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【第78回】ディズニー映画「ベイマックス」の色々なシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。

ヒロ: Where did you get those?「作動装置は?」
タダシ Machined them right here, in-house.「自作だよ」

「ベイマックス」

Machined them right here, in-house.
machine
は動詞で「機械で加工する」という意味があります。また “in-house” は「家の中で」、「社内で」という意味です。

「私がここ研究室で、それらを機械で加工して作った」が直訳です。それを短くしたのが字幕の「自作です」です。

これは主語を入れると I machined them right here, in-house. です。

洋画 ( 洋楽もそうですが ) のセリフには、このタダシのセリフのように、主語が省略されているものもたまに見受けますが、英語は日本語よりも主語が省略されることはずっと少ないです。

ですから日頃から主語+動詞を意識して英語を聞いているので、突然主語のない英語に出会った時、理解することが困難になってしまうことが多々あります。

自ら英語を話す時も基本、主語は入れて話すのが普通なので尚更です。でもいろんな英語を聞き取るには主語がないという“カーブ”を投げられても対処できるようにしておかねばならないと痛感しています。

私が学生時代に主語のない英語を初めて聞いたのが、 “Never heard of that.” 「聞いたことがない」です。”Never” の前に “I have” が省略されています。確か、インタビュアーが少し驚いた口調で言ったのを覚えていますが、それまでは教科書や参考書は全て“主語”が明記されていたので、とても新鮮味があったのを昨日のことのように覚えています。なぜかめちゃくちゃ懐かしさを覚えます…。



ベイマックス: I cannot deactivate until you say you are satisfied with your care.「ケアに満足でしたら箱に戻ります」

「ベイマックス」

接頭語( 単語の先頭につける語 ) と 接尾語( 単語の最後尾につける語 )えお一緒に学べる語が “deactivate” です。意味は「動作を停止させる」ですが、その意味は、

de (打ち消し) + activ ( = active [動作した ] ) + ate (動詞化)= 作動するのをやめる

です。

de- で始まって ate- で終わる語は案外あります。

deregulate = de (×) + regul (= regular [規則正しい ] ) + ate (動詞化) = 規則化をなくす = 規制を撤廃する

dehydrate = de (×) + hydro (水力) + ate (動詞化) = 水の動きをなくす = 脱水させる

demotivate = de (×) + motiv (動機) + ate (動詞化) = 動機づけをしない = やる気を失わせる

これまでにも接頭語や接尾語を幾度となく取り上げてきましたが、私にとっては語彙力増強には欠かせないものです。「単語を見たらまずその成り立ちを考える」ー 英語における私の“座右の銘”です。



キャラハン教授: Burning the midnight oil, Mr. Hamada?「研究熱心だね」

「ベイマックス」

キャハラン教授の生徒であるタダシが夜遅くまで残って研究をしているのを見て、教授がタダシにかけた言葉です。

burn the midnight oil
「夜遅くまで仕事(勉強)する」という決まり文句です。

直訳は「真夜中の油を燃やす」ですが、油を入れたランプを一晩中つけて仕事(勉強)をすることから来ています。( この表現はわかりやすいですね )

日常的にはあまり使わない表現です。実際、アメリカの方に聞いてみましたが、意味はわかるけどフォーマルな英語だと言っていました。ここでは教授が少し大袈裟に言おうとしてこの burn the midnight oil を使ったのだと思います。

一般的には、They are staying up late. や They are working late.  などと表します。



タダシ: Hey, Professor. Actually, I was just finishing up.「教授、もう帰ります」

「ベイマックス」

I was just finishing up.
字幕は「もう帰ります」ですが、直訳は  「もう終わろうとしてたところです」です。

ここで finishing ではなく finishing up が使われているのは、「あと少しで終わる」というのを強調するためです。

up は「上に」が一般的な意味ですが、そのコアーイメージは「何かが終了する・完了する」です。

ですから finish + up で「今まさに…が終わる」というニュアンスになります。finish だけだとそこまでのイメージはなく、単に「終わる」という意味だけです。

A: Are you still doing that?「まだそれやってるの?」
B: I was just finishing up.「今終わろうとしてたとこだよ」

この「完了」をイメージさせるup を含んだ英文として理解しやすいのが、  I didn’t like it, but I ate it up anyway. 「それが好きではなかったけど、一応全部食べた」です。 I ate it anyway. でもいいですが、単に「食べた」というだけで全部食べたのかどうかはわかりません。

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