me.

とすると、「状況が私から離れていった」=「状況が手に負えなくなった」となります。

これまで取り上げた表現もそうですが、特に容易な語句で成り立っている英語表現は、直訳をしてそこから“何が言いたい”のかを考えていくことによって理解が深まるのではと思います。

You are so good at everything else.「他は完璧だ」
この表現を取り上げたのは、「これって場面によっては素晴らしい褒め言葉になるかも」と思ったからです。

everything else「他は全て」とは、「エンバーがすぐに癇癪を起こすこと以外は全て」と置き換えることができます。

短気以外は全て素晴らしいよ。だから短気だって必ず克服できるよ。がんばれ!」と娘を激励している父親の大きな愛情を感じてしまいます。

個人的に大好きな表現になってしまいました。ぜひ使っていきたいですね。


I’ll get it.「頑張るよ」
誰かの代わりに責任などを引き受ける時に使える英語です。日本語の「私がやるよ」 ですね。

セリフにあるように手前の “You’re right.” とセットで覚えておくと「その通りね (You’re right.) 。私がやるよ」と使いやすくなると思います。

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