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洋画のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート3】


今回は映画「リメンバー・ミー」のワンシーンで、ヘクターが自分の親戚だと分かったミゲルが喜ぶ場面です。

ヘクター : I didn't write Remember Me
for the world. I wrote it for Coco.  I'm a pretty sorry excuse for a great-great-grandpa. (人のための曲じゃない。ココのためだ。曾々祖父が俺でがっかりだな)

ミゲル: Are you kidding? A minute ago
I thought I was related to a murderer.  You're a total upgrade.  My whole life, there's been something... that made me different.  And I never knew where it came from. (まさか。人殺しの子孫にならずに済んだ。上等だよ。今まで思ってた。家族で僕だけ違うのは、なぜだろうって)

映画「リメンバー・ミー」


① I'm a pretty sorry excuse for a great-great-grandpa.「曾々祖父が俺でがっかりだな」

I’m a pretty sorry excuse ---「私はかなり残念な言い訳だ」が直訳ですが、いまいち意味がとれません。

ポイントは excuse の意味で、ここでは「」( example ) という意味になります。

すなわち、「…としてかなり残念な例(人物)だ」で、「…として本当に不甲斐ない」と自分が徹底的にへりくだる表現です。

「不甲斐ない」というのは日本語でもよく使う口語表現ですよね。ですから、セリフの a great-great-grandpa の箇所を次のようにいろいろ変えて自分の不甲斐なさを表現できます。

I’m a pretty sorry for a team leader /  a boxing champion.


② I thought I was related to a murderer.「人殺しの子孫にならずに済んだ」

related「関連した」から、人と人の関係になると「…と親戚である」という意味になります。

セリフの murderer「殺人者」とはデラクレスのことで、主人公のミゲルは危うく殺人者のデラクレスと親戚関係になってしまうと思っていたのです。

I’m related to that Olympic medalist.「私はその五輪メダリストと親戚である」

Are we related?「私たちは血縁関係がありますか?」

「親戚」が relative なので “Are we relatives?” ということもできます。

③ You're a total upgrade.「上等だよ」

この表現もユニークですね。upgrade はカタカナでも「アップグレード」と言い、性能や機能を高める場合に使われます。

パソコン用語として頻繁に使われるのでご存知の方も多いのではと思います。

パソコン関連で使われると理解が簡単ですが、ここでは何と人に対して使われています。しかも total「全くの」と強調されています。

直訳は「あなたは全くのアップグレード(機能向上)だ」

ですが、いまいちわかりにくいですね。

でも、ミゲルは悪人のデラクレスでなく、友人だと思っていたヘクターが自分の親戚、しかも偉大な音楽家だと知ってこの total upgrade を使ったのです。

そこから、デラクレスなんかよりずっとあなたはアップグレードされた凄い人だ、と言いたかったのです。字幕の「上等だよ」は素晴らしいです。

仕事場などでも、新しい上司が前の上司よりもずっと素晴らしいと思った時には、

Our new boss is a toral upgrade.

ということができます。言われた人もこれほど嬉しい事はないのではないでしょうか。

Yoy’re a total upgrade. --- ぜひ覚えておきたい言い回しです。

I hope I can help you study English through my articles.

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