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【第91回】ディズニー映画「ベイマックス」の色々なシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。

フレッド: That mask, the black suit... We're under attack from a super villain, people! I mean, how cool is that? I mean, it's scary, obviously. But how cool!「マスクに黒服。あれはボスキャラだ!これって超クールだと思わない?」

「ベイマックス」

We're under attack from a super villain, people! 字幕にはないのですが、「みんな、オレたちは大悪党( super villain ) に攻撃されてるぞ」です。

We’re under attack from ... は「…の攻撃の下にいる」が直訳で、そこから「…の攻撃を受けている」という意味になります。

近年、ハッカーの攻撃がクローズアップされていますが、We’re under attack from hackers. ですね。

この be under attatck from ... は語彙的にはそんなに難しくないですが、問題は聞き取りにありました。とても聞き取るのが困難で何度も聞き返しましたが、セリフがわかっていても聞き取りにくい英語ってありますよね。これもその一つでした…

英語の4技能( 読む・書く・話す・聞く) の中で一番難しいのは“聞く”ことだと思います。自分でコントロールできないのが“聞く”ことだからです。

日本に長年住んでいる英語がネイティブの方は、日本人と話す時、誤解されないようにゆっくりとしたスピードで話してくれることが多いです。

そんな英語に慣れてしまうと、洋画で話されるスピードに全くと言っていいほどついていけなくなってしまいます。

ですから、洋画や海外ドラマは容赦ない natural English を学ぶ最高の教材だと思います。

何度聞いても分かりにくい場合、ともかく聞こえるようになるまで何度も繰り返し聞くしかないような感じがします…

余談ですが、“ゆっくりしゃべる”ということで新たに発見したことがあります。それはオーストラリアを訪問中、現地の中高生で日本語を学習している生徒と交流する機会があった時のことです。

現地の先生からできるだけ日本語で会話して欲しいと言われたので、日本語で会話するように心がけました。できるだけ“ゆっくり”と日本語を話すように心がけたのですが、それがなんと難しいことか...

日頃、(当たり前ですが)ペラペラと日本語でしゃべっているので、急にスピードダウンして、かつ簡単な語彙を選んで話そうとすると、逆に変な日本語になってしまったりして“悪戦苦闘”でした。

さらに、相手が理解していない語句や表現を簡単な日本語に置き換えて説明したりしましたが、これもとても困難な作業でした。

交流が終わった時はぐったりでしたね。他の日本人の方も同じようなことを言っていました。

日本在住で英語のネイティブスピーカーの方は、スピードを極端に落として、かつスラング等を使わずに毎日日本で生活していくのって、大変ではないかと思ったオーストラリアでの体験でした。



ハニー: Let's not jump to conclusions. We don't know he's trying to kill us.「殺す気はないと思うわ」

「ベイマックス」

マスクをかぶった男がヒロたちに襲いかかろうとするシーンです。

Let’s not jump to conclusions
jump to conclusions
は「結論に飛びつく」で、そのまま直訳すればいいので分かりやすい表現です。

日本語の口語表現で言うと「早とちりする」です。でも「その話に飛びついた」と言いたい時は、普通  I jumped at that story.「私はその話に飛びついた」と “to” ではなく “at”言います。

ここで思ったのは、なぜconclusions には to が、story には at が好まれるのかと言うことです。

これは to と at のニュアンスの違いから導き出せると考えました。to は「方向+到達」を、at は「1点」を表す前置詞です。

結論(conclusion) は“導き出す” もので、その話し合いの過程(方向性)が感じられるので to と相性が良さそうです。

それに対して、その話(story) はその内容を聞いてすぐに判断するという1点を感じさせるので at と相性がいいのです。

前置詞のイメージを掴むというのはさまざまな表現を理解するのに大いに役立ちます

もう一つユニークなイディオムに jump the gun早とちりする」「フライングする」というのがあります。

これは、運動会などで、ピストル(gun) を構えて、「よーいどん」でバーンと鳴らしてスタートをきるところから来ています。

でもスタートより早く飛び出して( jump ) しまうことから「早とちりする」となります。

実は、私はこの英語を ずっと jump to the gun とto が入ってるものとして覚えていました。

そしてその意味も、「銃に飛びつくな!」=「早まったまねをして死のうとするな」だと思っていました。

jump to the gun なんていう英語はないですし、Don’t jump the gun. もそんな物騒なことが背景にあるわけでもないとわかった時は、思い込みの怖さを痛感しました。

でもこれで絶対に jump the gun を間違わないです。



ワサビ: You have to indicate your turn! It's the law!「曲がる時は出さなきゃ」
ゴーゴー: That's it.「もうキレた」
ヒロ: Stop the car! Baymax and I can take this guy!「ベイマックスと僕で戦う…」

「ベイマックス」

That’s it.
ここでは、「はい、終わり」という意味で使われています。字幕は「もうキレた」で我慢の限界に達した時の表現です。

ここで、この That’s it. を取り上げたのは、助手席に座っているゴーゴーが、運転手のワサビにキレたのですが、その言い方が見事だったからです。

ザッ・ツ・イッ・トゥ“とゆっくりと噛みしめるように言ってるので、キレてるのがよくわかります。ずっと頭に残る言い方です!

② Baymax and I can take this guy!
この take は、「倒す、やっつける」の意味で使われています。

シーンを見ればこれは想像がつくのですが、take を「連れて行く」と考えると、なかなか「やっつける」という意味にたどり着きません。

やっぱり映画のような動画の中で英語表現を理解するのが一番だと思いました。

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