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【第77回】ディズニー映画「ベイマックス」の色々なシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。

ベイマックス:I was alerted to the need for medical attention when you said, "ow." 「あなたの“痛い”という言葉に反応しました」

「ベイマックス」

I was alerted to the need for medical attention when you said, "ow."
アラートと言えば、「Jアラート」「熱中症警戒アラート」など、「何かに注意喚起を呼びかける警報」という意味があります。

英語の alertbe alerted to … で「…(の緊急性)に気づく」で notice の同義語ですが、alert の方が緊急性を感じさせる動詞です。

I was alerted to the need for medical attention when you said, "ow."は、「あなたが“痛い”と言った時、医療の必要性に気づいた

です。「気づく」は notice, be aware of … に今回の be alerted to… も加えて同義語として覚えると忘れにくくなると思います。



ヒロ: What's in the spray, specifically? 「主成分は?」

「ベイマックス」

What's in the spray, specifically?
直訳は「具体的にそのスプレーには何が入ってるの?」ですが、specifically は「具体的に」という意味です。

ベイマックスがヒロの腕に消毒をしようとした時に、ヒロが言った言葉です。

specifically の形容詞は specific で、

Would you be more specific about it?「もう少し具体的に話してもらえますか?」

というふうに使います。



ベイマックス: The primary ingredient is bacitracin. 「主要成分は)抗生物質です」
ヒロ: That's a bummer. I'm actually allergic to that.「残念。アレルギーだ」

「ベイマックス」

That’s a bummer.
あまり聞きなれない表現ですが、「それは残念だね」というとてもインフォーマルで、友人同士などで使われる英語です。

同義語としてThat’s too bad. や That’s a pity. がありますが、両方ともThat’s a bummer.よりもフォーマルな英語です。

That’s a pity. はよく目にしますが、かなりフォーマルなので、友人同士では That’s a bummer. の方が自然かもしれません。



ヒロ: Not bad. You've done some serious coding on this thing, huh? 「やるな。すごいプログラムだ」

「ベイマックス」

Not bad.
「悪くないね」とよく使われる表現ですが、ここでこの表現を取り上げたのは、その日本語字幕「やるね」が素晴らしいと感じたからです。出てきそうです中々出てこない日本語ではないでしょうか。

また、You've done some serious coding on this thing, huh? の直訳は「これにかなりのコードを書いたよね」です。コードというのは言い換えるとプログラムです。



タダシ: Programmed him with over 10,000 medical procedures. This chip is what makes Baymax, Baymax. 「処置方法は1万パターン。このチップがベイマックスの頭脳だ」

直訳は「このチップがベイマックスをベイマックスたらしめている」で、言いたいのは「このチップこそがベイマックスの本質だ」です。

この表現をき聞いた時、ディズニー映画「インサイドヘッド」の次のセリフを思い出しました。(過去の私の記事でも取り上げています)

The point is, the Islands of Personality are what make Riley… Riley!

「インサイドヘッド」

「個性の島こそが、ライリーをライリーたらしめているもの」ですね。

でも同じような表現が出てくると嬉しくなってしまいます。そしてその嬉しいという感情がその表現の定着にも役立っているのを感じます。

次、3回目に早く出会いたいですね…。



タダシ: Yeah, going for a non-threatening, huggable kind of thing. 「抱きしめたくなるだろ?」

「ベイマックス」

Yeah, going for a non-threatening, huggable kind of thing.
go for
…「…を目指す」で、non-threateningは「威嚇しない」= 「安心できる」、そして huggable は hug + able で「抱きしめることができる」= 「抱きしめたくなるような」なので、忠実に訳すと「安心できて抱きしめたくなるようなものを目指して(ベイマックスを作った)」です。

hug 「抱きしめる」の形容師が huggable 「抱きしめたくなるような」なんて意外でしたが、面白そうな英語です。

あの柔らかくてふっくらしているベイマックスを見るとまさしくこの non-threateninghuggable がピッタリですね。



ヒロ: Looks like a walking marshmallow. No offense.「マシュマロと呼んでもいい?」
ベイマックス: I am a robot. I cannot be offended.「全然構いません」

「ベイマックス」

No offense.
悪く思わないでね」という意味で、これから言おうとする前に言うこともできますし、このセリフのように、言った後に付け加えることもできます。

No offense, but I don’t think you’re being fair.「悪く思わないでほしいんだけど、でも君はちょっと不公平じゃないかな」

I don’t think your idea might work. No offense.「君のアイデアはうまくいかないかもしれないね。悪く思わないでよ」

この No offense.は言葉のクッションとして使える口語表現です。

I cannot be offended.
関西弁で言うと、「僕はロボットやから、傷つくことはあらへん」です。offend …は「…を不快にさせる」という他動詞です。

ですから I am offended. で「私は不快にさせられる」=「私は不快だ」という意味になります。そこから I cannot be offended. で「私は不快になることなんてない」です。

offend を使った決まり文句は次の通りです。

I didn’t mean to offend you. 「気を悪くしたらごめんなさい」
上の No offence の丁寧な言い方で、こんな日本語もたぶん一度は使ったこよがあると思います。直訳は「不快にさせるつもりはなかったんだ」

Are you offended? 「気わるした?」
「気を悪くした?」が普通ですが、「気わるした?」は、関西では頻繁に使われる関西弁です。

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