【第90回】ディズニー映画「ベイマックス」の色々なシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。
be pumped up
「興奮している、ワクワクしている」という意味で、 be excited と同義語です。
この2つの違いをChatGPT に聞いてみました。(まとめの箇所のみ引用しました)
pumped up は excited より強く、エネルギッシュなバージョンのようです。
これは pumpが「ポンプで空気を入れる」という意味があり、何かを膨らませたり、エネルギーを注入したりするイメージからきていると推測できます。
ポンプで、体内にエネルギーを注入しているイメージです。そこに「完了」のup が加わって満杯のエネルギー注入という感じでしょうか。
むちゃくちゃワクワクする場合は excited よりもpumped up をぜひ使っていきたいですね。
Fist bump (グータッチ)ができなかったベイマックスが、ヒロにやり方を教えてもらい、ゆっくりとグータッチができるようになってきた時にヒロが言った一言です。
You got it! には「その通り!」という意味があり、相手が完全に理解した時に使われます。
それを知っていると、進行形の You’re getting it. は「分かりかけている」と、完全ではないけれど理解が進んできているという意味になるのが分かります。
数学の問題も初めはチンプンカンプンだったのが、段々と解けるようになってきた時も、You’re getting it. です。
自分から見ると I’m getting it.「分かるようになってきた」です。
Understand? の類似表現に、Get it? ( もしくは Got it? ) 「わかった?」 というのも使えます。
「理解する」という意味で使われる get は understand の代わりに頻繁に聞かれるので、スピーキングはもちろん、リスニングにも必須の語彙だと思います。
Helps my pubescent mood swings.
直訳は「思春期 (pubescent) の気分の浮き沈み (mood swings) を助けてくれる(和らげてくれる)」です。 ( It helps ... と、主語の It が省略されています)
皆さんの周りにも、気分の浮き沈みが激しい人はいると思いますが、そんな人は 、
He (She) has really strong mood swings.
「彼(彼女)は本当に気分にムラがある」
と言えます。
また「思春期の気持ちの浮き沈みは、誰にでも起こる」というのを英語でいうと、
Pubescent mood swings happen to all young people.
になります。
Don’t push us away.
直訳は「私たちを押して遠ざけないで」で、そこから「私たちを避けないで」という意味になります。
For no reason he started to push me away.「どういうわけか彼は私を避け始めた」
これを取り上げたのは、「避ける」と言えば avoid 一択になっている人もいるのではと思ったからです。
という私も avoid ばかり使ってきたように思います…。ただ push ... away は avoid よりも強い拒絶を表すので使い方には注意が必要ですが。
ちなみに、上の例文にある For no reason は直訳の「理由もなく」でもOKでしが、「どういうわけか」と少し意訳してみました。
ゴーゴーがマスクの男から必死で逃げる運転手に指示する場面です。
Hard left!
車などを運転していて急に左に曲がる指示を出す時に使います。「左に急旋回!」ですね。「右旋回!」は Hard right! です。
別の良い日本語を思いつきました。それは、「ひだり〜!」です。大声で叫ぶとその切迫感が伝わってきます。
日本語は「みぎ〜」や「ひだり〜」のように後ろを伸ばすことによって緊迫感が伝わってきます。これまでそんなこと考えたことなかったですが、 Hard left! で、ふと考えてしまいました。ー 「日本語面白い!」
Hard は普通 I study hard. のように「一生懸命に」という意味で使われますが、このHard left! も「一生懸命左に曲がれ!」なんですね。
ゆっくりとやるんじゃなくて、全力で運転の切り替えを行うというイメージから Hard left! が生まれているのです。
普通に Left! でもいいですが、Hard を前につけるのが面白くてユニークです。
また、実際のこのシーンでは、ヒロたちを乗せた車が、左に急旋回する直前にゴーゴーが Hard left! と言ったので、英語とその急旋回ものシーンが頭から離れません…。
何度か触れてきましたが、動きと英語が同時に覚えられるのが、洋画や動画で英語を学ぶ大きな利点ではないでしょうか。