ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート57】
ジョイがカナシミに道を聞く場面ですが、この2人の噛み合わない二人の会話は面白いです。
この “わかりにくい” 会話が意味するのは次の通りです。
ジョイ: カナシミに左に行けばいいのかを聞く。
カナシミ: 「 Right (右だよ) と言う。( 字幕は苦肉の「回って」)
ジョイ: ( 言われた通りに) 右に行こうとする。
カナシミ: すると「違うよ。左に行って ( Go left )」と言い出す。その理由は、「左が正しい( I said left was right. )と言った」から。
ポイントは、カナシミが言った “Right.” を、ジョイは「右」だと思ったことです。
しかし実際は、カナシミは “Right.” を「右」ではなく、「正しい (correct)」の意味で使ったのです。
ジョイとカナシミのちょっとした言葉遊びでした。(苦肉の字幕ですね…)
ジョイからボールに触らないように言われたカナシミが言った言葉です。
① Starting now.「これからは」
“今この時点から” 〇〇を辞めたり、始めたりすることを言いたい時に使える表現です。
“I’m going to exercise daily. Starting now.”「毎日運動するよ。今から始めるし」
「これから」「今から」は from now on を頻繁に使っていましたので( ほぼ一択でした )、 “Starting now.” もこれから使っていきたいですね。
② I can’t take much more of this.「付き合ってられない」
I can’t take this ( any more ). は「もう我慢の限界に達している」という意味ですが、 I can’t take much more of this. は「我慢の限界に近づいている」という意味で使われます。
「もう我慢できない」のか、「もうすぐ限界がやってくるのか」の違いですね。よく似てますが、違いを押さえておくと状況によって使い分けることができます。
ちなみに、I can’t take … の take は、stand, put up with, tolerate, endure, bear と同義語が沢山あります。私は、どれか出てくるたびに他の同義語を確認するようにしています。
でも、I can’t take this (it). の表現が圧倒的に多い気がするので、限界の手前の I can’t take much more of this (it). も覚えておけば表現の幅が広がると思います。
ビンボンは、ライリーの頭の中にいる架空の生き物です。
① I get that a lot.「よく言われる」
get を使ってるのがいいですね。個人的に大好きな表現です。直訳は「私はそれをたくさん得る」です。
that は、ジョイが直前に言った I know you.「見覚えがある」で、その言葉をたくさん得る( = 言われる)、という意味です。
I am told that a lot. でもいいですが、get の方がよりリズムがあってインフォーマルに感じます。それに簡潔なので好きですね。
他に、この get のように「言う」という意味で使われるのが Don’t give me that. です。
「私にそれを与えるな」が直訳ですが、そこから「そんなこと言わないでよ」という意味にもなります。
A: It’s almost impossible… ( ほぼ不可能だよ…)
B: Don’t give me that. ( そんなこと言うなよ )
個人的に大好きな give と get を使った表現に出会うとワクワクしてしまいます。
② I look like a lot of people.「勘違いだ」
直訳は「私は沢山の人に似ている」で、もっと口語表現を使っていうと「私、いろんな人に似てるって言われる」です。
「似ている」と言えば resemble がありますが、look like は簡単でインフォーマルな表現です。