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ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート57】

ジョイ: Which way? Left?「どっち?左?」
カナシミ: Right.「回って」
< ジョイが右(right) へ行こうとする >
カナシミ: No. I mean, go left. I said left was right. Like “correct.”「違うの。「回って」は「左へ回って」のこと」

「インサイドヘッド」

ジョイがカナシミに道を聞く場面ですが、この2人の噛み合わない二人の会話は面白いです。

この “わかりにくい” 会話が意味するのは次の通りです。

ジョイ: カナシミに左に行けばいいのかを聞く。

カナシミ: 「 Right (右だよ) と言う。( 字幕は苦肉の「回って」)

ジョイ: ( 言われた通りに) 右に行こうとする。

カナシミ: すると「違うよ。左に行って ( Go left )」と言い出す。その理由は、「左が正しい( I said left was right. )と言った」から。

ポイントは、カナシミが言った “Right.” を、ジョイは「右」だと思ったことです。

しかし実際は、カナシミは “Right.” を「右」ではなく、「正しい (correct)」の意味で使ったのです。

ジョイとカナシミのちょっとした言葉遊びでした。(苦肉の字幕ですね…)


カナシミ: Oh, sorry, I won’t. Starting now. 「触らないわ。これからは」
ジョイ: Oh, I can’t take much more of this. 「付き合ってられない」

「インサイドヘッド」

ジョイからボールに触らないように言われたカナシミが言った言葉です。

Starting now.「これからは」
“今この時点から” 〇〇を辞めたり、始めたりすることを言いたい時に使える表現です。

“I’m going to exercise daily. Starting now.”「毎日運動するよ。今から始めるし

「これから」「今から」は from now on を頻繁に使っていましたので( ほぼ一択でした )、 “Starting now.” もこれから使っていきたいですね。

I can’t take much more of this.「付き合ってられない」
I can’t take this ( any more ). は「もう我慢の限界に達している」という意味ですが、 I can’t take much more of this. は「我慢の限界に近づいている」という意味で使われます。

もう我慢できない」のか、「もうすぐ限界がやってくるのか」の違いですね。よく似てますが、違いを押さえておくと状況によって使い分けることができます。

ちなみに、I can’t take … の take は、stand, put up with, tolerate, endure, bear と同義語が沢山あります。私は、どれか出てくるたびに他の同義語を確認するようにしています。

でも、I can’t take this (it). の表現が圧倒的に多い気がするので、限界の手前の I can’t take much more of this (it). も覚えておけば表現の幅が広がると思います。


ジョイ:Wait. I know you.「見覚えが」
ビンボン: No, you don’t. I get that a lot. I look like a lot of people. 「よくそう言われる。勘違いだ」

「インサイドヘッド」

ビンボンは、ライリーの頭の中にいる架空の生き物です。

① I get that a lot.「よく言われる」
get を使ってるのがいいですね。個人的に大好きな表現です。直訳は「私はそれをたくさん得る」です。

that は、ジョイが直前に言った I know you.「見覚えがある」で、その言葉をたくさん得る( = 言われる)、という意味です。

I am told that a lot. でもいいですが、get の方がよりリズムがあってインフォーマルに感じます。それに簡潔なので好きですね。

他に、この get のように「言う」という意味で使われるのが  Don’t give me that. です。

「私にそれを与えるな」が直訳ですが、そこから「そんなこと言わないでよ」という意味にもなります。

A: It’s almost impossible… ( ほぼ不可能だよ…)
B: Don’t give me that. ( そんなこと言うなよ )

個人的に大好きな give と get を使った表現に出会うとワクワクしてしまいます。

② I look like a lot of people.「勘違いだ」
直訳は「私は沢山の人に似ている」で、もっと口語表現を使っていうと「私、いろんな人に似てるって言われる」です。

「似ている」と言えば resemble がありますが、look like は簡単でインフォーマルな表現です。

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