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ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート68】

< 両親が帰宅するがライリーがいない >
母親: We’re home!「ただいま」
父親: Riley? Riley! 「ライリー?」
母親: I’ll call her cell. 「電話を」
< ライリーの家出が見つかったのではないかとビビるビビリ >
ビビリ: Oh, this is terrible. Wait, is that someone walking towards us? Yep, let’s cross the street. It’s Mom. She’s onto us! 「怖いよ。誰か来る。反対側へ渡ろう。ママだ。大変だ」

I’ll call her cell.「電話を」
「彼女に電話をしよう」です。

I’ll call her. や I’ll give her a call. でもいいですが、I’ll call her cell. はあまり聞かないのではないでしょうか。

少しでも面白いな!と思ったらそのまま使っていくことも大切だと思います。ともかく口に出して言ってみるみたいな感じです。cell は cell phone (携帯電話)の略称です。

She’s onto us!「大変だ」
字幕は「大変だ」と意訳されていますが、「彼女にバレた」という意味の表現です。

「バレる」というのは、知らなかったものに気づくことですが、この英語の直訳は「彼女は私たちの上にいる」で、「下にいた時には気づかなかったものが上にいくとわかった」というイメージで覚えると分かりやすいと思います。

onto” = on + to で to は「…に向かって」という方向性があるので、on よりも「動き」が感じられるのが onto です。

ですから「上に移動して(見る)」みたいな感じです。でもこの She’s onto us! も分かりにくい英語の一つではないでしょうか。

毎回思うのが、簡単な語彙を使った英語ほど意味がとりにくいことが多い、ということです。

ちなみに「バレた」は She caught us! ともいうことができます。( 直訳は「彼女は私たちを捕まえた」です )


ジョイ: Wait! Sadness! 「待って!」
カナシミ: Just let me go! Riley’s better off without me! 「私なんか邪魔者よ」

「インサイドヘッド」

③ Riley’s better off without me!「私なんか邪魔者よ」
be better off で「(前より)もっといい状態になる」という意味があります。ですからRiley’s better off without me! は「私がいない方が、ライリーはより良い状態になる」になります。

もっと言えば、私が一緒にいる時よりもいない時の方がライリーにとってはいい、という比較を意識した表現です。

字幕の「私なんか邪魔よ」は短くコンパクトな日本語で最高です。

After quitting that stressful job, I’m much better off.「そのストレスの多い仕事を辞めてから、ずっと良くなった」

また be better off は次のように …ing を伴ってよく使われます。

You’re better off taking the train instead of driving. 「車じゃなくて、電車で行った方がいいと思うよ」

この表現を取り上げたのは、had better「…した方がいい」との比較をするためです。次の2文を見てください。

(1) You’re better off studying hard.
(2) You’d better study hard.

(1) は「一生懸命勉強した方がしないよりもあなたのためになるよ」という助言ですが、

(2)は「一生懸命勉強しなければ将来よくないよ」という一種の脅しみたいな表現です。

had better は強い命令なので使い方に気をつけた方がいいというのは聞いた方があると思いますが、be better off …ingAするよりBの方がいいと思うよ」と柔らかい表現なので使い勝手がいいのではないでしょうか。


ジョイ: This is crazy. This is crazy. No, no, no. Joy. Be positive. I am positive this is crazy!「こんなの絶対ムリ。大丈夫、成功する。どう考えてもムリ!」

「インサイドヘッド」

I am positive this is crazy!「どう考えてもムリ!」

ポイントは、I am positive… という表現で、「…を確信している」という意味になります。positive は「積極的な」ですが、そこから「プラスの方向で考える」= 「確信している」となるわけです。

また、this is crazy. は「これは狂ってる」なので、「これが狂っていると私は確信している」というのが直訳です。

I am positive this is crazy! は、目の前に起こっていることがどう見てもおかしい時に使えるので、字幕の「どう考えてもムリ」はこれ以上ない意訳ではないでしょうか。

positivesure と同義語ですが、sure よりもさらに強い確信を表す語です。

I’m positive I saw her at the store yesterday.「昨日、間違いなく(=絶対に) その店で彼女を見ました」

などと言えます。

絶対自分が悪くないと思っている時は、

I’m positive I am not wrong.

と言えます。

「絶対〜だ」と確信している時は、absolutely  (絶対に) などという言葉を使わなくても I’m positive … で言い表すことができるのでこれからどんどん使っていきたいですね。

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